4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:24:27 ID:tDzzwtDH0
~白糸台高校麻雀部部室~

ドア「ガチャ」

菫「すまない、遅くなった…」


淡「うわあぁぁぁん!」ワーン

尭深「淡ちゃん、泣かないで…」ナデナデ

照「淡、他のお菓子ならあるから。ねっ?」


菫「な、なんだこれは…!?」

誠子「あっ、先輩。委員会お疲れ様サマでした」

菫「あ、あぁ。…って、そんなことより淡は何故泣いているんだ?」

誠子「えっと…ですね。それはさっき大星が宮永先輩と2人で駄菓子屋に行った時のこと…」


――
―――

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:30:29 ID:tDzzwtDH0
淡「おばちゃーん!今日もお菓子買いにきた…よ?」


ザワ…ザワ…


照「なんだろ、レジのほうが騒がしい」

淡「行ってみよう!」ダッ



淡「どうしたんですかー?」ヒョコッ

トシ「あらあら、淡ちゃんいらっしゃい。ちょっと見てよこれ」

淡「…新聞?」ガサッ

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:36:21 ID:tDzzwtDH0
新聞『ポテトスナック販売終了へ』

淡「えっ……?」

淡「…あ、あはは!やだなぁ、おばちゃんったら。ドッキリにしてはやり過ぎだ…よ…?」

トシ「………」フルフル

淡「嘘でしょ…それじゃ、本当に?」

照「淡、どうしたの?」ヒョコッ

淡「っ!」ダダッ


照「えっ、ちょっと淡!?淡ー!」タッタッ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:42:46 ID:tDzzwtDH0
―――
――


誠子「…と、いうわけでして」

菫「なるほど、事情はわかった。しかし、どうして一緒に行かなかったお前がそんなに細かく知ってるんだ?」

誠子「サー!大星ファンの1人に依頼を受け、尾行しておりました!」シュタッ

菫「…まあ、亦野の処分は後で考えるとして」

誠子「ええっ!?」ガーン


淡「えぐっ…ぐすっ…」ヒック

尭深「少し落ち着いた?」ナデナデ


菫(いつまでも淡をあのままにしておくわけにもいかないな…)

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:51:20 ID:tDzzwtDH0
淡「すぅ…」

照「泣き疲れて寝ちゃったみたい」

菫「で、どうするんだ?」

照「どうするって…いくら全国で有名でも、私達はただの高校生。何も出来ることなんて…」

尭深「あの…」

菫「なんだ、尭深?」

尭深「確か、以前練習試合をしたところに凄いお金持ちな学校があったような…」

誠子「ああ!」

照菫誠「「龍門渕高校!」」

照「あそこなら、何かできるかもしれない」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 21:59:26 ID:tDzzwtDH0
~龍門渕高校麻雀部部室~

一「透華、お客さんみたいだよ?」


ハギヨシ「すまない。ホモ以外は帰ってくれないか?」

透華「いいですわ、一。通して」


照「久しぶり…」

透華「宮永照…貴女もいずれ来ると思っていましたわ」

照「どういうこと?」

透華「詳しい話は奥の部屋で…」スッ

照「わかった」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:08:08 ID:tDzzwtDH0
智葉「…来たか」

照「辻垣戸智葉。どうして…?」

智葉「うちの学校はレギュラーの特別合宿があるんだが、その時にポテトスナックを持っていくのを楽しみにしてたネリーが大泣きでな」

照「…なるほど」

憩「お久しぶりやね。宮永さん」

照「荒川憩まで…」

憩「千里山の病弱な友達がポテトスナック販売終了がわかった瞬間に体調崩して入院してもうたんよ」

14: すいません、ガイトさんの名字ミスです 2013/05/13 22:10:34 ID:tDzzwtDH0
智葉「…来たか」

照「辻垣内智葉。どうして…?」

智葉「うちの学校はレギュラーの特別合宿があるんだが、その時にポテトスナックを持っていくのを楽しみにしてたネリーが大泣きでな」

照「…なるほど」

憩「お久しぶりやね。宮永さん」

照「荒川憩まで…」

憩「千里山の病弱な友達がポテトスナック販売終了がわかった瞬間に体調崩して入院してもうたんよ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:17:03 ID:tDzzwtDH0
透華「皆さんのお気持ちはわかりますわ。うちも衣がさっきから1人で部屋に篭ったきりですもの」

透華「それにハギヨシもショックでおかしくなってしまって…」


ハギヨシ「あはは、あはは、あはははは!」


透華「私だって昔から親しんできたポテトスナックが消えるなんて嫌ですわ!でも…」

透華「私にも…これはどうすることも出来ませんわ…」ポロポロ

照「そんな…」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:30:56 ID:tDzzwtDH0
照(結局、何も出来なかった…)

