5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:29:52 ID:wwYMXPTRP
2011年 3月11日(金)14:45]
<品川、765プロ事務所>

P「……カタカタカタカタ」

P(今日も平和だな……、仕事は溜まってるが。)

春香「プロデューサーさん、お疲れさまです!クッキー食べますか?」サッ

P「ちょっと待って春香……カタカタカタカタ……ふぅ、よし一息ついた。」

P「小鳥さん、キリが良ければ少し休憩にしますか?」

小鳥「そうですね、そのクッキーおいしそうですし、お茶入れてきますね。」ガタッ

P「ありがとうございます。……春香、3人であっちで食べようか。」

春香「はい!皆の分は別に取っておいてありますし!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:30:55 ID:wwYMXPTRP
P「春香はこの後、5時からレッスンだったな。」

春香「そうです、新曲の歌の……」

ガタガタ……ガタガタガタガタ

P「あ、……地震かな……?」

春香「プロデューサーさん、敏感ですね。……あ、揺れてきましたね。」

P(まだ初期微動か……けど嫌に長いな、この小さい揺れが本震なのか?)

ガクッ ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

春香「……っっっ!!!」

P「春香っ!!窓から離れろっっ!!!」

春香「わわわっっ!はいっっ!」ササッ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:32:16 ID:wwYMXPTRP
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
ドサッ ダダダダダダダダッ

春香「きゃっ!」

P(本棚の中身が落ちてきた……春香は机の下でセーフか)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!
プツンッ ヒューーーーーーーン

春香「っっっっ!!!」

P「春香っ!大丈夫か!?」

春香「はいっ!大丈夫です!ゆ、揺れますね……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!
パリンッ パリンッ ドサッ

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:33:48 ID:wwYMXPTRP
P(凄い横揺れだ、そして長いな……新潟中越地震の時よりも……これは東海地震か……?)

P(小鳥さんは大丈夫か……?駄目だ、この状況では下手に動けないっ……!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………………………………

~ ~ ~

P(大分収まってきた……か?)ムクッ

P(て、停電か……?パソコンも灯りも全部落ちてる……。)

P「春香……?大丈夫か……?手を貸すぞ。」

春香「はい、大丈夫です」サッ

春香「長かったですね、大きかったですね……怖かったです……。」ダキッ

P「そう、だよな……。ハッ!小鳥さん!!!」スタッ

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:34:38 ID:wwYMXPTRP
バタンッ!

P「小鳥さん!!!」

小鳥「ううぅぅぅ……怖かったですぅ……!!!!」

P「良かった……!」

春香「小鳥さん!ってうわあああ……」

春香「食器が……!」

P「ほとんど粉々ですね……。小鳥さんよく無事でしたね。」

小鳥「運が良かったみたいです……てへ」ニコッ

P「パリンっていう音がしたので嫌な予感はしてたんですけど……ハッ」

P「ガスを止めないと……!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:36:10 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

小鳥「これは事務所の片付け大変だなあ、こっちも本と資料がバラバラに……」

春香「TVつかないですね。停電だから仕方ないか。」

P「ああ、窓の外を見てみたが信号機も全部止まってる。少なくともこの辺一帯は停電だ。」

小鳥「どこが震源だったんでしょうね……やっぱり東海地震?」

P「わからん。……TVが無いと情報が入ってこないな。」

春香「そうだ!ラジオありましたっけ……?」

小鳥「あ、もちろん出演番組確認用の物があったんですけど、貴音さんが壊しちゃって……。」

小鳥「それ以来、録音もできるので便利ってことで、全部パソコンで聞いちゃってたんです。」

P「パソコンの電源が入らない事にはラジオも駄目か……あ!」

P「春香、ちょっと携帯貸してくれ!」

春香「ええっ!? 良いですけど、中身までは見ないでくださいよ……」サッ

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:37:14 ID:wwYMXPTRP
P「……この際待ち受け画面が俺の写真だったことは触れないで置こう。……アンテナを伸ばしてと」

ーーー番組の予定を変更して臨時ニュースをお送りしております……。先ほどの地震は……ーーー

小鳥「なるほど、ワンセグですね。」

P「ああ、俺の携帯はこの間iPhoneに変えたばっかりで見れなくてな……。」

ーーー地震の規模は……震源は宮城県沖と推定されます。非常に大きな揺れです、今後の余震に気をつけてください。ーーー

ーーーまた、沿岸地域にいらっしゃる方は津波に注意してください。ーーー

P「東海地震じゃないのか。」

小鳥「……凄く大きい揺れだったんで、もっと震源は近いかと思いまし……」

カタカタカタカタ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

春香「っっっ!!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:39:44 ID:wwYMXPTRP
P「よ、余震かっっっ!!!」

小鳥「きゃあっっっっ!!!!!」

P(ま、まずい!!小鳥さんのそばの本棚が………!)

P「危ないっっっっ!!!!!!」ズサッッ!!

ドサッ!!ドササササササササササ!!!

春香「プロデューサー!!!!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:43:27 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

小鳥「はあ…はあ……揺れは収まりました……。」

春香「ぷ、プロデューサーさんっ!!!!」

P「あ、ああ春香……。ちょっと本が重いからどけるの手伝ってくれ……。」

小鳥「だ、大丈夫ですか……!!」

P「だ、大丈夫です……本棚は倒れず、中身だけ落ちてきたのでダメージはそんなに……。」

P「小鳥さんは大丈夫ですか?」

小鳥「は、はい!おかげさまです……ありがとうございます、プロデューサーさん。」

春香「あ、プロデューサーさん、額から血が……!」

P「あ、ああ。滑り込むときに切っちゃったかな……。」

小鳥「す、すぐに絆創膏取ってきます!!!!」タッタッタッタ

P(今のは余震だったのだろうか……それにしてもでかすぎるが……。)

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:44:35 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

P「イテテ……大丈夫だけどちょっとだけ痛むかな……。」

小鳥(はあ……私のせいで……。でもちょっとかっこ良かったな、惚れ直しちゃいそう。)

春香(小鳥さんずるいな…………ハッ、私なんてことを!!)

ーーー只今発生した地震は、茨城県沖を震源とした……ーーー

P「今度は茨城……!余震じゃなかったのか、余震なのか……。よくわからんな。」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:46:05 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

P「さて、状況を整理したい。」

P「とりあえず俺たち3人は無事だ。」

春香「他の皆は……大丈夫ですかね……?」

P「皆の安否確認をしなきゃな……。スケジュールを確認しよう。」

小鳥「とりあえず、響ちゃん、真ちゃん、雪歩ちゃんは今日はオフで、」

小鳥「他はお仕事にでかけてますね……。」

春香「千早ちゃんは!?」

小鳥「千早ちゃんはこの時間だと、やよいちゃんと一緒にお台場でTVの歌番組の収録中ですね。」

P「竜宮小町と律子は、埼玉県で工場見学のロケか……。」

小鳥「はい。美希ちゃんは東京タワーでPV撮影のロケ、貴音ちゃんは中目黒でラーメンの食レポです。」

P「真美は……秋葉原でイベントか。」

小鳥「そうですね。ちなみに社長はレコード会社に挨拶ということで、京橋に居るかと。いや、時間的に帰る途中?」

P「とにかく、なんとかして皆と連絡を取らないと。」

P「……無事で居てくれ……!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:47:20 ID:wwYMXPTRP
* * *

[しばらく前、14:45]
<埼玉県某市、水瀬製菓株式会社 埼玉工場>
<チョコレート菓子製造ライン>

亜美「うわあーーー!亜美このチョコよく食べるよ!!大好きーー!!」

社員A「はい、こちらの回転する釜で先ほどのチョコレートをアーモンドにかけていきます。」

あずさ「あらあら~。物凄いスピードで回るから目も回っちゃうわ~。」

社員B「チョコレートのかける時間と、回転スピードが肝なんですよ。チョコのかかり具合を目で見て、その都度変えています。」

社員A「あ、できたてを、食べてみますか?」

亜美「ホント!?わーい!!」パクッ

伊織「モグモグ……暖かくておいしいわね。……でもこれちょっと完成品とは違くない?手にチョコがベタベタついちゃうし。」

社員A「それは、この後の行程でですね……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

亜美「ひゃあっ!!!」

伊織「っっ!!!」

あずさ「っっ!!!」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:48:05 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<水瀬製菓株式会社 埼玉工場>
<来客室>

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

律子「っっ!! じ、地震!?」

律子(皆大丈夫かしら、……いえ、ここは自分の身の安全が先ね……)

* * *

[同時刻、14:46]
<表参道、ミナセショッピングモール>
<4F 男性ファッションフロア>

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

雪歩「っっ!!真ちゃんっっ!!!」

真「雪歩!!!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:49:45 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<BBSテレビ お台場スタジオ>
<6F A6スタジオ>

AD1「休憩入りまーーーーす」

千早「高槻さん、一旦楽屋に戻りましょう。」

やよい「はいー!次はいよいよ千早さんの歌の番ですね!うっうーー!!楽しみで……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

やよい「きゃあっっっ!!」

千早「高槻さんっ!!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:50:54 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<東急東横線大倉山駅、徒歩10分>
<カーサ大倉山、402号室>

ハム蔵「ジュ、ジュジュジュジュジュ!!」

いぬ美「わん、わんわんわんわん!!」

響「おー、お前達どうした!?少し大人しくしてくれない……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

