5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 21:37:01 ID:ZM3dVM+K0
誠子「やったぁ、明日の部活が休みになった!」

淡「お休みお休みー♪」

誠子「よし、これは釣りに行くしかない!」

尭深「…また渓流釣り?」

誠子「そうそう!遊漁の年券買ったのに全然行けてなくて」

淡「ねんけん??」

誠子「川釣りにもお金が必要なんだ、まあ、年券は年間パスみたいな」

淡「なるほどなるほど!お金いるんだ!」

誠子「そうだぞー。川も手入れや管理が大変だしね、安いもんだよ」

淡「なんか面白そう!一緒に行ってもいい?」

誠子「え、淡が?釣りに?」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 21:41:52 ID:ZM3dVM+K0
淡「ダメなのー?」

誠子「いいよ、自然の素晴らしさを教えてやるー」

淡「やったぁ!誠子とおでかけ~♪これってデートだよねぇ」

誠子「そ、そうなの?まあいいけどさ」

尭深「ねぇ、」

誠子「尭深?」

尭深「私も、行く」

誠子「え、でも、服とか汚れたりするし…大丈夫?」

尭深「その心配、淡ちゃんにはしないの?」

誠子「え?あ、だって淡はそういうの気にしないタイプだろ?」

淡「ひどーい!気にするよー!でも、いいの、楽しそうだから!えへへ」

誠子「ほら、気にしてないじゃん。でも、尭深はほら、気にするかなって」

尭深「…しない、しないもん。私も行く」

誠子「そう?ならいいけど…」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 21:48:30 ID:ZM3dVM+K0
菫「楽しそうだなお前ら」

照「釣りね、楽しそう」

誠子「先輩方は何か予定あるんですか?」

菫「私たちは参考書を買いにな、えっと」

照「回りくどい…デートデート」

淡「ふふーん♪私と誠子と一緒だね!」

菫「渋谷も一緒だろうが」

淡「3人でデートって言うの?」

誠子「さ、さぁ?」

尭深「…言わない」

菫「そうだ、言わないぞ」

淡「なーんだ。でも、楽しそうだよね、ね、たかみー」

尭深「うん…多分」

誠子「よーし、じゃあ明日早起きなー」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 21:52:51 ID:ZM3dVM+K0
淡「起きられるかなぁ…」

誠子「時間に来なかったら置いていくからなー」

淡「だ、ダメダメ!そんなのダメ!絶対起きる!」

誠子「うんうん、それでいいそれで」

尭深「私は早起き得意だから」

誠子「知ってる、だから尭深はその心配してないよ」

尭深「え、うん…//」

誠子「あれ、なんか顔赤くない?大丈夫?」

淡「たかみー風邪?もしあれだったら明日は…」

尭深「ち、ちが!風邪じゃないから、明日はちゃんと行くから…」

淡「…なーんだ」ボソッ

誠子「そう?ならよかった、あ、尭深、お昼なんだけどさ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 21:58:51 ID:ZM3dVM+K0
尭深「お昼?」

誠子「朝が早いから言いにくいんだけど、前に作ってくれたやつ…食べたいなぁって」

尭深「…おにぎり?」

誠子「そう!あれ美味しかったんだ、…連れて行く代わりって言うと卑怯だけど
   お願いしてもいいかな?だめ?」

尭深「え、あんなのでいいなら…いくつでも」

誠子「ほんと?マジ?やった、ありがと!」ナデナデ

尭深「か、簡単だから、そんな、別に//」

淡「……ねぇ誠子!」

誠子「ん?」

淡「私も作ってくる!」

誠子「え、いいよ。淡は起きるだけで大変だろ?」

淡「つ、作るったら作るの!」

誠子「そう?ならまあ…お願いするね、淡」

淡「うん!任せといてよ!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:08:36 ID:ZM3dVM+K0
菫「…面白いことになってるな」

照「だね」

菫「亦野、あれは鈍感だからなぁ」

照「私は人のこと言えない…」

菫「確かに」

照「…ひどい」

菫「自分で言ったんだろうが」

照「ふん、菫のばか」

菫「おいおい、なんだよもう」

照「…ねぇ、明日はさ」

菫「ん?」

照「楽しみだよね」

菫「え、あぁ…だな」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:15:33 ID:ZM3dVM+K0
誠子「じゃあ、明日は○時に集合ってことで!」

