1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:08:53 ID:K77BZPeH0
漆原「わかったよ。勇者エミリアを倒す手段が」

芦屋「何だと!憎っくきエミリアを倒す手段だと!?」

真奥「くだらないような気がするが…一応聞いてやるよ」


漆原「遊佐を無視すればいいんだよ」

芦屋「…」

真奥「ハァ?」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:11:16 ID:K77BZPeH0
芦屋「なるほど…一理ある」

真奥「それでどうやったら恵美を倒せるんだよ?」

漆原「まぁ、実際は倒すっていうか弱らせるなんだけどね」

芦屋「人間は精神的ダメージに非常に弱いといいます」

芦屋「それに昔、エミリアが初めて魔王城に来た時に…」

真奥「そういえば、その時に閉めだしたら、あいつ…」

芦屋「ええ。心に深くダメージを負ったようでした」


真奥「なるほど…それで無視か…」

芦屋「ええ。やってみる価値は高いかと」

真奥「おう。じゃあさっそく今度会ったときにやってみるわ」

恵美「来たわよー。まったくこの部屋は相変わらず暑いわねー」


漆原「うわぁ。もう来たよ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:15:18 ID:K77BZPeH0
芦屋「貴様!一体何をしに来た!」

恵美「はぁ?私はあなた達が何か悪い事をやっていないか?見張りに来たのよ」

漆原「だからって部屋の中に来なくてもいいじゃんか」

恵美「何を言ってるの?魔王城を攻略するのは勇者の仕事よ」

真奥「…」


恵美「…まぁ、今日も何も悪い事はやってないみたいだし…」

恵美「あっ、って言ってもあなた達にできる悪い事なんて、たかが知れてたわね。貧乏って罪よね~」

芦屋「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ」

恵美「ほら、500円よ。屈辱の渦に巻き込まれなさい」

芦屋「なっ!?貴様!魔王様を愚弄するつもりか!」

漆原「真奥ー、これでアイス買ってきてよ」

恵美「大元帥の一人は喜んでいるみたいよ?」

芦屋「ぐぬぬぬぬぬ!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:19:21 ID:K77BZPeH0
恵美「って、あなたは何も言い返さないの?ああ、言い返せないのかしらね?」

芦屋「なんだと!?」

恵美「アルシエルじゃないわ。こいつよ。こいつ」

真奥「…」

芦屋「貴様!魔王様に『こいつ』呼ばわりとは…」

恵美「…ふんっ、魔王なんかこいつで充分よ」

恵美「ね?あなたもそう思うでしょう?」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「ちょっ、ちょっと!何とか言いなさいよ!」

真奥「…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:23:29 ID:K77BZPeH0
恵美「そう…言葉が出ないほど屈辱的と言うことね。いい気味だわ」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」


恵美「ね、ねえ?体調が悪いの?まさか声が出ないとか?」

芦屋「そんなことはない。今日も魔王様は快調だ」

恵美「そう…」

芦屋「ああ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:27:32 ID:K77BZPeH0
恵美「…」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「…」

真奥「…」

恵美「ご、ごめんなさい」

芦屋「!?」
漆原「!?」

恵美「そ、その…そんなに気を悪くするなんて思わなかったの」

真奥「…」

恵美「だから、その…あのね」

真奥「…」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:31:32 ID:K77BZPeH0
恵美「うぅ…」ポロポロ

芦屋「お、おい、エミリア?」

漆原「どうすんの?これ」

真奥「…」


恵美「確かに私の態度も悪かったけど、元々あなたが悪いのよ」

恵美「あなたがあんな酷い事ばっかりやってたから、私も仕方なく…」

恵美「…日本の生活だけを見れば…悪い人…むしろいい奴だけど…」

恵美「それでも、私は勇者であなたは魔王なんだから…」グスグス

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:35:34 ID:K77BZPeH0
恵美「そうよ…私は勇者だから魔王の世界征服の上で、絶対に邪魔になる存在のはず」