響「っっ!!じ、地震かあーー!?」

響「と、とりあえず皆落ち着くんだ!!!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:52:34 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<東急東横線中目黒駅、徒歩15分>
<ラーメン桜、中目黒本店>

店長「はい、おまちぃっ!!!2品目は特製スペシャルラーメン大盛りだあ!!」

貴音「め、面妖な……!!とんこつの濃厚な香りとしっかり絡む太麺に」

貴音(……ハッ、この気配は……!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ドン ガシャーン

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:54:17 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<秋葉原駅、中央通り>
<ミナセUDXビル14F イベントホール特設ステージ>

真美「それじゃあ次の曲!いっくよーー!”おはよう!!朝ご飯”!!」

俺ら「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

真美「わん、つー、すりー、ふぉー……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

俺ら「おおおおおおおおおおお………!?!?!?!?!?」

真美「き、きゃあああああ!!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:55:23 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、14:46]
<京橋駅付近>
<昭和通り>

高木社長「ふんふん、今日はそこそこ上手く行ったな!」

高木社長(帰りに銀座で皆にケーキでも買って行くか、喜ぶ顔が目に浮か……)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

高木社長「ティン!!!!!」

高木社長(ゆ、揺れている!?地面が!?)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:56:34 ID:wwYMXPTRP
* * *

[少し時は過ぎて、15:30]
[Pたちが皆の安否を気にし始めたころ]
<芝公園>

カメラマン「ほ、星井さん……?大丈夫ですか……?」

美希(う……うぅ…………ううぅぅぅぅ)グスン

美希(だ、大丈夫じゃないの……、地震……、大きくて怖かったの……。)

美希「は、ハニィいいいいい!!!助けてなのーーーーーーー!!!!!」

カメラマン(んんん!?は、はにー!?)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:57:42 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、15:31]
<品川、765プロ事務所>
<応接室>

P(助けてなのーーーーーーーー………)

P「ムッ、美希!?」ガバッ

小鳥「ぷ、プロデューサーさん?」

P「ん、いや、気のせいだ……(お、俺の脳内に直接……!?)」

春香「あ、また津波警報ですね……。」

P「そうだな、こっちの方に到達する時刻まではまだあるようだが……。」

P「一番沿岸に近いのは千早とやよいの2人だが……、あそこは建物も高いし大丈夫だろう。」

P(それに千早はきっと冷静だろうし、周りに大人も沢山居るし、大丈夫だ。)

春香「それもそうですね。……どうしましょう……一向に停電が回復しませんね……。」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:58:32 ID:wwYMXPTRP
小鳥「そうねえ……。TVも見れないし……。」

P「ああ、ワンセグで情報は入るが、電池の減りも気になるしなあ……ん?」

P(まてよ……?電波表示は圏外になっていない。携帯の電波そのものは生きてるってことか?)

小鳥「プロデューサーさん、どうしたんですか?iPhoneを取り出して。」

P「いや、さっきも試したけど駄目もとでもう一度」ポパピプペ

P(……駄目か、やっぱり携帯電話は繋がらない……。)

P(……あ、いや、もしかして……。)スッスッスッス

P「やっぱり!!」

春香「え、どうしたんですか!?」

P「ネットだ!Twitterは生きてる、Facebookも携帯から繋がるぞ!」

小鳥「え、本当ですか!?それなら……」

プルルルルル プルルルルルルルルルル

小鳥「ええっ!?事務所の電話!?」タッタッタッタッ

小鳥「もしもし、765プロですが……ええ!?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 00:59:51 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、15:47]
<埼玉県、水瀬製菓株式会社、埼玉工場>
<事務室>

律子「もしもし、プロデューサー?」

P『律子か!無事なのか!?』

律子「ええ、3人も無事よ、丁度工場の中に居たけど、社員さんに助けてもらったみたい。」

律子「ただ、工場は揺れでストップしちゃって、収録はもう中止だけど……。そっちは?」

P「とりあえず事務所に居た小鳥さん、春香は無事だ。他の皆とはまだ連絡が取れない。」

律子「そう……。」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:00:44 ID:wwYMXPTRP
P「律子……、どうして停電なのに電話をかけられたんだ……?」

律子「あー、そっちは停電してるのね。工場は自家発電装置でとりあえず電気は通ってるわ。」

律子「それとプロデューサー、停電中でも固定電話で通話だけはできるのよ。」

P(えっ、そうなのか……? 後でグーグル先生に聞いてみよう……。)

律子「とりあえず、この後だけど状況が状況だし、帰れない可能性も考えてる。」

律子「だから、こっちはこっちで宿泊手段を探すわ。もしくは交通状況を見て帰る手段を模索する。」

律子「とりあえず無事は伝えたわよ。」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:01:59 ID:wwYMXPTRP
律子「それと、この事務室の電話は特別に借りていて、さっきから工場の電話はひっきりなしに鳴っているから……」

P「こっちからかけたり、頻繁に連絡することはできないってことか。」

律子「ええ、そうね。できれば他の皆の安否を確認したいところだったんだけど……。」

律子「特に亜美は真美の、伊織はやよいを心配してるわ。」

P「そうか……。律子、Twitterのアカウントは持っていたよな?」

律子「ええ、プライベートのが。」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:03:31 ID:wwYMXPTRP
P「今直ぐ俺のアカウントをフォローしてくれ。IDは@Pだ。携帯からなら繋がるはずだ。」

P「今後のやりとりはTwitterのダイレクトメッセージでしよう。皆にもそう伝えてくれ。」

律子「……ええ、わかったわ。大文字のPね。すぐに確認する。それじゃ、一旦切るわ。」

P「ああ、余震に気をつけろよ。」

律子「ありがとう。それじゃあ。」

ツー ツー ツー

律子(皆、無事だと良いんだけど……。)

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:04:18 ID:wwYMXPTRP
* * *

[ほぼ同時刻、15:50]
<響のマンション>

響「うう、皆、やっと落ち着いてくれたぞ……。」

響「しかし停電だぞ……携帯も繋がらないしTVも見れない……。」

響「うう……765プロの皆はどうしてるんだ……。」

響(貴音ぇ……)

響「プロデューサーも、自分のこと心配してるかな……?」

響「……なんとかして事務所に連絡を取らないと……こういうときはどうするんだっけか。」

響「……!!そうだ!!」

響「ごめん、皆!ちょっと外でてくるぞ!!」

響「だ、大丈夫だ!直ぐ戻ってくるから!!ハム蔵、皆を頼むぞ!!」バタン

ハム蔵「ジュジュ!!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:05:37 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、15:51]
<ラーメン桜、中目黒本店>

貴音(たかねぇ………)

貴音「う……うぅ……………ひび……き………」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:07:13 ID:wwYMXPTRP
* * *

[しばらくして、16:10]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

P「固定電話は繋がるけど、携帯はやっぱりまだ無理だな……。」

P(響の家には固定電話無いし、真と雪歩の家には連絡したが外出しているとのことだった……。)

春香「ツイッターでとりあえず皆にはDMを一斉送信したけど、まだ返信はありませんね。」

P「ああ、律子からはフォローの連絡はあったが、それっきりだな。」

プルルルル プルルルルルルルル

P「おや、また律子か?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:08:00 ID:wwYMXPTRP
響『もしもし、ぷ、プロデューサーか……!?』

P「ひ、響か!今どこに居るんだ?」

響「じ、自分は今大倉山駅前の公衆電話からだぞ……やっと繋がったぞ……うぅ……。」

P「そうか、何より無事で良かった!自宅に居たんだな?」

響「そうだぞ!!家族の皆もとりあえず無事さー、それでプロデューサー、貴音は!?」

P「貴音か?……まだ連絡は無い。この時間だと中目黒のラーメン店でロケ中のはずなんだが……。」

響「そうか……。」

P「響は自宅で今日はゆっくりするんだ。明日もオフで良い。仕事はとりあえずキャンセルだと思ってくれ。」

響「ええ!?そんな!貴音を助けにいくぞ!」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:09:12 ID:wwYMXPTRP
P「何言ってるんだ。電車も動いてないし、まだ余震があるかもしれないから危険だ。とりあえず家に居ろ。」

P「連絡はTwitterでする。繋がるはずだ。貴音から連絡があったらちゃんと報告する。響からも声をかけてみてくれ。」

響「う……わ、わかったぞ。とりあえず家に戻る。順番待ちの人が居るから切るぞ。」

P「おう。気をつけてな。また連絡する。」

ツー ツー ツー

小鳥「助けに行くって……響ちゃんらしいですね。」

P「ああ、だが今はあんまり勧められないな。……密に連絡を取って落ち着かせよう。」

春香「響ちゃんきっと、今は寂しくて辛いはずですよ……。私からもメッセージ送りますね!」

P「ありがとう、春香……。」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:10:17 ID:wwYMXPTRP
春香「あっ、ちょうど今真美からDMが来ました! 無事だそうです。今は秋葉原のイベント会場の控え室で待機してるみたいです。」

P「ほ、本当か!無事で良かった……。」

春香「でも……『これからどうすればいいの?帰れるの?亜美に会えるの?』……だそうです。」

P「そうか、不安だよな……。」

P(もうすぐ日も暮れる……。電車は一向に動く気配もないし、停電は続いてる。それぞれ皆の寝床と帰る手段が必要か……。)

