3: ◆fUP.t6E/JbsR 2014/05/22(木) 16:33:39.10 ID:mezNqy+M0
一人の男を巡って複数の女性が争う。
そんなものは物語の中か、ニュースでしか見れないし、自分には無縁なモノである。
そう、思っていた――自分が、その渦中の男になるまでは。
「京太郎」
背後から自分の名前を呼ぶ声。
鼻腔を擽るシャンプーの匂いと、首に回される腕。
「部活、行こうか」
「……小瀬川先輩」
いつからだったか、皆が通る廊下であるにも関わらず、この人がこうして俺に寄り掛かるようになったのは。
周りに権利を主張するように、べったりしてくるようになったのは。
「シロでいい……って言ったよね」
「……シロ、さん」
しがみつく力がより強くなった。
最初は役得だと喜んだ柔らかい感触も、今はこの後のことを考えると――
「なに、してるの」
憂鬱なものでしかない。
そんなものは物語の中か、ニュースでしか見れないし、自分には無縁なモノである。
そう、思っていた――自分が、その渦中の男になるまでは。
「京太郎」
背後から自分の名前を呼ぶ声。
鼻腔を擽るシャンプーの匂いと、首に回される腕。
「部活、行こうか」
「……小瀬川先輩」
いつからだったか、皆が通る廊下であるにも関わらず、この人がこうして俺に寄り掛かるようになったのは。
周りに権利を主張するように、べったりしてくるようになったのは。
「シロでいい……って言ったよね」
「……シロ、さん」
しがみつく力がより強くなった。
最初は役得だと喜んだ柔らかい感触も、今はこの後のことを考えると――
「なに、してるの」
憂鬱なものでしかない。
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