淡「うん!」

尭深「わかった」

誠子「アマゴはさ、警戒心強いから派手な色の服はNGなー」

誠子「あとちょっと岩場に登ったりするかもだからスカートもダメだし、
   汚れてもいい服で、靴はスニーカーね、絶対だよ?」

淡「りょーかい!」

尭深「うん、楽しみ」

誠子「いつもは一人だからさ、人を連れて行くって新鮮だよ」

淡「私と一緒で嬉しいでしょー?」

誠子「うん、嬉しい嬉しい」

尭深「…私は?」

誠子「嬉しいに決まってる」

尭深「うん、そっか」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:24:13 ID:ZM3dVM+K0
淡「川に入ったりするの?」

誠子「まあ浅瀬なんかには入ってくよ」

淡「ワイルドだー」

誠子「でさ、こう五感を研ぎ澄まして…竿を振るわけだよー」

淡「かっこいいー」

誠子「へへ、ありがと」

尭深「私たちなにか持ち物ある?」

誠子「あ、タオルは首に巻いたり拭いたり使うから
   何枚かあってもいいかも。あと飲み物とか…あ、夜メールするよ」

尭深「うん、…ありがとう」

誠子「え?なんで?」

尭深「気を使わせてるかなって」

誠子「何言ってんの、私と尭深の仲じゃん?」

尭深「う、うん…だよ、ね」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:28:10 ID:ZM3dVM+K0
淡「いいなーいいなー同級生いいなー」

誠子「後輩もいいんじゃない?」

淡「なんで?」

誠子「お前が甘えてくれるとほら、先輩的には嬉しいし?」

淡「あ、甘えてって…も、もう!//」バシッ

誠子「いたっ!叩くなよー」イテテ

淡「ばーか、誠子のばーか//」

尭深「…照れてる」

照「え、呼んだ?」

菫「…お前じゃない」

照「なーんだ…」

誠子「え?なんですか?」

菫「…まあ、頑張れ亦野」

誠子「へっ??」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:32:32 ID:ZM3dVM+K0
次の日、待ち合わせ場所


淡「ま、間に合った…」ハァハァ

誠子「お、ギリギリだけどちゃんと来れたね、淡」

尭深「おはよう、淡ちゃん」

淡「ちょー早起きだよー初めてだよー」

誠子「えらいえらい」ナデナデ

淡「えへへ、あ、ちゃんとお昼も作った!」

誠子「ありがとね。お昼楽しみ」

淡「ふふん♪」

誠子「さ、淡がご機嫌のうちに行くかー」

尭深「うん」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:39:49 ID:ZM3dVM+K0
淡「たかみーも作ったんだよね?」

尭深「うん、そうだよ」

淡「そっか、楽しみ…」

尭深「…私も」

誠子「どしたの?」

淡「う、ううん。なんでもなーい」

尭深「なんでもないよ、行こう」

誠子「あ、うん…じゃあ、ここを登っていくからね」

淡「はーい」

誠子「最初はなだらかだけど少しずつきつくなってくるから
   辛くなったらすぐに言ってね」

尭深「うん、了解」

誠子「じゃあ出発ー!」

淡・尭深「おー!」」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:46:56 ID:ZM3dVM+K0
淡「いつも釣るところへ行くの?」

誠子「そうそう、ちょっと大変だけどよく釣れるんだ」

淡「そうなんだー…ん~!空気が美味しい~」

誠子「うん、自然の澄んだ空気は何ものにも代えがたいよね」

尭深「緑の香りも落ち着く」

誠子「うんうん!二人が分かってくれて嬉しいよー」

淡「えへへー。それにしても大荷物だよね、誠子」

尭深「重くない?」

誠子「これくらいどうってことないよ、てか減らしたくらいだよ?」

淡「そうなの!釣りも大変だ!」

誠子「こう、小物とかごちゃごちゃと多くてさ」

尭深「そういえば誠子は整理整頓得意じゃなかったよね」

誠子「さすが尭深、よく覚えてる!って整理整頓しとかなきゃ
    いざって時に欲しいものが使えなかったりするんだ」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:52:08 ID:ZM3dVM+K0
淡「アハハーダメじゃん!」