P(どうすれば良いんだ……。暗くなったら一人で歩かせるのも考えものだし……TVで見る限りタクシーやバスも大変そうだ。)

プルルルルル プルルルルルルルルル

小鳥「あ、……今度は誰ですかね、良い知らせだと良いんですけど。」

P「はい、765プロですが。」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:11:52 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、16:15]
<京橋駅付近、株式会社Minase Sound Entertainment>
<16F 社長秘書室>

高木社長「ああ、キミかね。ようやく連絡ができたよ。」

P『社長、ご無事で何よりです!!』

高木社長「ああ。さっきレコード会社に戻って、そこの電話を借りている。」

高木社長「それよりアイドルの皆は無事かね?」

P『あ、いえ……竜宮小町と律子、響、真美の無事が確認できましたが、後は事務所に居る3人だけです。』

P『それ以外はまだ連絡が取れていません。』

高木社長「そうか……心配だな。ふむ。」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:13:17 ID:wwYMXPTRP
高木社長「まぁ、それで今後なんだが、君たちはとりあえず事務所に居て、引き続き皆の連絡を待ちたまえ。」

高木社長「この様子ではキミも天海くんも音無くんも、今日のうちに家に帰るのは厳しいだろう……。」

高木社長「場合によっては事務所に泊まることになる。」

高木社長「竜宮小町の皆を除いて、都内に居る仕事中のアイドル達も、一旦事務所に帰した方がいいだろう。」

高木社長「できるかね?」

P『わかりました……善処します。』

高木社長「それでは、私もこれから徒歩で事務所に向かう。なあに、品川までならそれほどかからないだろう。」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:14:42 ID:wwYMXPTRP
P『わかりました。……あ、社長待ってください。社長はTwitterアカウントは持っていらっしゃいますか?』

高木社長「つ、ヒウィッヒヒー? いや、私はわからんな……」

P『インターネットのソーシャルネットサービス……それなら連絡がつきやすいんです。Facebookとかありませんか?』

高木社長「ふむ………、そういえば一昔前に、みくしぃとやらを使ったことがあるな。音無君に誘われて。」

P『……!本当ですか!そうしましたら、何かあったらmixiの方で連絡するので、確認してください!』

高木社長(はて……パスワードは何だったかな……汗)

P「それと社長、もう1つお願いがあるのですが……」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:15:47 ID:wwYMXPTRP
* * *

[ちょっと時間は遡って、15:50]
<表参道、ミナセショッピングモール>
<西側エレベーター内>

真「ふう……冬なのにちょっと暑くなってきた……。」

雪歩「真ちゃん……水飲む?」

真「雪歩……ありがとう。」

雪歩「うん……それにしても救助はまだかなぁ……。もう1時間くらいたったよね?」

真「そうだね……。丁度地震の時にエレベーターに乗ってたなんて、運が悪かったね……。」

雪歩「うぅ……それは私がそろそろ帰ろうって言ったから……私のせいで……。」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:16:55 ID:wwYMXPTRP
雪歩「こんな駄目駄目な私は……穴掘って埋まってますぅぅぅぅぅ」サッ

真「ああああ雪歩!!ここで穴掘ったらみんなで下まで真っ逆さまだよ!!」

男A「………え!?」

ザワザワ ザワザワザワザワ

真「えっと……あ、すみませんでした……。」

真「そ、それより雪歩……男の人それなりに居るけど……大丈夫か?」ヒソヒソ

雪歩「う、うん。大分慣れてきたよ……だけど真ちゃん、もう少し壁になって欲しい……」ギュッ

真「う、うん、わかった……(か、かわいい……ってダメダメこんな時に!!)」

雪歩「さっきのおじさんが救助の電話してから、まだかかるのかなあ。」

真「そうだね……今何時かな、他の皆はどうしてるんだろう」パカッ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:18:02 ID:wwYMXPTRP
* * *

[時間は戻って、16:30]
<BBSテレビ お台場スタジオ>
<5F 第3出演者大部屋控え室>

やよい「千早さん……どうしたらいいでしょう……。」

千早「そうね……、収録はもう延期になっちゃったし、帰るしか無いわね。」

やよい「でもどこに……どうやって?」

千早「……電車も止まってるし、交通機関はマヒしてる。」

千早(歩いてもいいのだけれど、私と高槻さんの家は方向が真逆ね……一人にさせるわけには行かないわ。)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:19:32 ID:wwYMXPTRP
アイドルA「え!Twitter見れたの!?」

アイドルB「そうそう!やっとお母さんと連絡取れた!迎えに来れたら来るって!」

千早「……!確か春香はまだ事務所に居るはずよね?」

やよい「え、そうだけど……どうしたの?」

千早「これで連絡が取れるはず。」ポパピプペ

千早「あ、先に春香から連絡が来てたみたいね。」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:20:22 ID:wwYMXPTRP
ーーーTwitter Direct Messageーーーーーーーーー
To @Chihaya_Blue
 プロデューサーから伝言です!自宅に居る人はそのまま待機!
 仕事中の人は、頑張って事務所まで戻ってくること!
 ただし無理はしないで、一人きりにはならないように!気をつけて!
 駄目だと思ったら泊まるところ見つけて、もしくは連絡して!
 これを見たら心配なので無事かどうかだけでも連絡ください!
from @Kakka_Harukakka
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やよい「よかったぁ、春香さんは無事なんですね。他の皆さんからは連絡来てるのかな?」

千早「とりあえず指示に従いましょう。まずはスタジオから出ましょう。」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:21:34 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

千早・やよい「お先に失礼します。」

ディレクター「大丈夫?気をつけてね?」

千早「はい、ありがとうございました!」

千早「やよい、行くわよ!」

やよい「うっうー!事務所に戻りますー!」

千早(ここから事務所まではそれなりにあるわね……しっかり高槻さんをリードしないと)

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:22:48 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、16:40]
[品川、765プロ事務所]
[事務室]

春香「あ、千早ちゃんとやよいちゃんからも連絡きましたー!」

P「本当か!?なんだって?」

春香「今から事務所に徒歩で向かうとの事です。」

P「そうか……、暗くなってきたし気をつけるように言ってくれ。」

春香「わかりましたー、じゃあ掃除に戻りますね。……次は資料を片付けないと。」

小鳥「わわわわわ!!!!まって春香ちゃん!!!その棚は私がやりますぅ……!」

春香「え!?あ、そうですか!?わかりました、じゃあ私は応接室の方に行きますねー!」

小鳥(ふぅ……危なかったピヨ……私のコレクションは守られたピヨ。)

P「小鳥さん、さっき少し見ちゃいましたけど、あんまり溜め込まないでくださいね……」

小鳥「ピヨ……」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:23:50 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

P(さて、あれから事務所の電話はなるが、仕事の延期や中止の連絡ばかり。)

P(これは……今月の仕事は大幅に減るな……。スケジュールを調整しないといけない。)

P(世の中は自粛ムードに向かうだろうし……しばらくは苦しい戦いになりそうだ。)

P(……西日本方面や北海道に活動場所を絞ってみても良いかもしれない……。)

P(……いや、今はアイドル達の安否確認の方が先か……)

プルルルル プルルルルルルルル

P(今度はどの仕事がなくなるかなぁ……はぁ。)

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:25:34 ID:wwYMXPTRP
P「はい765プロ、プロデューサーの……」

美希『は、ハニィィィィ!!!!助けてなの!!!!!うぅぅぅぅぅ』

P「み、美希か!!どうしたんだ?」

美希『うぅぅぅ……ハニーのバカぁ……』

P「泣いてちゃわからんぞ……今どこにいるんだ!?」

美希『よくわからないの……とりあえず撮影は中止になって、一人になっちゃったから歩いてたんだけど……。』

美希『どっちに行ったらいいかわからなくて、携帯も電池切れちゃって、怖くて、寂しくて……。』

美希『そ、そしたら知らない人に声かけられて……。』

P「ええっ!?」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:26:43 ID:wwYMXPTRP
美希『そしたらその人がカフェの店長さんで……、カフェの電話使っていいって。ジュースも出してもらって……。』

P(ホッ、良かった……良い人だったんだな)

美希『もうミキ、怖くて一人はヤなの。だから迎えにきて!』

P「そ、そう言われてもだな……」

美希『お願いなの、ハニー、助けてよ……。』

P(こんな時だし、一人では危ないし、暗くなってくるし……。仕方ない。)

P「で、今どこに居るかはわからないんだな。なんか目印になるような建物見えるか?」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:28:42 ID:wwYMXPTRP
美希『カフェの名前はミナセコーヒーなの。』

P「どこにでもあるチェーン店だから目印にはならないな……」

美希『うーん……、あ、目の前におっきいレンガの門があるの!あと大学生が多いかな、ってカンジ。』

P(大学生……レンガの門……確か美希は東京タワー付近で撮影だったから、きっと水瀬義塾大学の東門かな。)

P「今のでとりあえず大体わかった。念のためカフェの電話番号を教えてくれ。とりあえず迎えに行く!」

美希『ありがとうなの!ミキはとりあえずここでのんびりしてるね!』

P「ああ、下手に動かないでくれ。それじゃ切るぞ」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:29:40 ID:wwYMXPTRP
美希『あ、待ってなのハニー!』

P「ん?どした?」

美希『ハニー、あ・い・し・て・る!』

P「………」ガチャッ

P「小鳥さん……美希を迎えに行ってきますので、申し訳ないですが電話番をお願い出来ますか?」

小鳥「あ、はい……わかりました。気をつけて行ってきてくださいね。」

P「はい……何かありましたらTwitterで。」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:30:30 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、16:45]
<表参道、ミナセショッピングモール>
<西側エレベーター内>

真(もう2時間も経った……。)

雪歩「ま、真ちゃん………。」プルプル

真「雪歩?どうしたの……?」

雪歩「あ、あのね……?……ううん、なんでもない。」

真「良いよ、雪歩、遠慮しないで。」

雪歩「う、うん、ありがとう。実はね……。」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:32:55 ID:wwYMXPTRP
雪歩「お、お手洗いに行きたいですぅ……。」

真「ええっ!?い、いつから我慢してるんだい……?」

雪歩「さ、30分前から……」プルプル

真(ど、どうしよう……早く救助来ないかな……)

~ (5分経過) ~

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:34:14 ID:wwYMXPTRP
雪歩「う……うぅ……くすん……。」

真(くっ……きゅ、救助はまだか……!!ええい、こうなったら!!)