照(私は無力だった…!)ジワッ


久保「ん…?お、お前は!チャンピオンの宮永照じゃないか!」

照「えっと確か…名門風越のコーチの…」

久保「久保貴子だ。覚えてくれていたとは光栄だな」

久保「…で、何泣きそうな顔してたんだ?日本最強のチャンピオン様が」

照「実は……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:37:22 ID:tDzzwtDH0
久保「なるほどな。それでどうにか販売終了を阻止しようと」

照「はい…」

久保「…宮永、お前に1つ言いたいことがある」

照「?」


久保「バカめ」


照「えっ、今なんて…」

久保「聞こえなかったのか。『バカめ』だ」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:44:46 ID:tDzzwtDH0
久保「聞いてりゃさっきから決まったことをグダグダとなんだ!」

久保「後輩が泣いてるからどうにかしてやりたいィ…?」

久保「宮永ァ!」

照「ひっ…」ビクッ

久保「先輩のテメェがしっかり解らせてやらなくてどうすんだァ!」

照「でも、泣いてる淡を見るのは辛いから…」

久保「…あのな。私は何も泣いてる後輩放っておけって言ってるんじゃないんだよ」

久保「泣いてどうにかなるなら泣けばいい。でもな、泣いたところで何も変わりやしないじゃねえかって言ってんだ」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 22:51:33 ID:tDzzwtDH0
久保「それを解らせてやんのが先輩のお前の役目なのに…お前が逃げててどうすんだ宮永ァ!」

照「………」

照「…ありがとうございます。久保さん」スッ

照「目が覚めました」ダッ


久保「…頑張れよ、チャンピオン」


~~~

ドア「バンッ」

照「龍門渕さん!」


透華「な、なんですの?販売終了なら止められないと…」

照「違う。頼みがあるの」

透華「頼み……?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:00:43 ID:tDzzwtDH0
~翌日~

菫「それで、みんなを集めた理由っていうのは?」

照「うん、今話すよ」

照「…淡、ごめんね。やっぱりポテトスナックは無くなっちゃうって」

淡「う、うぅ…」グスッ

照「でも!」バッ

菫「まさか!」

尭深「それは…」

誠子「…ポテトスナック!」

【ポテトスナック】
→安い値段でポテトの香ばしさを楽しめる遠足の強い味方。
4枚入りなのも嬉しい!

淡「これって…」

照「龍門渕さんに無理言って5つだけ譲ってもらった」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:07:22 ID:tDzzwtDH0
照「淡がいくら泣いてもポテトスナックが無くなるのは止められない事」

照「だから、最後はみんなで『おいしい』って笑顔で送り出そう」スッ

淡「……ん」パクッ

淡「美味しい」モグモグ

誠子「本当、ザクザク感が堪らないですね」モグモグ

尭深「ちょっと駄菓子の中にボリュームが欲しい時、いつも買ってた…」モグモグ

菫「まったく、大したお菓子だったよ」モグモグ


淡照菫尭誠「「今までありがとう、ポテトスナック!」」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:15:59 ID:tDzzwtDH0
淡「はぁ、食べ終わっちゃったね!」

照「淡…」

淡「アハッ、もう大丈夫だよ。テルー」ギュッ

淡「私のために頑張ってくれて…ありがとね」

照「うん」ナデナデ

淡(ポテトスナックが無くなるのは寂しいけど…おかげでみんなの優しさをいっぱい感じることができた)

淡(だから、もう1回言わせてほしいな…)

淡「…ありがとう、ポテトスナック」


―完―

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:35:52 ID:tDzzwtDH0
淡誠「じゃんけん…」

淡「パータン」誠子「グーボーッ!」

淡「やたっ♪じゃあ亦野先輩のグーのグミはいただきますね」

誠子「うわあぁぁっ!私のおやつが減っていくぅっ!」

菫「…何やってるんだ?」

誠子「あ、先輩」

淡「ふふん、これはね…」

淡「まけんグミじゃんけんだよ!」ムフー

【まけんグミ】
→グー、チョキ、パーの三種類のグミがある。
じゃんけんして遊ぶと楽しい。

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:43:30 ID:tDzzwtDH0
菫「そんなものがあるのか」

淡「ちなみに、三種類それぞれ名前があって」

誠子「グーはグーボー、チョキはチョキリン、パーらパータンって言うんです」

照「菫も私とやってみる?」ヒョコッ

菫「よし、望むところだ」



照菫「じゃんけん…」

照「チョキリン」菫「パータン」

菫「負けたあぁっ!」

淡「あははっ、菫先輩弱ーい」

尭深「次は私と…」

菫「今度こそやってやるぞ!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13 23:51:05 ID:tDzzwtDH0
イケー!タカミー
マタマケター!?


?「………」

ドア「パタン」

トシ「…ふぅ、やっぱり麻雀部の高校生は元気があっていいねぇ」

トシ(麻雀関係は引退しちゃったけど、駄菓子屋のおばちゃんとしてでも案外な色々な子達が見られて面白いもんね)

トシ「さぁさ、お店戻ったら新しい飴クジでも用意しておこうかね」


―もいっこ、完―


淡「そんな…そんなのってないよ!」照「淡…」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1368447428/)