誠子「うん、ダメだー」

尭深「私ならいつもで手伝うよ、ほら、1年生のときも…」

誠子「あ、そうそう!弘世先輩にすごい怒られたんだよなー!」

誠子「『亦野、部員になりたかったらまず身の回りを片付けろ!』ってね!」

淡「それ菫のモノマネ?似てないよー!」クスクス

誠子「え、似てなかった?あはは、難しい」ケラケラ

尭深「あのときみたいにいつでも頼ってね」

誠子「うん、ありがと尭深。尭深が同級生でよかった」

尭深「それは私のセリフ」

誠子「じゃあ、お互い様だね」

尭深「うん」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 22:59:30 ID:ZM3dVM+K0
淡「……」ムッ

誠子「淡疲れたの?まだ出発して30分も経ってないよー」

淡「そんなんじゃないし!」

尭深「……」クスッ

淡「……っ!」

誠子「ならいいけど。あ、そこを右に曲がって」

淡「はーい」

誠子「ここからはぬかるみとかあるしちゃんとした道じゃないから
   しっかり着いて来てね、木の枝とか段差にも気をつけるんだよ」

淡「はい!」

尭深「う、うん」

誠子「尭深?大丈夫?」

尭深「ごめん、平気」

誠子「ならいいけど…じゃあ、行くよ」


淡「……たかみーにだけ優しい」ボソッ

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:05:19 ID:ZM3dVM+K0
しばらく歩いて…


淡「ねぇ誠子まだー?」

誠子「もうちょっと、頑張れ淡」

淡「うん!頑張る!」

誠子「その意気だ!」

淡「ハイ!隊長!」

誠子「誰が隊長だよまったく」

尭深「た、隊長…きついです」

誠子「尭深まで…って大丈夫?休憩する?」

尭深「あ、あとどれくらい?」

誠子「そうだな…このペースだと10分くらい」

尭深「なら頑張るから」

誠子「ほんと?無理しないでよ?」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:12:29 ID:ZM3dVM+K0
誠子「あ、手をつなごうよ。そしたらほら、ちゃんと着いてこれるし」

尭深「え、でも//」

誠子「気にしないで、ハイ」

尭深「う、うん//」ギュ

淡「なっ!!」

誠子「淡?ほら、行こう」

淡「え、あ、うん…」

誠子「尭深、私が速かったら言うんだよ」

尭深「うん、あの、ありがとう…」

誠子「いいっていいって、そんな顔しないの」ノゾキコミ

尭深「っ!//」

誠子「ほら、さっさと行っちゃお」

尭深「う、うん!」


淡「おかしいおかしい…こんなはずじゃなかったのに…」ボソボソ

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:19:08 ID:ZM3dVM+K0
誠子「よーし、じゃあそこの岩場を登ろう。登ったら、ゴール!」

淡「え、これを登るの?」

誠子「ちょっと高いけど、そこに足をかければ」

尭深「…自信ないかも」

淡「川ならここにだってさ」

誠子「うーん、でもここを登ったところの方がいいんだ」

尭深「…なら、頑張る」

誠子「ありがとう尭深、じゃあ私が先に登るから引っ張り上げるよ」テヲハナス

尭深「あっ…」

淡「わ、私も頑張るから!」

誠子「うん、いい子だ淡!」ナデナデ

淡「う、うん!」

誠子「よし、じゃあ、ここに足をかけてっと…」グイッ

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:25:08 ID:ZM3dVM+K0
淡「すごい!かっこいい!」

誠子「あはは、ありがと。さて、どっちから登る?」

淡・尭深「「私から!」」

誠子「ちょ、二人一緒は無理かな」アセッ

淡「じゃあ、たかみーどうぞ?」

尭深「ううん、淡ちゃんからどうぞ?」

淡「いやいやここは先輩から」

尭深「こういうのは後輩からでしょう」

誠子「…どっちでもいいよ、ほら、」テヲノバス

淡「じゃあ私!」ギュッ

尭深「あっ!」

誠子「よし、淡、私が足をかけた場所に足をかけて…」

淡「う、うん。確かここ…」

誠子「引っ張るよ、いい?いくよ?んー!よいしょっと!」グイッ

淡「うー!っと!!」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:30:03 ID:ZM3dVM+K0
淡「登れたー!おー!上はこうなってるんだ!」