真「すみません!!皆さん、お願いがあります!!」

雪歩「ま、真ちゃん……!?」

ドウシタノ? ザワザワ ザワザワザワ

真「この子、ちょっと持病の発作で……今すぐに脱出しないとちょっと不味いです。」

真「なので、ちょっと手伝って頂けないでしょうか、特に男性の方だと助かります!」

男A「わかった、どうすればいい?」

男B「手伝うが……皆も外に出れるんだな?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:34:54 ID:wwYMXPTRP
真「はい、大丈夫です。皆さんで外に出ましょう。そろそろ限界です。」

真「それではお兄さん達、ちょっと中腰になって肩を貸していただけませんか?」

男AB「お、おう……?こうか?」

真(靴を脱いで……よっと)

真「そのまま支えててください。」

真(確か、前に出演したドラマではこの辺に金具があって……)

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:36:20 ID:wwYMXPTRP
ガチャ

真「よし、やーりぃ!よっと!」

男A「おお!天井が空いた!そこから出られるんだな!」

真(ラッキーだ、丁度目の前が4Fの扉だ!)

真「一人引き上げます!男の人でお願いします!なるべく軽めの人で。」

男C「わ、わかった!私が行こう。」

真「えい!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:37:53 ID:wwYMXPTRP
真「それじゃ、このドア開きますよ!いっせーのーせ!」

ガラガラガラガラ
キャア! ザワザワザワザワザワザワ

真「ほっ、よかった!それじゃ雪歩、引き上げるよ!」

雪歩「は、はいぃぃぃぃぃ」

警備員「君たち、何やってるんだ!危ないじゃないか!!」

男C「あ、すみません……!でも6人閉じ込められてるんです!」

警備員「き、危険な真似を……わかった、とにかく手伝うよ……。」

真「よし、雪歩、先に行くんだ!」

雪歩「は、はいぃぃぃぃ。真ちゃん、ありがとうね……!」

タッタッタッタッ

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:39:34 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

雪歩(真ちゃん……かっこよかったなぁ……あとでお礼しないと)

雪歩(ハッ、そうだ!)

雪歩「たいていのエレベーターでは、地震を感知もしくは停電になると、
   予備のバッテリーで最寄りの階に停止するようになっています。
   念のため、地震が起こった際には、全ての階数ボタンを押してください。
   また、災害時にエレベータを使用するのは控えましょう。
   万が一、閉じ込められてしまった場合には、非常用ボタンを押して救助を待ってください。
   ドラマや映画の様に、天井から脱出することは危険ですので止めてください。
   (というか、通常天井の扉があったとしても鍵がかかっているので開きません!)
   良い子は決して、真ちゃんのような真似はしちゃだめだよ!
   雪歩お姉さんとの約束です!」キラッ

真「雪歩ー?大丈夫かー?」

雪歩「わわっ!真ちゃん、うん、ありがとう!」

真「へへっ!……ところで雪歩?何か喋ってた?」

雪歩「……う、ううん!なんでもないよ!」

真「そ、そうか、とりあえずこの後なんだけど……」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:40:41 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、16:59]
[品川、765プロ事務所]
[事務室]

春香「小鳥さん~!真と雪歩から連絡きました!」

小鳥「ほんと?どれどれ見せて?」

ーーーTwitter Direct Messageーーーーーーーーー
To @Kakka_Harukakka
 ボクと雪歩は表参道のミナセショッピングモールに居ます!
 ずっとエレベータに閉じ込められてましたが、ようやく脱出できました!
 電車も電気も止まってるんですね……2人とも家に戻れそうにないので、
 これから徒歩で事務所に向かいます!宜しくお願いしまーす!
from @MakkoMakkoRin
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:41:40 ID:wwYMXPTRP
小鳥「え、エレベータ?……色々あったのね……。」

春香「というか、二人は休日デートなのかな……?あとで色々尋問しないと……」

小鳥「春香ちゃん、黒いよ……でもそのときには話に混ぜてね!」

春香「まあ、とにもかくにも二人は無事でよかった!」

小鳥「ええ、これで連絡が取れてないのは貴音ちゃんだけね……。」

春香「そうですね……!私の方にはまだ連絡来てないですね……。」

小鳥「私の方にも……、あ、社長からmixiメッセージが来てるわ!」

小鳥「あ、秋葉原に到着して真美ちゃんと合流できたみたいね!」

春香「さっきプロデューサーさんが社長にお願いしてた件ですね。」

小鳥「そうね。そのまま事務所に向かうみたい。」

春香「皆、どんどん事務所に向かい始めてますね……早く綺麗にしないと!」

小鳥「私は引き続き電話番もします、手伝いが必要だったら言ってね!」

春香「わっかりましたー!」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:43:00 ID:wwYMXPTRP
* * *

[しばらく時間経過、17:15]
<神保町付近>

社長(信号機が止まってる中、この道の混み方ではタクシーは使えない……)

社長(とりあえず馴染みの神保町まで来た……学生の頃はここで良く古本とレコードを漁ったな)

社長(事務所までの道はわからんが……このまま真っ直ぐ都営三田線に沿って行けば、三田までは出れるだろう。)

社長(そうすれば品川まではすぐだ……だが)

真美「……………。」

社長(……アイドルの子と2人きりというのは久しぶりだな。……どうしたものか。)

社長(……いかんいかん、いくらなんでも変な気は起こさないぞ!うん!私は社長だ!落ち着け!)

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:44:23 ID:wwYMXPTRP
真美「…………。」

社長(しかし、このまま終始無言というのも寂しいものがあるな……アイドル達にしっかり懐かれている彼は流石だ。)

社長(やはり私の見る目は間違っていなかった!!……いや、今はそういう問題では無いな……。)

真美「社長……さん?」

社長「お、おお!どうしたかね、真美君?」

真美「あの……その……」

社長(ん、うーむ、どうしたものか……。)

社長(こ、こんなとき彼ならどうするのか……。)

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:45:17 ID:wwYMXPTRP
プランプラン

社長(ん……、手を所在なくブラブラさせている……。)

社長「手を、……繋いで欲しいのかね?」

真美「う……うん。」

社長(そ、そうか……いやしかし、いったい何歳差かね。これは犯罪では……。)

社長(だが……そうは言ってられんな、緊急事態か。)

ギュ

社長(手が冷たい、震えている……。)

社長(真美君はもう中学生だが、まだ子供か。さっきまで一人で寂しくて辛かったんだろうか……。)

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:46:57 ID:wwYMXPTRP
社長「……うぉっほん。真美君、もう大丈夫だ。ここからは私が一緒だ。安心してくれ。」

真美「は……はい。ありがとうございます……社長。」

社長「なに、そんなに堅くならなくていいぞ。こういう時だ。辛かったら言ってくれ。」

社長「それじゃとりあえず、事務所へ向かうよ。」

真美「わかりました。」

社長(いつもの元気な真美君ではないな……。)

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:47:54 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

社長「………。」

真美「………。」

社長(さっきからずっとこの調子だ……。さすがに私も辛くなってきたな。)

社長「ま、真美君……。」

真美「は、はい。」

社長「喉は乾かないかね、途中でコンビニがあったら寄って行こうと思う。」

真美「うん、少しお腹もすいたかも。でもコンビニ開いてるかなあ。」

社長「そうだな……ずっと停電してるからな……。」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:49:45 ID:wwYMXPTRP
真美「さっきのコンビニは閉まってたね。コンビニが閉まってるところなんて初めて見たよ。」

社長「昔は24時間営業じゃなかったから、深夜は閉まっていたよ。シャッターがついてるお店もあった。」

真美「へー、そうなんだー。真美はコンビニっていつでも開いてるもんだと思ってたよ。」

社長「他にも、北海道にはセイコーマートって言って深夜には閉まっているコンビニチェーン店もある。」

真美「社長は物知りだね!」

社長(少しだけ心を開いてくれたかな。寂しさが紛れてくれるといいんだが。)

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:50:53 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

真美「あ、社長、あそこのコンビニ開いてるよ!」

社長「本当かね!本当だ。」

真美「停電なのにどうしてるんだろうね。」

社長「そうだな、少なくともアイスは溶けちゃってるだろうな……。」

真美「とにかく入ろうよ!行こう!」

タッタッタッタ

社長「お、おい真美君、そんなに引っ張らないでくれ!」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:52:03 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

