1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 01:56:30 ID:Lvy7yie30
―――――――都内、某個室居酒屋


良子「………で、なぜそのためにわたしが狩りだされたのでしょうか」

恒子「いやー、なんとなく他のプロから私って扱いが悪いんだよね」

良子「はあ」

良子「扱いが悪い、とは?」

恒子「実はさ、このあいだ聞いちゃったんだ――――――」



3: 短いからだいじょうぶ 2013/04/15 01:58:13 ID:Lvy7yie30
恒子「おっ、すっこ……」

恒子「やーん、と、針生アナに三尋木プロ?」

恒子「何話してるんだろ」


咏「いやー今日の解説もお疲れー」

健夜「うん、そっちはオフだったの?」

えり「はい、うちの局でもやりたかったんですけどねぇ」

咏「あいかわらずエキサイティングだよねー、あの変なアナウンサー」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:01:20 ID:Lvy7yie30
えり「変なアナウンサーって……」

えり「まあ、もう少し職務にまじめに取り組んでいただきたいですね」

咏「それはわたしにも言ってるのっかなー?」

健夜「ふたりが組んだら大変なことになりそうだよね」

咏「それは違いないねぃ、ふはははははは!」




恒子(変なアナ……)






6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:04:04 ID:Lvy7yie30
良子「確かに変なアナですね……」

恒子「そうかな?」

良子「イエス。大人の魅力を手に入れるため、と言いつつわたしに助力を乞うあたりが特に」

恒子「いや、だって良子ちゃんは大人っぽいじゃない」

良子「そうでしょうか?わたしなんて先日20になったばかりですよ」

恒子「飲み物のチョイス渋いし!」

良子「それは関係ないと思いますが」

恒子「関係大有りだよ!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:06:40 ID:Lvy7yie30
恒子「あっ、すみませーん。カシオレとフライドポテトに串カツください」

良子「烏賊明太と獺祭をください」

恒子「ほらー!渋いー」

良子「ソ、ソーリー……」

良子(ってなんで謝ってるんでしょうか)

良子「それで、大人の魅力を手に入れてどうするつもりなんです?」

恒子「こう、みんなから頼られる感じになりたい!」

良子「はぁ」

良子(発想がすでに子供っぽい)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:09:11 ID:Lvy7yie30
恒子「なんかいい案無いかなぁ」

良子「そうですね」

良子「まずは……喋り方を変えてみてはいかがでしょうか」

恒子「喋り方?」

良子「ええ、福与アナは誰に対しても友人に話すような口調で話しかけてますし」

恒子「そうかなぁ」

良子「そうです」

良子「と、いうわけでこの機会に敬語と礼儀をバッチリマスターしましょう」

良子「ウチにある『よくわかる敬語講座DVD全6巻』が日の目を見るときが来ました」

恒子(なにそれ死ぬほどつまんなそう)

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:11:14 ID:Lvy7yie30
恒子「え、えー、まだ飲み足りないよー」

良子「ダメです、すぐにでも行きましょう」


「烏賊明太と獺祭お待たせしましたー」


良子「…………」ジュルリ

恒子「ほらほら、もったいないし、ね?」

良子「仕方ないですね……」





11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:13:50 ID:Lvy7yie30
恒子「あーっ、飲んだ飲んだー!」

良子「良い食べっぷりでしたね」

恒子「また太っちゃうけどね……」

恒子「じゃっ、お疲れー!」


ガシッ

良子「何か忘れてませんか?」

恒子「わ、忘れてないよ」

良子「忘れてますよね?」

恒子「……」


恒子「おっさきー!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:17:36 ID:Lvy7yie30
良子「…………」フゥ


良子「秘法・金縛りの術」ピキーン


恒子「あれっ?」ピタ

恒子(急に体が動かなくなった!って、この体勢だと……)フラ

ズテッ


良子(oh……顔面からいってしまいましたか)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:20:35 ID:Lvy7yie30
恒子「あががががががが」

良子「精神波を投射して身体の全神経に働きかける術です。今のあなたは指一本、口すら動かせません」

恒子(せめてまばたきはさせてー!)

良子「では行きましょう」ズルズル

恒子(助けてすこや~ん)






21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:22:15 ID:Lvy7yie30
―――――――翌日


恒子「おはようございます、小鍛冶プロ」ビシッ

健夜「あ、うん。おはようこーこちゃん」

恒子「今日の解説もよろしくお願いします」キリッ

健夜「え、うん……」

健夜(またなんか企んでるのかな……?)




恒子「それでは、選手の紹介に参りましょう」

健夜「そ、そうだね」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:23:52 ID:Lvy7yie30
恒子「小鍛冶プロ、今の四索切りは」

健夜「え、あ……この選手は狙えるときは全帯に持っていくことが多いようです」

恒子「なるほど。確かに過去の牌譜もそうなってますね」




恒子「それでは中継を終わります」

健夜「はあ……お疲れ様でした」



健夜「もう、一体どうしたのこーこちゃん」

恒子「何が?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:25:50 ID:Lvy7yie30
健夜「どうしてそんなに他人行儀なのさ」

恒子「いやー、ちょっとはマジメに仕事しようかなって」

健夜「それはいいことだと思うけど」

恒子「じゃあ、この後もやることがあるからまたね」

健夜「そ、そう」





28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:27:48 ID:Lvy7yie30
―――――――洒落た感じのバー


良子「で、どうでした」

恒子「まあ、まずまずって感じですかね。すこやん微妙な顔してたけど」

良子「では次のステップに移りましょうか」

恒子「あいあいさー」


良子「次はまあ、大人の女性らしいことですかね」

恒子「ほほう」

良子「福与嬢のお部屋には、香炉とかあります?」

恒子「無いかなあ」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:30:21 ID:Lvy7yie30
良子「香を焚くとか、大人の女性らしくていいと思いますけど」