誠子「いい景色だし、いい釣り場なんだ」

淡「いいねいいね!」

誠子「でしょ?頑張った価値もあるでしょ?」

淡「あるある!」

誠子「よし、じゃあ次は尭深だ」

淡「たかみーは運動音痴だからなー」クスッ

尭深「淡ちゃん聞こえてるよ!」イラッ

淡「えーなにかなー」

誠子「こら、淡」

淡「ごめんねーたかみー」

尭深「…誠子、早く上に行きたい」

誠子「うん、じゃあ、淡がやったみたいに足をかけて」

尭深「わかった」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:38:04 ID:ZM3dVM+K0
尭深「ここ…だったかなぁ」

誠子「じゃあ、足をかけたところをしっかり蹴るんだよ?いい?」

尭深「う、うん」

誠子「はい、しっかり掴んでね」テヲノバス

尭深「掴んだよ、うん」ギュウ

誠子「引っ張るよ、んーっ!!よいしょ、あっ!!!」

尭深「え、あっ!」ズルッ

淡「誠子?ってちょ、危ない!!」グイッ

誠子「た、尭深大丈夫!?」

尭深「な、なんとか」

誠子「ちゃんと足元蹴った?」

淡「たかみーしっかり!誠子まで落ちちゃうよ!」

尭深「ご、ごめんなさい」ショボン

誠子「いいから、ほら、もう一度、引っ張るよ。いくよ!淡も一緒に!」グイッ

淡「う、うん!」グイッ

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:44:53 ID:ZM3dVM+K0
尭深「んっ!はぁ、登れた…」

誠子「ハァハァ、よかった」

尭深「ごめんなさい…足を引っ張ってばかりで…」

誠子「そんなのいいって。大丈夫だよ尭深」

尭深「でも…」

淡「誠子がいいって言ってるんだからもういいじゃんたかみー」

尭深「淡ちゃん…ありがとう、引っ張ってくれて」

淡「う、うん…別にいいけど」

誠子「尭深、元気出して。ほんと、平気だから。ね?」

尭深「…ありがとう、誠子」

誠子「よぉーし!じゃあ、お待ちかねの釣りの時間だぁぁぁ!」

淡「やっとだね!正直ちょっと疲れてるけどこれからだよね!」

誠子「そうだそうだ!これからだよ!」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:51:17 ID:ZM3dVM+K0
誠子「じゃあ私はいろいろ準備するね」

淡「それって大変?」

誠子「そうだぞー、ほら、この細かいのをこうやってこうしてってやるんだぞー」

淡「…うっ、めんどくさい」

誠子「ほら、あっちの平らな場所に持ってきたシート敷いて座ろう」

尭深「うん、ちょっと待ってね」ゴソゴソ

淡「たかみーシート持つよ、それ」

尭深「うん、じゃあこっちの角を持って…」

バサー

誠子「さて、荷物を置いてっと…」

尭深「淡ちゃん、座ろっか」

淡「うん」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/02 23:59:58 ID:ZM3dVM+K0
誠子「私は準備するから、二人はゆっくり休憩してね」

淡「うん」

誠子「疲れたでしょ?特に尭深は」

尭深「う、うん…けど気持ちいいね」

誠子「うん、水辺はマイナスイオンも出てるし清々しいよね」

淡「それに涼しい~水の音も心地いいね」

誠子「うんうん、っと、……あれ、どこやったっけ…あぁ、あったあった」

誠子「で、…ここにこれを置いて…」


淡「誠子集中してるね」

尭深「すごく夢中で楽しそう」

淡「…うん」

尭深「こんなにきついなんて思わなかったなぁ」

淡「だよね、舐めてたかも」

尭深「だけど、…来てよかった」

淡「…うん、よか ったよね」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:09:43 ID:jsdv1e5q0
誠子「よーし仕掛けの準備できたー」