真美「うわ、凄い並んでる……。」

社長「レジは動かないから、手作業で会計をしているのか。……棚の商品も少ないな。」

真美「お弁当は全部売り切れちゃってるね。」

社長「そうだね。じゃあ色々選ぶから、真美君も好きなものを選んでくれたまえ。」

社長「なーに、心配するな。全部私の奢りだ!」

真美「ホント!?んっふっふ~、じゃあいっぱい選んでくるね!!」

社長「おいおい、持てるだけにしてくれよ!」

社長(大分元気を取り戻してくれたか、良かった良かった。)

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:53:08 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

真美「ぷはあ!大地の味がするぜ!」

社長「大分歩いてきたから、丁度良い水分補給になるかな。」

真美「そうだね。……それにしても、大分買ったね。」

真美「真美も半分持つよ!」

社長「いや、真美君に持たせる訳には行かないよ、なんのこれしき。」

真美「いいからいいからー!若いもんに任せてよー!」

社長「まだまだ私も現役だ!」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:54:23 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

真美「交差点の信号機が全部止まってるね……。」

社長「そうだな、おかげで車も大渋滞だ。」

真美「あ、あの交差点、誰かが誘導してるね……あれ、さっきと違って警察の人じゃないね。」

社長「ほう……。水瀬石油……、隣のガソリンスタンドの店員さんか。」

真美「店員さん?警察官じゃないのに誘導してるの?」

社長「ああ、そうだな。そのお陰でこの交差点はきちんと機能しているな。」

社長「自発的にやっているのか、そうじゃないかはわからないが……。」

真美「でも偉いね。」

社長「うん。一歩間違えると危険な作業だ。率先してやることは勇気がいるな。」

真美「勇気……か。」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:56:19 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

社長「……ふう、結構歩いたな。ちょっとあそこのベンチで休憩するか。」

真美「えー、やっぱり社長もおじさんだね!」

社長「……オホン!」

社長(痛いところをついてくるな……。)

社長「……よっこいしょ。」

真美「……よっこいしょ!」

社長「真似しなくても。」

真美「んっふっふ~。……あ、社長、これ少し飲んでいーよ!」

社長「お、ありがとう……。」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:57:27 ID:wwYMXPTRP
社長(ん、……間接キスか……// いやいやこんな歳になってそんなことでドキドキしてもだな。)

社長(気にするな……。いや、流石に我がアイドル諸君は私が見つけてきただけに、可愛い子が多いからな……。)

真美「………。亜美達は元気かな……。」

社長「やはり、亜美君のことが心配かね。」

真美「んー、さっきまで連絡取り合ってたから、無事で良かったなとは思ってるよ。」

社長「そうか、やっぱり2人で遊ばないと、かな。」

真美「最近、亜美は竜宮小町で忙しいから、しょうがないかな。」

真美「それににーちゃんが、真美の仕事も沢山取ってきてくれるから、真美も忙しいし、やっぱりしょうがないね!」

社長(普段から寂しかったんだな。竜宮小町は律子君の企画とはいえ、少し考えなくてはいけないかもしれない。)

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:58:27 ID:wwYMXPTRP
社長「真美君の知名度も上がってきた事だし、今度双子揃っての仕事を取るように律子君にも提案してみるよ。」

真美「ホント!それできたら嬉しいな!」

社長「ああ、約束する。」

真美「……真美に何ができるかな……?」

社長「ん?どうしたかね、真美君は歌もダンスもルックスも、大分レベルアップしてきたじゃないか。」

真美「うーんと、そうじゃなくてね。」

真美「……さっきのガソリンスタンドのにーちゃんとか、コンビニの人たちとか、」

真美「みんな、怖い思いも不安もいっぱいだと思うのに、自分たちのできることやってみんなの手助けしてる。」

真美「……真美には何ができるかなって。」

社長「そうか……。」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 01:59:41 ID:wwYMXPTRP
真美「……ぼらんてぃあ、って中学の友達も課外活動でやってたりするけど、自分にもできるかな……?」

社長「真美君……。」

真美「でも真美、ちっちゃいし、力無いし……。」

社長「真美君にしかできないこと、あるじゃないか。」

真美「えっ?何?」

社長「歌と踊りで、皆を元気付けることだよ!」

真美「え?いつも真美やってるよ?そんなのが役に立つの?」

社長「きっと今は、皆怖くて、生きるために必死になっている。」

社長「だけどそのうち皆に余裕が出てきて、そうなると今度は将来が不安になってくる。」

社長「そうしたときに、真美君やアイドル諸君の笑顔と、歌と踊りで、皆を元気付ければいいんだよ。」

真美「……!」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:01:11 ID:wwYMXPTRP
社長「真美君の笑顔には、いつも私も癒されているからな!」

社長「フム、少し落ち着いたら、765プロでチャリティーライブを行うというのも良いな!」

真美「それ良い!ナイスアイデアだね社長!」

社長「そうだ……、もし真美君が嫌じゃなかったら……今ここで私に歌と踊りを見せてくれないかね?」

真美「……え?」

社長「私も少し歩き疲れてしまったからな、真美君の歌と踊りで元気になりたいのだよ。」

真美「良いのかな……迷惑じゃないかな?」

社長「大丈夫だ!何かあったら私が責任を取る!」

真美「そっか……じゃあ社長、特別ステージ!聞いてください!さっき歌えなかったから、”おはよう!!朝ご飯”!」

真美「わん、つー、すりー、ふぉー!」

真美「まぶたを開けて、さわやかお目覚め!」

社長「ララララ朝だ!ララララ起きよう!」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:02:53 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

社長(真美君の歌と踊りに、少しづつ足を止めて行く人が居た。)

社長(何人かは真美君のファンのようだが、真美君のことを知らない人の顔も、自然と笑顔になっていた。)

社長(先の見えない不安の中で、少しの時間でも皆の心のやすらぎになったようだ。)

社長(チャリティコンサートか、急な思いつきだったけど悪くないかもしれないな)

真美「体を動かすには、おいしい朝ごはあ~~~ん!」

パチパチパチパチパチパチパチ

ダレ? ホラアレダヨリュウグウコマチノ ソノフタゴノホウデショ?
ダンスノウマイカワイイコダネ

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:05:21 ID:wwYMXPTRP
真美「社長、どうだった!?」

社長「真美君、ありがとう、元気を貰えたよ。」

社長「それに私だけじゃなく、周りの人も見てご覧。」

パチパチパチパチパチパチ

真美「本当だ、えへへ、社長、どうもありがとう。真美、これからも歌とダンスのレッスン頑張るね!」

社長「そうか。……それじゃあ名残惜しいが、そろそろ行くとするか。」

真美「うん。みなさーん、聞いてくれてどうもありがとうねー!CDも買ってね!」

社長(私も元気になったが、真美君も大分元気になったな、良かった良かった。)

社長(パーフェクト、いや少なくともグッドコミュニケーションかな。)

社長(私もまだまだ衰えてないな!負けてられないぞ!)

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:06:31 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、17:30]
<水瀬義塾大学三田キャンパス、東門前>
<カフェ ミナセコーヒー三田大学前店>

美希「キャラメルマキアートはできないの?」

店長「ごめんなさいねー、電気が来ないから、キャラメルマキアートは出せないの。」

店長「だからもう今日はこのあと閉店ね……。」

P「美希!!居るか!!!」

美希「ハニー!!遅かったの!!!」

P「ハア……ハア……これでもかなりダッシュしたんだぞ……。」

店長「お疲れさまです、はい、これお水です。」

P「あ、ありがとうございます……。」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:07:41 ID:wwYMXPTRP
P「それに美希がお世話になったみたいで……本当にありがとうございます。」

店長「いえいえ、こういう時ですからお互い様です。私も誰かと喋っていた方が気が紛れるので。」

店長「それに……。」

ゴゴゴゴ

店長「さっきから余震が続いて、一人だと怖かったですから。」

美希「たっくさんお話したもんね!」

店長「ええ、惚気話をね!」

P「え……?」

店長「”はにー”さん、美希さんをしっかり守ってあげてくださいね!」

P「…………。」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:10:36 ID:wwYMXPTRP
店長「それでは、これでお店も閉めて、私も帰ることにします。」

P「すみません、私たちのために。よし、美希、行こう。」

美希「店長さん、どうもありがとうございましたなの!」ペコリ

店長「いえいえ!もしよければ、今度また遊びに来てくださいね、お話もたくさん聞かせてください!」

美希「はいなの!絶対来るの!」

P「お世話になりました!」

~ ~ ~

美希「とっても良い人だったの!」

P「……はぁ……、後で律子に説教してもらおう……。」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:12:02 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、17:35]
<品川、765プロ事務所>
<給湯室>

小鳥「給湯室も大分片付いてきましたね。」

春香「ええ、しかしかなり暗くなってきました。まだ電気はつきませんね……。」

小鳥「そうね……。ろうそくあったかしら。」

春香「ああ、それなら皆で遊びに行って使った、キャンプ用のランタンがありますよ!」

小鳥「それはベストね!早速探しましょう。とりあえず懐中電灯はあったわ。」

春香「はい。でも大丈夫です。私は携帯電話のランプがあります!」

春香「あ、プロデューサーさんから連絡ありました。美希と合流したみたいです!」

小鳥「あらホント?結構早かったわね。」

春香「それにしても、貴音さんだけずっと連絡来ないですね……。」

小鳥「そうねえ。心配だわね……。」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:13:26 ID:wwYMXPTRP
* * *