恒子「香炉はお仏壇にあるのじゃダメ?」

良子「マンション暮らしではなかったですか。仏壇があるので?」

恒子「ないけど」

良子「だったら結局買うんじゃないですか……」

恒子「てへ」

良子「香のほうはこっちで用意してあります。これ」ガサ

恒子「へー、そのままでも結構いい匂い」

良子「インドの秘境でお世話になった族長に譲っていただいたものです」

恒子「へ、へぇ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:32:29 ID:Lvy7yie30
恒子(本当にこの人は何者なんだろう)

恒子「って、そんなもの貰っちゃっていいの?」

良子「んー、点火してはないのですが、ちょっと嗅いだ感じあまり好みではなかったので」

恒子「それって体のいい不用品処分って事?」

良子「お気に召しませんでした?」

恒子「ううん、普通に気に入ったけど。この匂い」

良子「では、それは差し上げます」

恒子「ありがと……」





35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:33:53 ID:Lvy7yie30
――――――福与恒子の家


健夜「で、急に家に遊びに来いだなんてどうしたの?」

恒子「んー、別に?」

健夜「まあ、明日の打ち合わせもあるしいいけど」

恒子「すこやーん、リンゴジュースとリンゴジュースとリンゴジュースどれがいい?」

健夜「相変わらずそのセレクトなんだね……」

恒子「100%のやつと黒酢入りのと果肉入りがあるけど」

健夜「微妙に変わってる!?」

健夜「じゃあ……黒酢入りで」

恒子「はい、どうぞ」

健夜「えっ、しかも紙パックごと!?」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:36:34 ID:Lvy7yie30
恒子「あっそうだ、ちょっとお香焚くね」

健夜「いいけど……」


シュボッ


健夜「んー、いい香りだね」

健夜「急にお香なんてどうしたの?」

恒子「……何でもないよ」

健夜「最近こーこちゃん変じゃない?」

恒子「…………」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:37:05 ID:Lvy7yie30
恒子「……どうせわたしは変なアナですよーだ」

健夜「本当にどうしたの?」

恒子「ふん、すこやんだってどうせほかのプロと一緒に『敬語使えない生意気な子供ー』とかいって馬鹿にしてるんだ」

健夜「何言ってるの?というか敬語はちゃんと頑張ろうよ」

健夜「それに昨日はできてたじゃない」

恒子「きっと『そろそろ年も年だしあのノリは正直ついていけないわー』とか愚痴ってるんだ」

健夜「年も年……ってそこまでじゃないよ!」

恒子「すこやんのバーカバーカ!滑って転んでトリプルアクセルで四十肩こじらせて死んじゃえー!」

健夜「」

恒子「わたしなんて……わたしなんて」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:37:36 ID:Lvy7yie30
健夜「もう、そんなこと言わないでこーこちゃん」

健夜「わたしは、今のままのこーこちゃんでいいと思ってるから」

恒子「すこやぁん……」

恒子「ずるいよ、こんな時だけ大人ぶって……」

健夜「なっ、大人ぶって、ってこーこちゃんより大人だからね?」

健夜「だから、さ。たまにはもうちょっと甘えてよ」

恒子「ありがとう」グスグス

健夜「まったく、いっつもはアラフォーアラフォーっていじるくせに」

恒子「ごめんねぇ……」





43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:38:09 ID:Lvy7yie30
みさき「で、めんどくさくなってお香に一服盛った訳ですか」

良子「ノンノン。少しだけ自分の気持ちに素直になってもらっただけです」

理沙「それ同じ!」

みさき「それにしても何でもできるんですね」

良子「なんでも……はできませんよ」



良子「人よりちょっとできることが多いだけです」

理沙「こわい!」

みさき(野依プロをリラックスさせるようなお香とか作ってもらおうかな……)





46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:39:48 ID:Lvy7yie30
恒子「すっこやーん」ベタベタ

健夜「も、もうちょっと離れてね」



えり「何ですかアレ……」

咏「どうやらイメチェンの結果らしいねぃ」

えり「どこも変わったように見えないんですが」

咏「わたしもそう思うさね。知らんけど」

えり「昨日は割と真面目に実況してたのに……」

咏「普段と違うことをして新鮮味を出すことで、新たな世界が開けるかもしれないぜぃ?」

咏「えりちゃんもやってみたら?」

えり「例えば、どういうのですか」

咏「渾名で呼んでみるとかいいんじゃね?知らんけど」

えり「…………う」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:40:23 ID:Lvy7yie30
えり「うたにゃーん?」

咏「ほいほーい?」



咏「……………ぷっは!やべぇ!そうくるとは思わなかったぜぃ」

えり(恥ずかしすぎる)


咏「やっべつぼった!おもしろすぎだわ」

えり「ああもう!そろそろ行きますよ三尋木プロ!」


咏「……なぁなぁ」

えり「なんですか?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/15 02:41:51 ID:Lvy7yie30
咏「えっりにゃーん」

えり「やめてください!」

咏「今度の飲み会のネタはこれ1本で1時間は持つねぃ、ほっほっほ!」




恒子「ねぇねぇ、すこやん」

健夜「どうしたの、こーこちゃん」

恒子「わたし、すこやんより子供で、良かったよ!」

健夜「……なにそれ?」

恒子(だって、より子供なほうにしか、大人の魅力はわかんないもんね!)

恒子(それにわたしまで大人の魅力を手に入れちゃったら、精神的平均年齢がアラフォーになっちゃうからね!)

カン


恒子「大人の魅力を手に入れよう」良子「はあ」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1365958590/)