恵美「だから、だからね…無視しないでよ…」グスグス


真奥「恵美…」

恵美「!?」

芦屋「魔王様!?」

真奥「すまん、集中したくて耳栓していた。聞いてなかったわ」

恵美「…………………は?」

真奥「だから、もう一回言ってくれないか?」

恵美「…………………………………し」

真奥「し?」

恵美「死ねええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:39:42 ID:K77BZPeH0
 
……………………



真奥「痛い…」

芦屋「魔王様動かないでください…もう少しで包帯が巻き終わりますので」

漆原「耳栓なんて嘘をついたあげく、即刻無視をやめちゃうなんて魔王サタンも甘くなったもんだね」


真奥「仕方ねえだろ…あんな顔されたんじゃ」

芦屋「…」

漆原「…まぁ、ぶっちゃけ僕も同意かな。決着はエンテ・イスラでつければいいわけだし」

芦屋「魔王様がそう仰るなら、私は何も言うことはありません」


真奥「まあ、今回はこっちも怪我した訳だから、痛み分けって事だな」

芦屋「はい」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:43:43 ID:K77BZPeH0
■後日

真奥「おい恵美!無視すんなよ!」

恵美「…」

真奥「ぐっ!これはきつい!悪かった前日の事は俺が悪かった!」

真奥「謝るから、口を聞いてくれ!な?ほ、ほらカレー奢るから一緒に食べに行かないか?」

恵美「…」プイッ

真奥「おいこれが勇者エミリアのやる事かよ!」

恵美(まったく好き勝手言ってくれるわね)

恵美(でも、反省しなさい。私は勇者、あなたは魔王。決着は正々堂々全力でつけなきゃね)

真奥「おい!俺泣くからな!泣いちゃうからな!」


恵美「~♪」


       終わり

続きまして
恵美「え?真奥の好みのタイプ?」千穂「は、はい」
をお送りいたします

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:47:44 ID:K77BZPeH0
恵美「ん~…そもそも悪魔の魔王が女性に興味を持ったりするのかしら?」

千穂「それも含めて相談したかったのですが…」

恵美「ねえ、芦屋はどう思う?」

芦屋「くっ、私はなぜ椅子に縛られているのだ?」

恵美「あなたが逃げるからでしょう?…でどうなの?」

芦屋「そもそも魔王様が人間の娘なぞに恋愛感情を持つわけがなかろう」

千穂「え…やっぱり…そうなんですね。そうですよね…」

芦屋「うっ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:51:54 ID:K77BZPeH0
恵美「ねえ?本当なの?地球では人間なわけだし、女性に興味を持ったりするわけじゃないの?」

芦屋「もしかして、お前は男性に興味を持っているのか?」

バンッ

恵美「はあ!?私の話じゃないでしょ!あいつの!魔王サタンの話をしているのよ!」


千穂「芦屋さんは女性に興味ないんですか?」

芦屋「ありません。私は魔王様一筋ですので」

恵美「うわぁ~。予想していたけど、聞きたくない事を聞いてしまったわ」

芦屋「…しかし魔王様は……いや、何でもない」


恵美「え?なになに?とても聞きたいんだけど?」

千穂「芦屋さん!どうなんですか!お願いします!明日も唐揚げとサラダを持ってきますから!」

芦屋「はい。実はこの前こんな事が…」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 20:55:54 ID:K77BZPeH0
■回想中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

真奥「いやー、今日の洋画劇場も面白かったなー」

真奥「特にあのネイトって奴がラザレビッチを倒すシーンは燃えたぜ!」

芦屋「本当に魔王様は映画が好きなんですね」

真奥「ああ!やっぱり、面白い作品ってすげーよな!感動するぜ!」

漆原「そういえば、真奥ってさー、やっぱり女に興味あったりするわけ?」

真奥「ん?」

漆原「だって、序盤のHシーン、目が泳いでたよ。あまり見てなかったよね?」

漆原「恥ずかしくて見れなかったんでしょう?」

真奥「なっ!」

芦屋「ふざけるな!魔王様が地球の小娘などに興味を持たれるわけないだろう!」

漆原「ちなみに、芦屋はどうなの?」

芦屋「ふんっ!私は魔王様一筋だ!他の奴に心が揺れるものか!」

漆原「うわぁ~。聞きたくなかった…」

芦屋「そういう貴様はどうなのだ?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:00:08 ID:K77BZPeH0
漆原「ん?僕?…そうだな~」