[少し時間は遡って、17:15]
<大倉山駅、徒歩10分>
<響のマンション>

いぬ美「くぅーん」

ハム蔵「ジュ!」

響「いぬ美、ハム蔵……皆……。」

響「大分暗くなってきたぞ……3月とはいえ今日は寒いぞ……。」

響「停電は復旧しないし、暖房はつかない……。」

響「うぅ……寒いぞ……寂しいぞ……。」

響「春香は連絡くれるけど、貴音からは連絡がないし……。」

響「貴音……大丈夫かな……もしかして……。」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:21:06 ID:wwYMXPTRP
ハム蔵「ジュジュ!!」

響「そ、そうだなハム蔵!自分、変なこと考えちゃったぞ……。」

響(……でも心配だな……。今日はラーメンロケって言って貴音はずっと楽しみにしてたぞ。)

響(そうだ、貴音はいっつも食レポの時は、Facebookに写真を挙げてるぞ。)

響(もしかしたら今日も……。)ポパピプペ

響「やっぱりだぞ!」

響「えーと、今日の投稿は……。」

響「……!午前からロケしてるのか。1軒目……2軒目……3軒目はラーメン二十郎か……。」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:23:05 ID:wwYMXPTRP
響「4軒目……貴音、毎回2杯か3杯くらい食べてるぞ。しかも全部完食……。」

響「5軒目……6軒目……が最後か。ラーメン桜、中目黒だな。」

響「ん? ”う……苦しいです……”って貴音の最後のコメントがあるぞ!」

響「こ……これは何かあったのか!?」

響「……助けにいかなきゃ……でも……。」

響(……………)

響「……ハム蔵、いぬ美、皆、聞いてくれ。」

響「……ごめん!皆も大事だけど、自分、同じくらい大事な人を放ってはおけないぞ!」

響「だから……自分は助けに行く!……皆が許してくれればだけど……。」

ハム蔵「ジュジュ!!ジュジュジュ!」

響「そうか、わかってくれたか……?」

いぬ美「わんわん!!」

響「みんな……みんな……ありがとう!!」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:24:15 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

響「とりあえず、皆の餌はここに置いておくぞ!」

響「寒くなったら皆で寄り添って、この毛布を使うんだぞ。」

響「ブレーカーは落として行くから、もう明るくはならないけど、大丈夫だよな!」

いぬ美「わん!」

響「そうか、ありがとういぬ美!ハム蔵は皆を頼んだぞ!」

ハム蔵「ジュジュ!」

響「ん、これ懐中電灯か?……そうか、暗くなるからな。ありがとう!」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:25:39 ID:wwYMXPTRP
ハム蔵「ジュジュジュ!!」

響「心配してくれてるんだな!ありがとう!自分、大丈夫だぞ!」

響「そうだ!」パカッ

響「一応携帯電話、置いて行くぞ!無事になったら電話するから!!自分も、皆のこと心配だし、皆の声も聞きたいぞ!」

響「繋がるかわからないけど……きっとだぞ!」

ハム蔵「ジュ!」

響「それじゃ、行ってくるから!皆元気にしてるんだぞー!」バタン

いぬ美「わん!!」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:26:26 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、17:20]
<お台場、レインボーブリッジ>

やよい「うわあー、レインボーブリッジを歩いてますぅ!」

千早「そうね、普段は車で通っちゃうから、不思議な感じね。」

やよい「でも電気が付いてないですぅ。いつもだと綺麗な感じなんですけどね!」

千早「停電だから仕方ないね。……スタジオから懐中電灯を借りてきて正解だったわ。」

やよい「あのディレクターさんとっても良い人でした!無事に付いたら連絡しましょうね!」

千早「ええ。それにしても歩いてる人、多いわね。」

やよい「そうですねー。皆さんお家に帰るんですねー!」

千早「高槻さん……。」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:27:25 ID:wwYMXPTRP
やよい「千早さん、何ですかー?」

千早「は、はぐれないように……、手、繋いでもいいかしら……。」

やよい「うっうー!良いアイデアですね!繋ぎましょう!」ギュッ

千早「あっ……。」

千早(暖かい……私も寂しかったのね。……こんな日だけど高槻さんと一緒で良かったわ。)

千早(一人暮らしの家でこんなことになってたら……辛いわね。)

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:28:36 ID:wwYMXPTRP
* * *

[大分時間が過ぎて、18:20]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

ガチャ

真「こんばんはー!着きましたー!」

雪歩「こんばんは!」

小鳥「おー、真ちゃん、雪歩ちゃん、いらっしゃい!」

春香「お疲れさまです!大丈夫でした!?」

真「なんとか、でも流石のボクも疲れちゃいました……!」

小鳥「今お茶、煎れてきますね!」

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:29:32 ID:wwYMXPTRP
雪歩「あ、私も手伝いますぅ!!」

小鳥「良いのよ雪歩ちゃん、疲れてるでしょうから座ってて!」

春香「それより話聞かせてよー!」

真「あー、エレベータ止まっちゃって大変だったよ!」

春香「そうじゃなくてー。休日に2人で居るなんて仲いいね!何してたのー?」

雪歩・真「!」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:38:27 ID:wwYMXPTRP
* * *



[同時刻、18:20]

<田園調布駅付近>



タッタッタッタッタッタッタッタ



響「貴音……無事でいてくれ!」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:41:02 ID:wwYMXPTRP
* * *

[しばらく過ぎて、18:40]

<品川、765プロ事務所>

<事務室>

ガチャ

美希「ただいまなのー!」

真美「事務所、とうちゃーく!!」

小鳥「真美ちゃん!美希ちゃん!元気そうでよかった!」

P「途中で真美と社長を見つけて、一緒に来たんだ。ふう、疲れた……。」

社長「やっとついた……初老には流石に堪える距離だったな。」

雪歩「今度は私がお茶煎れてきますね!」

P「おお、雪歩たちも居たか……無事でよかった!」

真「プロデューサー!お疲れさまです!」

小鳥「社長、ご無事で何よりです。」ペコリ

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:42:35 ID:wwYMXPTRP
社長「ありがとう音無君。……そうだ、食料と水、買ってきたぞ!」

春香「本当ですか!私もうお腹ぺこぺこで……。」

真美「真美は、お菓子沢山買ってきたよー!」

社長「もう少ししたら皆で分けて食べようか。」

小鳥「そうですね。あとやよいちゃんと千早ちゃんが事務所に戻ってきますから。」

小鳥「……連絡が取れてないのは貴音ちゃんだけですね……。」

社長「……そうか。」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:44:35 ID:wwYMXPTRP
P「あ、小鳥さん……、自分はコレ買ってきました。」

小鳥「え、なんですか……あ、耐震用の突っ張り棒ですね。」

P「ああ、一応、皆で事務所に居るなら、さっきのようなことが無いようにと思ってね。」

P「駅前の工務店で買ってきました。……大分片付きましたね、事務所も。」

小鳥「ええ、殆ど電話もかかってこなくなりましたから、春香ちゃんと二人で頑張りました。」

P「それじゃあ、早速取り付けようか。」

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:46:42 ID:wwYMXPTRP
* * *

[ちょっと時は過ぎて、18:45]

<学芸大学駅付近>

タッタッタッタッタッタッタッタ

響「はぁ……はぁ……もう少しだぞ!」

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:47:30 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、18:45]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

P「まだ停電は復旧しないか……。」

P「春香、ニュースを見せてくれ。」

春香「はい、どうぞ、プロデューサーさん。あ……でももうすぐ電池が……。」

P「それなら大丈夫だ、さっきミナセ電気が路上販売しててな、充電器と電池を確保してきたよ。」

美希「凄いの、電気屋さん、店内が使えないから駐車場のスペースで販売してたの!」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:48:37 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

P「神保町の九段会館で崩落事故……。」

小鳥「怖いですね……自分たちのライブ会場かもしれなかったと考えると。」

P「ああ。あそこは古くて趣きのある場所だったからな……。結構人気のあるところだった。」

ガチャ

やよい「戻りましたー!」

千早「ふう、ようやく着いたわね。」

春香「千早ちゃん!お帰りなさい!無事で良かったー!」

千早「ちょ、春香!?いきなり抱きつかないでよ!」

やよい「うっうー!こんな時でなんですけど、ちょっとワクワクしちゃいました!」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:49:45 ID:wwYMXPTRP
小鳥「お帰りなさい、少し休んだら、ご飯にしましょうか!」

やよい「お腹ぺこぺこですぅ……。」

P「とりあえずこれで事務所に向かってた皆は揃ったか……後は貴音だけだが……。」

小鳥「ラーメンのお店の場所がわかれば連絡するんですけど……。」

P「制作会社の人に聞きたいけど、さっきから電話は繋がらないしな……。」

やよい「あ、電話と言えばちょっとお借りしていいですかー?長介たちにも連絡したいです!」

雪歩「そうしたら私も……家に連絡しないと。」

P「そうだな、よし使って良いぞ。他の皆ももし連絡が取りたい人が居たら言ってくれ。」

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:51:07 ID:wwYMXPTRP
* * *

[少し時間は過ぎて、19:00]
<中目黒駅付近>
<ラーメン桜、中目黒本店>

ズズッズズズズズ
ガチャ、バタン!