淡「おっ!できたー!」

尭深「ってミミズ…」

淡「たかみー怖いの?」

尭深「こ、怖くない、けど、」

誠子「無理しなくていいよ尭深、でもまあ、これは釣りには不可欠でさ」

尭深「う、うん、そうだよね」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:10:36 ID:jsdv1e5q0
淡「ねぇ、こう竿をシュっとやるの?」

誠子「バカ、そんな場所ないだろー」

淡「そうなの?」

誠子「あんまり振っちゃうとそこらへんの岩とか木に当たっちゃうよ」

尭深「…なるほど」

淡「そうなんだー」

誠子「こうかっこよく振りたいなら海釣りとか、川でももっと広いところじゃなきゃね」

淡「ふむふむ!」

誠子「ほんとにわかってるのかー、ま、いいけどさ」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:17:43 ID:jsdv1e5q0
誠子「よし、じゃあはじめるか」

淡「わくわくだよー」

誠子「言っとくけど、1匹も釣れないかもしれないよ」

淡「え、そうなの!?」

誠子「自然が相手だしね」

尭深「難しいんだね」

誠子「でも、そこがいいんだけどね…っと、」

淡「そのあたりがいいの?」

誠子「うん、ほら、木陰になってて暗いでしょ?」

尭深「確かに…」

誠子「ねらい目なんだ、まあ、それでもダメなときはダメだけどね」

淡「そうなんだ!」

誠子「そんなにじっと見てなくてもいいよ淡」クスクス

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:21:51 ID:jsdv1e5q0
淡「うん、でもいいの、楽しいし」

誠子「そう?ならいいけど」

尭深「ふふ、なんかいいね」

誠子「なにが?」

尭深「ううん、なんでもない」

誠子「そ、そう、ならいいけど」


しばらく経って


淡「…釣れないの?」

誠子「お、早速飽きたな、淡」

淡「……」

誠子「まあ、焦れちゃうよね。私も始めたばかりはそうだったよ」

尭深「そうなんだ」

誠子「気ばかりが急くんだ、だけど、神経を研ぎ澄ませて
   じっと音を聞いてるとそんな時間もいいなって思えてきてさ」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:25:35 ID:jsdv1e5q0
誠子「釣れたら教えてあげるから」

淡「はぁーい」

誠子「尭深は退屈してない?」

尭深「してないよ、誠子を見てるだけで楽しい」

誠子「えーそれどういう意味だよー」

尭深「そのままだよー」

誠子「えー」

尭深「ふふ、大丈夫楽しいよ」

誠子「ならいいけどー」


淡「ねぇ、たかみー…」

尭深「なぁに?」

淡「…私が誠子に一緒に行きたいって言ったから付いて来たんだよね?」

尭深「さぁ、どうかな」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:29:29 ID:jsdv1e5q0
淡「ていうかぶっちゃけ、たかみーって誠子が好きだよね」

尭深「それは知らないけど淡ちゃんって誠子が好きだよね」

淡「私も知らない」

尭深「そう、私も知らないけど」

淡「…誠子ってさ、優しいよね」

尭深「優しすぎて、ダメな人」

淡「そう、でも、それが…嬉しいから」

尭深「嬉しいから、私も、淡ちゃんもダメなんだよね」

淡「3人ともダメダメだね」

尭深「そう、そうなの」

淡「…釣りバカ」

尭深「…鈍感」


誠子「ん~…釣れない」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:34:36 ID:jsdv1e5q0
お昼


淡「ねー誠子ーお昼の時間だよー」

誠子「え、もうそんな時間!?」

尭深「うん、そう」

誠子「くっそー…午前中1匹も釣れなかったよ…」

淡「そういうこともあるんでしょ?」

誠子「そうだけど、でもせっかく二人を連れて来たんだし…
   かっこいいとこ見せたいじゃん」

淡「…ううん、誠子はいつでもかっこいいよ」

尭深「う、うん//」

誠子「そ、それは嬉しいけどでもなぁ…うーん、仕掛けがまずいのかなぁ」

淡「…ダメだやっぱり」ボソッ

尭深「だね…」ボソッ

誠子「まあ、仕方ないか…ってそうだ!尭深と淡が作ってくれたお昼ご飯じゃん!」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:44:18 ID:jsdv1e5q0
淡「そうそう!私が作ったこのおかずに注目!」パカッ