漆原「面倒を見てくれて、退屈にしてくれない人ならいいかな~」

芦屋「面倒見がいい人か…確かに貴様にぴったりだな」

真奥「そうだな…俺は…」

芦屋「魔王様!?」


真奥「俺はアラス・ラムスが好きだ!」

漆原「…いや、そういう事じゃなくて」

真奥「それか、猫もいいな猫!」

芦屋「それは同感ですね」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:04:01 ID:K77BZPeH0
真奥「うーん、ついでに言うと…そうだな、木崎さんみたいに目標になる人は好きだな」

芦屋「なるほど。追い越す、壁になるような人ですね」

真奥「ああ、さらに俺を高めてくれる…そういうのはいいと思う」

漆原「いや、僕が言いたいのは女に興味があるのかな?って意味で」

芦屋「黙れ!魔王様は貴様の考えなどでは、到底及ばない事を考えていらっしゃるのだ!」

漆原「そうなのかな~」


■回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~


千穂「…えーと」

芦屋「すみません、やはり有益な情報ではありませんよね」

恵美(あの映画の序盤のHシーンって確か…)

恵美(胸が大きい…スタイル抜群………ちっ!魔王めっ!)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:08:20 ID:K77BZPeH0
千穂「『さらに俺を高めてくれる人』ですね…私、一度ちゃんと考えてみます!」

芦屋「え?」

千穂「私!真奥さんを高められるような人になれるよう!頑張ります!」

芦屋「佐々木さん…いえ、頑張ってください。何か分かり次第また連絡しますので」

千穂「はい!ありがとうございます!」


真奥「おう。珍しいメンバーだな…って何で芦屋は縛られてるんだ?」

千穂「真奥さん!?」

真奥「ここの喫茶店の横を通り過ぎたら三人がいるのが見えたからさ」

芦屋「魔王様!これは憎っくき勇者の陰謀です!私の事など気にせずに早く逃げてください!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:12:27 ID:K77BZPeH0
千穂「あ、あの真奥さん!」

真奥「ん?ちーちゃん?」

千穂「わ、私!真奥さんを高められるような人に頑張ってなりますから!」

真奥「へ?」

千穂「あっ、もうバイトの時間!じゃあ、私はこれで!」

真奥「え?あ、ああ。頑張れよ」

千穂「はーい!頑張ります!」


タタタタタタタ


真奥「え、えーと?どういう状況なんだ?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:16:23 ID:K77BZPeH0
芦屋「あ、あの…」

真奥「というか、恵美は何で俺を睨んでいるんだ?」

恵美「私をあまり甘く見ない事ね!私はまだまだ成長期なんだから!」

真奥「はあ?」

恵美「ふんっ、じゃあ私も帰るわ」

真奥「あいつ何を言ってるんだ?」

芦屋「さあ…?」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:19:15 ID:K77BZPeH0
芦屋「はっ!」

真奥「ん?」

芦屋「エミリアー!貴様!お金はどうした!ここの喫茶店のお金は!これが勇者のやることか!」

真奥「…しまった、恵美の奴、行っちまったぞ…」

芦屋「…魔王様…お金は持たれていますか?」

真奥「さ、300円なら…」

芦屋「私は拉致されたので、持っていません」


真奥「ちくしょうー!勇者に関わるとろくな事がねーな!!!!」




千穂(高めれる相手…今現状だと…真奥さんの相手は勇者の遊佐さんのみ)

千穂(最近、遊佐さんも真奥さんに対して怪しい感じだし…)


千穂(私、絶対に負けませんから!)


       終わり

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:23:11 ID:K77BZPeH0
■真奥「愛してるよちーちゃん」千穂「夢みたいです」

\バッ/

千穂「って、本当に夢!?」

千穂「まったく真奥さんったら、昨日は寝かせてくれなかったから…眠い」

千穂「いい夢見れますように」

千穂「Zzz」グー

木崎「…」

真奥「…」

木崎「体調が悪いようだから、控室で休ませていたら…」

木崎「まーくん?これはどういうことだ?」

真奥「知りません。知りません!知りません!!」

千穂「えへへ~。真奥さんったら…もう激しいんだから…」ムニャムニャ

真奥「ちーちゃん!?」

木崎「…やはり若い女性クルーは当分雇わん。まったく……」


       終わり

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:27:19 ID:K77BZPeH0
■鈴乃「え、エミリア…貴様何を…」恵美「違うの!」