響「貴音!!!!!」

貴音「!!!」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:51:56 ID:wwYMXPTRP
貴音「ひ、ひぶいき……」モグモグ

響「無事だった……か?」

貴音「モグモグ」

店長「いやあ、良い食いっぷりだねえ嬢ちゃん!」

響「貴音……何やってるんだ……?」

貴音「何って……ラーメンを食べておりますが……響も食べますか?」

響「………う、うぅぅ……」

貴音「……響?」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:52:51 ID:wwYMXPTRP
響「じ、自分心配したんだぞ!!!連絡が無いから!!!」

響「それに……、貴音がFacebookで苦しいって……、貴音に何かあったんじゃないかと思って……。」

貴音「……響、それは勘違いです。」

響「え?」

貴音「良く見てください、その投稿時間、地震より前のものです。」

響「ええっ?じゃあ何で……。」

貴音「少々今日は食べ過ぎたようで……珍しいこともあるものです……。」

響「そ、そういうことだったのか……。っていうか食べ過ぎだぞ。」

響「確かこれ、5分番組じゃなかったか?……1日にいったい何本撮りしてるんだ……。」

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:54:02 ID:wwYMXPTRP
貴音「まあ、何はともあれ、響が助けに来てくれたことは代わりありません。……響、感謝致します。」

響「あ……そうだぞ!心配だったからな……。」

ぐーーー

貴音「あらあら、響も食べていきましょう。中々おいしいですよ!店長、ラーメン1つ!」

店長「あいよ!ガスが動いてるから問題ないぜ、まあ冷蔵庫に入ってるやつあちょっと心配だけどな!」

響「へへっ、貴音、ありがとう!」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:54:44 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、19:10]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

春香「あ、貴音さんから連絡ありましたよ!」

P「本当か!!」

春香「はい、こちらです。」

ーーーTwitter Direct Messageーーーーーーーーー
To @Kakka_Harukakka
 四条貴音です。連絡できず申し訳ございません。大変美味ならあめんを頂いておりました。
 嬉しいことに響が迎えに来てくださいました。響がらあめんを食べ終わりましたら、
 二人で事務所に向かいたいと思います。
 皆さんは無事でしょうか……?
from @MenyouRamen
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:55:56 ID:wwYMXPTRP
P「響……あいつ結局貴音のところに行ったのか……。全く。」

小鳥「でも二人とも無事で良かったですね!」

社長「これで全員無事が確認できたかね!?」

P「はい社長、これで全員です。」

小鳥「でも貴音ちゃんと響ちゃんも事務所に来るとなると、いよいよどこで寝るかが問題ですね。」

P「そうだな……毛布も布団も限りがあるし、停電が復旧しないと少し寒くなってきたし……。」

トントン、オトドケニマイリマシター

小鳥「え?来客ですか……?」

P「少し警戒した方が良いな……。俺が開けてくる。」

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 02:56:45 ID:wwYMXPTRP
ガチャ

社長「おー、来てくれたかね!」

シャチョサン、イツモオセワニナッテオリマス!

小鳥「え?布団と毛布ですか!?」

社長「そうだ、こんなことになると思って、前にお世話になったところに頼んでおいたんだ。」

P「そうなんですか、じゃ、じゃあとりあえずこちらに並べて頂けますか?」

真美「さっすがしゃちょー!手回しができてますなぁ!」

社長「んっふっふ~、真美君のためならなんでもするぞ!」

P(……なんかさっきから社長と真美の仲が良くなってないか?)

プルルルル プルルルルルルルル

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:00:44 ID:wwYMXPTRP
P「はい、765プロです!」

律子『プロデューサー!?律子です!』

P「おう、律子か、その後どうだ?」

律子『ええ、宿泊場所を色々探したんですけど、こういう状況で全然見つからなくて。』

P「そうか……それでどうするんだ結局。」

律子『ええ、それで水瀬製菓の方に相談したら、仮眠室を貸して頂けることになりました。』

P「本当か!?それは良かった。」

律子『それになんと、社員食堂も使わせて頂けるみたいです。これから食べに行きます。』

P「それは至れりつくせりだな……。」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:02:21 ID:wwYMXPTRP
律子『ええ、感謝してもしきれないです。』

P「変なことを言うようだけど、ここよりも快適だな。」

律子『あ、ちょっと待って下さいね。』

亜美『兄ちゃん兄ちゃん!元気にしてるー?』

P「おう、亜美か!元気そうで良かった!」

亜美『うんうん、こっちはチョー快適だよ!……兄ちゃん、真美と替わって!』

P「おうわかった、ちょっと待ってろ。」

P「真美ー、ちょっと来い!」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:03:50 ID:wwYMXPTRP
真美「亜美!?元気?大丈夫!?」

亜美『うんうんチョー元気!こっちは快適ですぞ!お菓子も食べ放題ですし!!』

真美「そっかー、ええー良いなー!真美にも貰って来てー!あ、真美も社長に色々イイコト教えてもらったよ!」

亜美『イイコト!?それは聞き捨てなりませんなぁ』

真美「なんかー、この後の仕事色々キャンセルになったから、今度いっぱいゲームできるよ!」

亜美『そうだねー!いっぱいやろうね!あ、真美、そろそろやよいっちに替わって!』

真美「はーい。やよいっちー!電話ー!」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:05:09 ID:wwYMXPTRP
伊織『やよい!?無事なの?元気なの?』

やよい「うっうー!伊織ちゃん、ちょっと歩き疲れたけど元気ですよー!伊織ちゃんは!?」

伊織『わ、私は大丈夫よ!千早に変なことされなかったわよね?』

やよい「千早さん?とっても優しかったですー。手を繋いでもらいましたー!」

伊織『う……そ、そう、それは良かったわね。』

やよい「はいー。伊織ちゃんも、心配してくれてどうもありがとうございます!」

伊織『そ、そんなことないわよ。まあ元気そうで良かったわ!』

やよい「うっうー!伊織ちゃんにも早く会いたいですー。」

伊織『そうね……。それじゃあ律子に戻すから、プロデューサーに替わってもらえるかしら?』

やよい「はいー、わかりましたー。プロデューサーさん!はい!」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:05:59 ID:wwYMXPTRP
律子『ということよ。あずささんは今ちょっと迷子になってるけど、皆元気で無事よ。』

P「そうか、わかった。こっちも今さっき全員無事を確認できたところだ。」

P「響も貴音も、事務所に向かってる。久しぶりに全員集合になりそうだ。」

律子『……!そう、私たち以外全員居るのね。わかったわ、それじゃあ。』

P「ああ、ゆっくりしてくれ。」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:06:44 ID:wwYMXPTRP
* * *

[少し時間は過ぎて、19:50]
<目黒駅付近>

響「真っ暗だな、なんか不思議な気がするぞ。」

貴音「ええ、そうですね。……いつもより月が真綺麗に見えます。」

響「……そうだな、気のせいか星もいつもよりか見える気がするぞ。」

貴音「こんなことがあっても、変わらずに輝いているのですね……あっ。」

ボキッ

響「貴音!大丈夫か?」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:07:47 ID:wwYMXPTRP
貴音「こ、こんなときにヒールとは……折れてしまいましたね。」

響「それじゃあ歩けないぞ……。」

貴音「ええ、どうしましょうか……裸足で歩くしかなさそうですね。」

響「貴音……。」

貴音「響、どうなさいましたか?」

響「貴音……、おんぶするぞ。」

貴音「……っ!良いのですか?」

響「ラーメンで体力をチャージしたからな。力は有り余ってるぞ。」

貴音「そうですか……。そうでしたらお言葉に甘えるとしましょう。」

ヒョイ

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:09:02 ID:wwYMXPTRP
貴音「響の背中……真暖かいですね。そして小さくて可愛いです。」

響「最後の2つは余計だぞ……。というか、なんか柔らかいものが背中に物凄く当たるぞ……。」

貴音「……響、これは当たっているのでは無く当てているのですよ。」

響「め、面妖な……!」

貴音「ふふふ、冗談です。響、本当にありがとうございます。」

響「自分、貴音の役に立てて嬉しいんだぞ。普段は助けてもらってばっかりだからな。」

貴音「私も、いつも響の役に立てることが嬉しいのですよ。」

響「そ、そうなのか……ハッキリ言われると少し照れるぞ。」

貴音「ふふふ、照れてる響も可愛いです。」

響「……途中で靴売ってるところがありそうだったら寄って行こうな、明日もそのままだと不便だぞ。」

貴音「そうですね。ありがとう、響。」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:10:02 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、20:00]
<埼玉県、水瀬製菓株式会社、埼玉工場>
<東館1F 社員食堂>

亜美「すっごい豪華な料理だったよー!ここはお菓子作ってるだけじゃなかったんだね!」

あずさ「あらあらー。デザートも絶品でしたわよー。」

伊織「ふん、中々やるじゃない。やっぱり水瀬グループはこうでなくっちゃ。」

律子「値段も見たけど流石社食ってだけあって安かったわ……。栄養もバッチリだし、羨ましいわね。」

亜美「律っちゃんはいつもお昼はコンビニ弁当だもんね!少しは健康の良いもの食べないと倒れちゃうよ!」

律子「お菓子ばっかり食ってるアンタに言われたくないわね……っていうか食べ過ぎよ。遠慮しなさいよ。」

あずさ「私もついつい食べてしまいましたー。」

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:11:56 ID:wwYMXPTRP
伊織「あずささんは迷子の間どこ行ってたんだか……見つけたときはここの工場の殆どのお菓子を抱えてたわよ。」