誠子「おぉ!美味しそう!」

淡「えへへー」

誠子「こんなに作ったって何時起きだよ淡、ありがとう!」

淡「が、頑張ったんだよ!」

尭深「あ、えっと、これ、誠子が言ってたおにぎり」スッ

誠子「おーこれこれ!海苔が美味しいんだよね!」

淡「もう、テンション上がりすぎー」

誠子「だって後輩と同級生が作ってくれたご飯が食べられるんだよ?」

淡「え?」

尭深「え?」

誠子「嬉しすぎてテンション上がらないはずなくない?
   ほら、私は料理できないしさ、二人ともありがとね」

淡「あ、うん…」

尭深「うん、いいの。大した事じゃないから…」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:51:45 ID:jsdv1e5q0
誠子「じゃあ、いただきます!」

淡「はいどーぞ」

尭深「召し上がれ、誠子」

誠子「おー!玉子焼き美味しいー」

淡「でしょでしょー」

誠子「うん、淡すごいなぁ」ヨシヨシ

淡「もっと褒めてもいいよー」

誠子「うん、すごいすごい」

淡「誠子に喜んで欲しくて頑張ったんだからね」

誠子「喜んでるよ、ほんと、マジで」

淡「日頃のお礼と、今日のお礼」

誠子「淡…お前そんなキャラだっけ?」

淡「なっ!ひどーい!」

誠子「アハハ、ごめんごめん」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 00:55:40 ID:jsdv1e5q0
誠子「さて、尭深のおにぎりも食べようかなぁ」パクッ

尭深「どうぞ、たくさんあるからいっぱい食べて」

淡「たかみー私も食べていい?」

尭深「うん、もちろん。淡ちゃんの分も作ったから」

淡「わーい!ありがとー!私のやつも食べてね」

尭深「うん、じゃあ、いただきます」


誠子「おぉ!これだこれ!尭深のおにぎりはいつも美味しいなぁ」

尭深「そ、そうかな?別に普通って言うか…」

誠子「なんでだろう、美味しいんだよねぇ。何か入れてる?」

尭深「ううん、全然」

誠子「きっとあれだね、尭深の気持ちが入ってんだね」

尭深「えっ!?//」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:01:43 ID:jsdv1e5q0
誠子「美味しくなりますように、ってやつだね」

尭深「あぁ…そっちなのね」

誠子「そっち?」

尭深「ううん、なんでも。喜んでくれてよかった」

淡「たかみーよく作るの?」

尭深「そうでもないけど、前に一度1つあげたらすごく美味しいって言ってくれたから」

誠子「たまに食べたくなるんだよね」

淡「私のもなる?」

誠子「うん、美味しいからきっとなるよ」

淡「そっかぁ、よかったぁ」

誠子「さーて、腹ごしらえも済んだし…もいっちょ頑張るか」

淡「今度こそ釣り上げてよね」

誠子「うーん、まあ頑張るよー」

尭深「頑張って、誠子」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:07:54 ID:jsdv1e5q0
誠子「あ、あんまり遅くなると暗くて危ないから早めに切り上げるね」

淡「はーい」

尭深「うん、わかった」

誠子「あ、ていうか、ほんとに大丈夫?」

淡「なにが?」

誠子「いや、二人は釣りもしないのにここにいて退屈じゃないのかなって」

尭深「全然退屈じゃないよ、楽しい。ね、淡ちゃん」

淡「うん、大丈夫だよ誠子」

誠子「ならよし。…さて、仕掛けちょっと直すかな」

誠子「うーん、角度かなぁ…こっちをちょっと削るか」

誠子「……えーっと、これでいいかなぁ、よし」


淡「…相変わらず楽しそうで」

尭深「全然退屈じゃないよね」

淡「誠子を見てるだけで楽しいもんね」

尭深「…だよね」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:14:03 ID:jsdv1e5q0
誠子「っ!!あ、淡!きた!」