恵美「お、落ちついて。ベル…これは全部勘違いなのよ?」

鈴乃「では、なぜ貴様は…」


鈴乃「魔王のパンツを手に持っているのだーーーー!?」

恵美「違うの!って大声でそんな事を言わないで!」


鈴乃「何が違うんだ!というかエミリア…なぜパンツをかぶっているのだ?」

恵美「これはパンツパラダイスを…違うの!パンツと言ったら被る物…いえ、違うのよ!」



鈴乃「!?」

恵美「違うの!信じてベル!これには深い訳が!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:31:35 ID:K77BZPeH0
鈴乃「ち、近寄るな!」

恵美「べ、ベル…?」

鈴乃「今…そのスカートの隙間からチラっと見えたのだが…

恵美「え?」


鈴乃「貴様…ま、まさか…魔王のパンツを穿いて!?」

恵美「ち、違うわ!たまたまあいつと同じパンツだっただけで!」

鈴乃「そんなたまたまがあるか!貴様は男物の下着を着ているのか!?」

恵美「ご、ごめんなさい…実は私…」


鈴乃「…」

恵美「女物の下着と男物の下着の区別がつかなくて…」

恵美「だってエンテ・イスラの時はそんなのなかったし」


鈴乃「普通にあったと思うが…」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:35:26 ID:K77BZPeH0
恵美「だから、よかったらベル…どんなものが良いか教えてくれない?」

鈴乃「すまん。それはできない」

恵美「え?」


鈴乃「和服は下着を着けなんだ」

恵美「…そうなのね」

鈴乃「ああ、だからわからない」


ギュウウウ


恵美「ベル!私達仲間ね!」

鈴乃「ああ仲間だ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

漆原「って夢を見たんだ」

真奥「お、おい!?」

芦屋「ふむ。魔王様のパンツでパンツパラダイスか…中々見る目があるな勇者エミリア」

恵美「そんな事するか!!!!」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:39:30 ID:K77BZPeH0
漆原「これってさー、正夢なのかな~?」

恵美「へ、へぇ~…それを聞くって事は…つまり…」

鈴乃「私達は…その小さいから…女性物の下着が必要ないと言いたいのか?」


漆原「ひ、ひぃ!?そ、そんな事は言ってないって」

真奥「おい!落ちつけ二人とも…その普通だから怒るような事はないと思うぞ?」

恵美「え?何?その憐れみのような目?殺すわよ」

鈴乃「殺れ。私が許す。全員斬れ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:39:47 ID:K77BZPeH0
真奥「おい!漆原!ってあいつ逃げやがった!」

鈴乃「大丈夫だ。誰も逃がしはせん」

芦屋「」
漆原「」


真奥「うおおおお!いつの間に!?」

恵美「魔王、覚悟ーーーーーーー!!!!!」






       終わり

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:43:35 ID:K77BZPeH0
■アラス・ラムス「おはなー」恵美「そうね」

千穂「今日は本当にいい天気ですね」

恵美「ええ。『近くにコスモスがたくさん咲いているから行こうぜ』って…あいつもたまにはいい事言うのね」

アラス・ラムス「うー。きれい」

恵美「ふふっ。そうね。綺麗だわ」

千穂「アラス・ラムスちゃんも機嫌良いみたいですね」

恵美「ええ。本当に」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:47:38 ID:K77BZPeH0
真奥「よっしゃーできた!」

アラス・ラムス「ぱぱ?」

恵美「静かって思ってたら…そっちで何を作ってたの?」

真奥「じゃーん。アラス・ラムス!ほらプレゼントだー」

アラス・ラムス「ゆびわー?」

真奥「ああ。花の指輪…よし!似合ってるぞ!」

アラス・ラムス「ありがと♪」

真奥「ああ、可愛いぞ」

恵美「へぇ~。意外と器用ね」

真奥「ああ、恵美の分もあるぞ」


恵美「…」


恵美「へ?」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:52:11 ID:K77BZPeH0
千穂「真奥さん!?」

真奥「ほら、『まま』とお揃いの方がアラス・ラムスも喜ぶだろ?だから作った!」

アラス・ラムス「ままぁとおそろいー」

恵美「ななななななななななななななな!?」

真奥「ん?どうかしたか?仕方ないな。俺がつけてやるよ」


スッ


恵美「ああああああああああああああ!!!」

アラス・ラムス「ままとおそろい。いっしょ~♪」

真奥「よかったなー」ナデナデ

アラス・ラムス「うー♪」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 21:55:43 ID:K77BZPeH0
千穂「ま・お・う・さ・ん?」

真奥「ち、ちーちゃん…怖い顔してるぞ?」

千穂「もちろん、私のも作ってくれますよね?」

真奥「え?でも、結構面倒でさ」

千穂「作ってくれますよね?」

真奥「は、はい。じゃあ、ちょっと良さそうなの探してくる」


千穂「頑張ってください!」

真奥「え?あ、ああ」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:00:25 ID:K77BZPeH0
恵美「…」

千穂「遊佐さん!?」

恵美「え?なに!?あ、あれ?あいつは!?」

千穂「何でウットリした目で指を見ていたんですか…」

恵美「へ?べ、別にそんな事ないわ」


恵美「ただ、アラス・ラムスとお揃いで嬉しいな~って」

千穂「本当にそれだけですよね!」


恵美「あ、あたりまえでしょう!誰があんなやつなんかを!」

千穂「私、遊佐さんを信じますから」

恵美「…………ええ」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:04:09 ID:K77BZPeH0
アラス・ラムス「ぱぱぁ」

真奥「おっ?どうした?」

アラス・ラムス「おっきくなったら、ぱぱとけっこんするね」

真奥「ああ。そりゃ楽しみだ」


恵美・千穂「!?」

千穂「ダメです!真奥さんは…その…」

恵美「魔王が何の約束しているのよ!!」



真奥「まったく騒がしいな」

アラス・ラムス「うー♪」

真奥「そうだな。楽しいな」

アラス・ラムス「ん♪」



       終わり

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:08:06 ID:K77BZPeH0
■恵美「体が…」真奥「入れ替わった!?」


恵美(真奥)「何で俺が恵美になってんだよ!」

真奥(恵美)「私が知ってるわけないでしょう!」


真奥「やっぱり、頭がぶつかったせいかしら…」

恵美「ああ、お前が階段から転んで俺にぶつかったせいだな」

真奥「そもそもあなたがあんなボロアパートに住んでいるのがいけないのよ!」

恵美「はぁ!?毎度毎度転ぶのはお前だろうが!やーい。運動音痴の勇者ー」

真奥「くっ!言わせておけば…死ねーーーー…ってあれ?」

恵美「…俺の体で聖剣が出るわけないだろ?」

真奥「な、なんて事…」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:11:56 ID:K77BZPeH0
恵美「と、ということは…」

真奥(し、しまった。聖剣が魔王の手に!これは…!!)

恵美「アラス・ラムスと遊び放題じゃねーか!」

真奥「…は?」

恵美「アラス・ラムス!」

ドロン

アラス・ラムス「んん…ん?ぱぁぱ?」

恵美「ああ、ぱぱだぞー♪」

アラス・ラムス「ん?ままぁ?」

真奥「ええ、ままよ」


恵美「って、もうこんな時間!バイトに行ってくる!」

真奥「はいはい、行ってらっしゃい…………って行かせるかーーー!」

恵美「なんだよ!早く行かないとダメだろ!」

真奥「はぁ~…その格好でどこに行くのよ…」

恵美「…あっ」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:15:52 ID:K77BZPeH0
真奥「今日は仕事を休みましょう。対策を練らないと」

恵美「だ、ダメだ!皆勤賞がなくなっちまう!」

真奥「だからと言って、その格好でバイト先に行ってなんて説明するつもり!?」

アラス・ラムス「けんか…めっ」

恵美「あ、ああ。そうだよな。ケンカはダメだな」

真奥「冷静になった?」


恵美「よし!恵美はマグロナルドに行け。俺はアラス・ラムスと遊んでいるから!」

真奥「ああ!?私も仕事があるんですけど?」

恵美「じゃあ、俺はお前の仕事先に行く!」


真奥「…そうね。最近色々あって休んでたから…って、うまく働けるわけないわ…」

恵美「お前が弱気になるなんて珍しいな」

真奥「なっ!」

恵美「俺は魔王でお前は勇者だ。この最強の二人が協力すれば怖いもの無し!だろう?」

真奥「……ぐっ。何で私が魔王なんかと協力を…」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:20:08 ID:K77BZPeH0
恵美「ほら、行くぞ。何か問題があったら連絡を取り合う。…でいいな?」