淡「ほんと!!?」

誠子「ほんとほんと!」

尭深「しなってる!」

誠子「よーし、そっとそっと…この網でっと…」

淡「っ!これがアマゴ!」

誠子「ちょっと待ってね、ハリを外して…はい、釣れた!」ドーン

淡「あ、赤い!」

誠子「あぁ、うんそうだよね。綺麗だよ…ちょっと小さいけど」

尭深「これで小さいの?」

誠子「うん、だけどまあ、よしとしよう」

淡「これがアマゴなんだぁ…」ツンツン

誠子「そんなに珍しい?」

淡「うん!誠子、連れてきてくれてありがと!」

誠子「あ、うん…なんか恥ずかしいな//」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:20:27 ID:jsdv1e5q0
誠子「そろそろ帰ろうかー」

淡「もういいのー?」

誠子「うん、これだけ釣れれば十分だよー」

尭深「午後はすごかったね」

誠子「こういうこともあるのが自然なんだよねー」

淡「面白いね」

誠子「でしょ?だから、やみつきなんだよね」

尭深「誠子、いい顔してる」

誠子「そ、そう?//」

尭深「さ、片付けよう」

誠子「うん、バラしてくね」

淡「これ塩焼きとかするの?」

誠子「そ、美味しいよ。お母さんがいろいろ料理してくれるの」

淡「食べたいなぁ」

誠子「うちにおいでよ、一緒に食べようよ。尭深も」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:24:28 ID:jsdv1e5q0
淡「い、いいの!?」

尭深「迷惑じゃない?」

誠子「ううん全然平気。今日は少し多めに釣れたしさ、ご馳走したい
    ってお母さんが料理するんだけどさ」

淡「い、行く!行きたい!」

尭深「あ、私も…」

誠子「おっけー。じゃあ、このまま沢を下りてうちへ向かおっか」

淡「さんせー!」

尭深「ありがとう、誠子」

誠子「なんのなんの。いいってことよー!」



淡「たかみー嬉しいでしょ」

尭深「それは淡ちゃんでしょ」

淡「ふーんどうかな」

尭深「そっちこそ」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:28:36 ID:jsdv1e5q0
淡「誠子、魚の分重いでしょ?何か持とうか?」

誠子「バーカ。淡に持たせるなんてできないよ」

淡「なにそれ落とすと思ってるんでしょー」

誠子「違う違う。後輩に重いもの持たせるなんてできないってこと」

淡「…そ、そう?ありがと」

誠子「今日はやけに素直だ、いいね、可愛い」

淡「か、可愛くなんかないよ、バカ//」

誠子「えー、淡って可愛いよね?尭深」

尭深「そう?」

誠子「もう、尭深は素直じゃないなぁ」

尭深「そ、そんなんじゃ…」

誠子「さて、岩場降りよっか」

淡「うん…」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:33:45 ID:jsdv1e5q0
誠子「私が先に降りるからね…よっと、ここを持つといいよ」

誠子「おっと、…よし、降りられた。じゃあ尭深からおいで」

尭深「あ、うん…」

誠子「落ち着いてね、ゆっくりでいいよ。そう、そこを持って」

尭深「い、行くよ」

誠子「うん、ちゃんと支えるから平気だよ、っと…よし、降りられた」

尭深「ほっ…よかった」

誠子「ごめんね、危ない場所に連れて行って」

尭深「ううん!謝らないで」

誠子「うん、…わかった。…じゃあ、淡降りといでー」

淡「行くよ~」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:39:50 ID:jsdv1e5q0
誠子「淡、急がなくていいからね。安全第一だよ」

淡「わかってるってー、全然平気っ、あっ!!」

誠子「ほら、もう!しっかり手をかけて!」

尭深「淡ちゃん落ち着いて!」

淡「こ、怖いよ誠子!お、落ちる!」

誠子「大丈夫、ちゃんと足をそこ、そう、かけて!」

淡「う、うん!…はぁ、よかった」

誠子「よし、じゃあ、ゆっくり、そう、ちょっとずつ降りてきて…うん、そうそう」

淡「は、はぁ…お、降りられた」

誠子「調子に乗らないの…もう」

淡「…ごめんね誠子」

誠子「いや、私こそこんなところに連れてきてごめん」

淡「なんで、私が来たかったんだよ」

誠子「そうだけど…でも、ごめん」

淡「…うん、いいよもう」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:43:39 ID:jsdv1e5q0
誠子の家まで歩く