真奥「ええ。わかったわ」


真奥「じゃあ、私は先に行くわね」

恵美「ちょっと待ってくれ!」

真奥「ん?なに?」


恵美「俺はお前の職場がどこにあるか知らんぞ」

真奥「…先が思いやられるわね」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:24:04 ID:K77BZPeH0
 
………………………………………………


アラス・ラムス『うわぁぁぁぁん。ままがいないーーーー』


恵美「はい。はい。ですからスリムフォンは乾電池では動かなくて」


恵美「…え?アイポンは当社では取り扱っておらず…」


恵美「説明書が英語ではない?すみません。当社は日本語の説明書しか扱っておらず…」


恵美(うおおおおお。何だよこれ!客は無茶苦茶だし、アラス・ラムスは泣いてばかりだし!)

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:28:23 ID:K77BZPeH0
 
………………………………………………


店員A「まーくん、塩がいつもの所にないんだけど、どこの棚にあるのかな?」

真奥「え?えーと、塩は…」



店員B「真奥さん…その私…ここでやっていく自信がなくて…」

真奥「う、うん?そうね…」



木崎「まーくん?今日の売上がこのままのペースだと、今月最低値になってしまう。何か案はあるか?」

真奥「え、えーと…」


真奥(な、なによ!時間帯責任者だからってみんな聞いてこないでよ!少しぐらい自分で何とかする気概はないの!?)

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:32:09 ID:K77BZPeH0
 
………………………………………………

恵美「疲れた~…」

真奥「ほ、本当ね…」

恵美「ふぅ…」


真奥「ねえ?アラス・ラムスは?」

恵美「寝てる…仕事中たくさん泣いてたから」

真奥「そう…大変だったわね」


恵美「…なあ、恵美」

真奥「ん?なに?」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:36:23 ID:K77BZPeH0
恵美「今日はすまん。お前の仕事があんなに大変とは思ってなかった」

恵美「しかも、アラス・ラムスが頭の中にいるのが、こんなに大変なんて…」

真奥「だからって、何で謝るのよ」

恵美「お前が言った通り、休めば良かったと思ってる。失敗はしてないと思うが、もし失敗していたら、お前に迷惑をかけるからさ…」

恵美「だから、すまん」


真奥「…そうね。私は…あなたの事を見直したわ」

恵美「え?」

真奥「と言っても、本の少しよ。ほんのちょっぴりよ!図に乗らないでよね!」

恵美「あ、ああ」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:40:22 ID:K77BZPeH0
真奥「時間帯責任者なんて肩書だけだと正直思ってた」

真奥「…でも、想像以上にみんな頼ってきて…私……ちゃんとやれたか…」

恵美「大丈夫だ」

真奥「え?」

恵美「お前なら大丈夫。下手な失敗はやってないさ。魔王の俺が保証してやるよ」

真奥「はぁ!?あなたに保証してもらっても安心しないんですけど!」


恵美「へへっ。やっぱりお前はすごいな。俺もお前の事を見直した。さすが勇者エミリアだ」

真奥「当たり前でしょう!」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:44:25 ID:K77BZPeH0
恵美「それに…まぁ、いざとなったらまたお互いサポートすればいいさ」

真奥「元の体に戻れれば一番なんだけどね」


恵美「戻れるさ」

真奥(…って、仕事で忘れていたけど、私って…真奥の体!?)

真奥(っ!?)

真奥(わ、私、なんでドキドキしてるの!?)

真奥(こんな体…硬いだけだし…臭いし……でも…)



恵美「恵美?」

真奥「え?な、何でもないのよ!べ、別に匂いなんか」

恵美「そうか…そのさ……………いや、やっぱり…」

真奥「ん?それでも悪魔を統べた魔王なの?」

真奥「さっさと言いなさい。聞くだけは聞いてあげるわ」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:48:21 ID:K77BZPeH0
恵美「よかったら、一緒に…いや、うちのアパートの203号室に引っ越してこないか?」

真奥「は、はぁ!?」

恵美「いや、今回の件でお前が一人で苦労しているのがわかってさ…」

恵美「ほ、ほら、俺には芦屋やちーちゃん、鈴乃…まぁ漆原?がいてくれてるけど、お前には…」

真奥「はぁ~?」

恵美「い、いや。そのな、鈴乃がお前と仲がいいのは知っているが、遠いから…いざとなった時に頼れないだろう?」

恵美「だから、引っ越してこいよ」


真奥「…まったく、馬鹿ね」

恵美「おい。人がせっかく気をきかせてやったのに」

真奥「私は勇者。誰かが私を想ってくれてるだけで、私はずっと戦えるわ」

恵美「そうか…」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:52:34 ID:K77BZPeH0
真奥「だ、だから、あなたは私をずっと想っていなさい!そうしないと私は…」

恵美「ははは。わかった」

真奥「ちょっと…簡単に言ってくれるわね?」


恵美「そもそも俺はずっとお前を…」

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チュンチュン

恵美「…は?」

恵美「ゆ…め…?」

恵美「…」

恵美「きゃああああああああああああああああ!!!!」

恵美「って、私どんな夢を見ているのよ!なんであんな夢を!」


恵美「…」

恵美「今日は仕事休み。たしかあいつも休みのはず!」

恵美「気晴らしに一発殴ってやるわ!」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 22:56:41 ID:K77BZPeH0
 
……………………………………



真奥「よう。朝早いな」

恵美「っ!?」

真奥「どうした?顔が赤いぞ。風邪か?」

恵美「な、何で駅前にいるのよ!」


真奥「いや、なんとなくお前が来る気がしたからさ」

恵美「はぁ~…なんなのそれ…魔王の第六感とか?」

真奥「昨日、変な夢見てさ…それでな」

恵美「はぁっ!?あなたもなの!?」

真奥「お、お前もなのか!?」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 23:00:35 ID:K77BZPeH0
恵美「ち、違うわ!何で私があなたと同じ夢を!」

真奥「…まぁ、ありえるかもな」

恵美「へ?」

真奥「俺は魔王でお前は勇者だ。違う意味で強力な繋がりがある。だから可能性は高い」

恵美「あなたは…どんな夢を見たのよ?」

真奥「…」

恵美「…何よ?」

真奥「べ、別に何だっていいだろう!」

恵美「ははぁ~ん。何か恥ずかしい夢でも見たのかしら?」ニヤニヤ

真奥「ちげーよ。ほらせっかくだからうちに寄ってけ。アラス・ラムスの顔も見たいしな」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 23:04:45 ID:K77BZPeH0
恵美「そういえば、夢で俺と一緒に暮らそうぜ的な事も言っていたわね?」

真奥「言ってない!俺は断じて言ってないぞ!」

恵美「実はアラス・ラムスと言いながら、私に来て欲しいんじゃないのかしら?」

真奥「はぁ!?そんな訳ないだろう!だが、ほら鈴乃とか喜ぶだろ」

恵美「私はあなたに喜んで欲しいんだけどな…」ボソッ

真奥「なっ!?」

恵美「冗談よ。何で赤くなってんのよ」


真奥「何なんだよ…今日のお前は…」

恵美「さあ?ちょっと機嫌がいいだけよ?」

真奥「機嫌がいいと俺を弄ったりするのかよ…とんだ勇者だな」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 23:08:39 ID:K77BZPeH0
恵美「ええそうよ。私は勇者。あなたは魔王」

真奥「ああ、そうだな。そうだったな」

恵美「ええ、『今』はね♪」

真奥「へ?え?…ど、どういう意味だ?」



恵美(私とあなたは敵…でも、もし…夢の中みたいに…一緒に…)

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/19 23:08:59 ID:K77BZPeH0
真奥「え?おい、恵美?」

恵美「バーカ。自分で考えてみたら?」

真奥「なんだよ…可愛い笑顔しやがって…」


恵美(私は勇者。想いが強ければ強いほど強くなれる)

恵美(だから、魔王である真奥が、現実でも私を想ってくれるようになれば…)


恵美「ぜったいにあなたを仕留めてあげるんだからっ」

真奥「あー。はいはい」

恵美「ふふふふふ♪」






       終わり


真奥「勇者エミリアを無視し続けたらどうなるか」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1368961733/)