誠子「疲れてるだろうし、ゆっくり歩いて行こう」

尭深「…うん、疲れちゃった」

淡「でも楽しかったよね、たかみー」

尭深「楽しかったね」

誠子「ほんと?なら連れてきてよかったのかなぁ」

淡「よかったんだって!」

尭深「うんうん」

誠子「私も楽しかったよ、淡と尭深がいて楽しかった」

淡「それはそれは」

尭深「お魚楽しみ…」

誠子「美味しいよ、きっと」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:49:14 ID:jsdv1e5q0
淡「ねえ、誠子、誠子が好きなものってなーに?」

誠子「好きなもの?うーん、釣り?」

尭深「麻雀じゃないの?」

誠子「それも好きだけど、今日は釣りしたばっかりだしさー。淡は?」

淡「好きなもの?うーん、私は麻雀」

誠子「そっか、淡らしいね。尭深は?」

尭深「私は…私は、私も、やっぱり麻雀」

誠子「お茶じゃないんだ?」

尭深「うん。麻雀の次かな、お茶は」

誠子「そっかー…私は釣りも麻雀もどっちも好き」

淡「釣りは自然が好きだからでしょ?じゃあ麻雀は?」

誠子「麻雀は、打つのも楽しいし団体戦だとみんなの試合見るのも好きだよ」

尭深「そ、そうなの?」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:54:27 ID:jsdv1e5q0
誠子「私は白糸台の仲間が好きだし、みんなで戦う団体戦が好きなんだよね」

淡「私も、みんなのこと好きだよ」

尭深「なら、私だって」

誠子「一体感っていうのかな…スポーツともまた違うような、なんて言えばいいのかな
   そういうのを体感できる麻雀が、好きなんだよね」

誠子「釣りとは全然違う、人と人とのつながりっていうかさ」

淡「誠子、いろいろ考えてるんだ」

誠子「どういう意味だーこらー」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 01:57:27 ID:jsdv1e5q0
淡「だって。ただの釣りバカかと。ね、たかみー」

尭深「ふふ、だね」

誠子「ち、違うって。もう…私はみんなが好きで麻雀が好きなんだよ」

尭深「そっか、みんななんだ」

誠子「尭深もそうだって言ったでしょ?」

尭深「そうだけど、そうじゃないっていうか」

淡「うん、そうだけどそうじゃないよね。わかるわかる」

誠子「えぇ、どういうこと?」

淡「鈍感な誠子には一生分かりませーん」

尭深「うーん、確かに」

誠子「私鈍感かなぁ。それは宮永先輩じゃないの?」

淡「うわ、自覚ないわけ?厄介だー」

尭深「ほんとだねぇ、困っちゃうね」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 02:01:41 ID:jsdv1e5q0
誠子「うぅ、二人がいじめるよー」

淡「照も大概だけど、誠子も全然負けてないから」

尭深「いい勝負かな」

誠子「…うーん。わからない…弘世先輩に聞いてみようかな」

淡「菫は多分教えてくれないんじゃないかなぁ」

誠子「そうなの?」

尭深「そうなの」


淡「ねぇ、それよりお腹すいちゃった」

誠子「もうちょっと我慢だー」

尭深「誠子ー」

誠子「ん?」

尭深「…今日はありがと」

誠子「え?うん…さっきも言ったよ?」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/03 02:06:11 ID:jsdv1e5q0
淡「あ、じゃあ私も!ありがと誠子!」

誠子「んー?変な二人」

淡「誠子、きっといつかさ」

誠子「いつか?」

淡「教えてあげるよ」

誠子「いつだよーそれ」

尭深「いつかは、いつかだよ」

誠子「なんとなく、すごく遠い話のような…」

淡「それは誠子次第ってことで」

誠子「うーん」

尭深「きっとね、わかるよ」

淡「私たち、気持ちが」


誠子「…気持ち?」



カン


続き→誠子「部活が休みになったから、どこかへ出かけよう」

誠子「部活が休みになったから釣りに出かけよう!」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364905684/)