あずさ「行くところ行くところお菓子の山で……ついついつまみ食いしてしまいましたわー。」

律子「一体どうやってそこまで入ったんだか……。」

伊織「セキュリティ上問題あるわね……。後でチェックさせないと。」

律子「はいはい、食べ終わったから片付けるわよー。私は先に仮眠室で寝てるから、皆はシャワー浴びさせてもらいなさい。」

亜美「はーい!って、律っちゃんは寝ちゃうの?」

律子「ええ、疲れちゃったからね。」

226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:13:45 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、20:20]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

やよい「うー、お腹いっぱいですぅ。」

真美「デザートは別腹だよーん。」

小鳥「うう、お菓子も食べたいけどこれ以上は……ウエストが……。」

雪歩「はい、皆さん暖かいお茶です。」

P「お、雪歩ありがとう。……暖まるな。」

パン ウイーン……ピカ

春香「あっ、電気戻りましたね!」

真「良かった!ランタンの灯りも良かったけど、やっぱり明るい方がいいな。」

千早「うーん、ちょっと眩しいですね、急に電気がつくと。」

P「電気って素晴らしいな、うん。改めて実感だ。」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:14:45 ID:wwYMXPTRP
ガチャ

響「戻ったぞー!皆ー!」

貴音「眩しいくらいに輝いてますね。」

真美「おーひびきん、お姫ちん、おかえりー!」

P「戻ったか!元気そうで何よりだ!」

小鳥「お疲れさま、響ちゃん、貴音ちゃん。」

春香「まぁまぁ座って、ゆっくりしてください!」

雪歩「はわわわ、お茶もう一度煎れてきますねー。」

231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:17:30 ID:wwYMXPTRP
ワイワイガヤガヤ

社長「大分賑やかになってきたな、これでこそ765プロの誇るアイドル達だ!」

社長「そうだ、キミィ、ちょっと社長室に来たまえ。」

P「は、はい。何でしょうか。」

社長「さっき真美君と話していたんだがね、チャリティーコンサートというものを……」

バタン

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:21:15 ID:wwYMXPTRP
* * *

[少し時間は過ぎて、21:10]
<埼玉県、水瀬製菓株式会社、埼玉工場>
<東館2F 仮眠室B>

伊織「こんなに狭いところで寝るの!? 全く、社員の福利厚生はどうなってるのかしら!」

亜美「2段ベッドって久しぶりだなー。」

あずさ「あらあらー、二人とも少し静かに、律子さんを起こしてしまいますよ」

伊織・亜美「はーい……。」

亜美「真美はどうしてるかなぁ。兄ちゃんに会いたいなあ。」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:23:29 ID:wwYMXPTRP
* * *

[同時刻、21:10]
<765プロ事務所>

小鳥「はい、皆さん布団を敷くので手伝ってくださいー。」

春香「はーい!」

小鳥「社長とプロデューサーさんは、社長室にお願いします。」

P「はいはい、わかりました。」

真美「じゃあ真美はここー!端ゲットー!」

千早(はっ……私は高槻さんの隣を……)

響「貴音、一緒に寝ようよ!」

貴音「あら響、今日は積極的ですね……ウフフ」

雪歩「真ちゃん……」クイクイ

真「しかたないなぁ……へへ//」

春香「わ、私も社長室で寝ます!!」

P「はいはい、春香、それは駄目ですね。」

239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:24:46 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

社長「諸君、今日はご苦労様だった。」

社長「いろんな事があったかもしれないが、とりあえず諸君が無事でホントに良かった。」

社長「これから少し仕事が減ってしまうかもしれないが、一時的なことだ。また諸君の明るい笑顔で頑張ってくれたまえ。」

社長「それでは、おやすみ諸君!」

一同「おやすみなさーい」

バタン

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:26:26 ID:wwYMXPTRP
ワイワイ ガヤガヤガヤガヤ

P(社長は社長室に入って行ったが……皆はまだ眠れないようだな。)

P(それも仕方ないか……。)

カタカタカタカタ ゴゴゴゴゴゴゴ

P(さっきから余震が止まらないし、つけっぱなしのテレビからは緊急地震速報が流れ続けてる。)

P(最初は皆その音に怯えていたが、大分慣れて来たようだ。それでもまだ怖いだろうな。)

小鳥「皆まだ寝ようとしませんね。」

P「そうだな、まあこういう状況だし、それに竜宮小町抜きとはいえ、久しぶりに皆が揃ったわけだし。」

小鳥「今日ばかりは仕方ありませんね。」

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:27:14 ID:wwYMXPTRP
P「ああ、それに明日の仕事は全てキャンセルだ。まあ夜更かししても良いだろう。」

小鳥「プロデューサーさんはもう休んで下さい。色々と気疲れがあったでしょう。」

P「小鳥さんこそ。……って言ってもここじゃ寝られませんよね。もしあれでしたら社長室に来て頂いても。」

小鳥「……//プロデューサーさん、冗談はよしてくださいよ!!」

P「あ、……ああっ!いや、そういう意味で言ったんじゃないですよ!!!社長も居ますし。」

小鳥(そういう意味でも良かったんだけどな……ガックシ)

ーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:28:09 ID:wwYMXPTRP
[4:35]
<品川、765プロ事務所>
<事務室>

ガチャ

ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ

P「まだ皆起きてるのか。」

小鳥「そうですね、プロデューサーさんもお目覚めですか?」

P「ああ……良く寝られなくてな。完全に目が冴えてしまったよ……。」

小鳥「そうですか……。」

雪歩「プロデューサーさん、お茶どうですか?」

P「ああ雪歩、ありがとう、それじゃあ頂くよ。」

小鳥「じゃあ私もお願いしていいかな?」

雪歩「はい、動いてた方が気が紛れますから。ちょっと待ってて下さいね。」

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:29:11 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

P「ふう、雪歩の煎れたお茶は落ち着くな。」

ガチャ

P「誰だ!?」

亜美「えっへん!竜宮小町帰還いたしやした!」

律子「こら亜美、騒がない!……って、全員起きてるのか。」

小鳥「竜宮小町の皆さん、お帰りなさい!……って、どうしたんですか?」

律子「夜の街を車ですっ飛ばしてきたわ。」

あずさ「私たちは車の中でぐっすりでしたから、あっという間でしたわ。」

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:30:25 ID:wwYMXPTRP
P「道は混んでなかったか?」

律子「まあこの時間でしたし。下りは混んでましたけど、上りはそうでもなかったです。」

律子「この子達が皆に会いたそうだったので、先に寝て深夜に出発して正解でした。」

伊織「あら、一番プロデューサーに会いたがってたのは律子じゃ」

亜美「いおりん、それは言っちゃ駄目だよー。律っちゃんにもプライドってものが。」

律子「……//」

P「そうか、何より無事で良かった。」

亜美「みんなー、お菓子一杯貰って来たよー!」

253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:32:12 ID:wwYMXPTRP
~ ~ ~

<応接室にて>

律子「今日は大変な一日だったわね。」

小鳥「そうですね、私たちだけじゃなく、全国的に。」

律子「お菓子工場だったけど大変そうだったわ。電話は鳴りっぱなしだし、物流は完全ストップ。工場もガタガタ。」

律子「しばらくは出荷できないって言ってたわね。他もそうだろうから、コンビニの棚とかもじきにまっさらになるでしょうね。」

P「何より心配なのは余震だな。それと原発か……。」

小鳥「私たちも、少し考えないといけませんね。思ったより地震に対する準備、できていませんでしたから。」

P「ああ、耐震に食料と水の備蓄、毛布の備蓄、それに何より緊急時の連絡方法と約束だな。」

254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:33:01 ID:wwYMXPTRP
律子「大分混乱してたみたいね。ホントに全員無事で、ここに居るってことがある意味奇跡だと思うわ。」

小鳥「もう少し人手増やしたほうが良いかもですね。こういうときに女の子一人だと危ない。」

P「そうだな、いつも効率重視でやっていたが、マネージャー的なものをもう少し増やさないと、こういうとき動ける人が少ないな。」

小鳥「ええ、今回はアイドルの皆が凄く頑張ってたと思います。」

P「そうだな……皆の底力を見た気がするよ。」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:35:48 ID:wwYMXPTRP
小鳥「それに、皆の話を聞くととても良い人に恵まれていたと思います。」

P「……、最初は色々と警戒していたが、変な話、やっぱり日本人って皆優しいな。」

律子「ええ、そうね。助け合いって言葉を肌で実感したわ……。」

P「美希を助けてくれたカフェの店長も優しい人だったな……自分だってすぐに帰りたかっただろうに。」

小鳥「そうですね……私たちにも何ができるか、考えていかないとですね。」

P「それについては社長も仰っていた。無理に変なことをせず、自分たちにできることをしよう。」

律子「私たちも今回を教訓に、色々と改善していきましょう。……ふわあ、少し横にならせて頂きますね。」

P「ああ、流石にそろそろ皆も寝るように言おう。」

律子「それじゃあ、おやすみなさい……。」

260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/22 03:36:53 ID:wwYMXPTRP
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[9:23]

ガチャ

P(皆まだ寝てるな……。)

P(流石にあの時間に起きてたから今はぐっすりか……。おっとTVつけっぱなしだ。消しておこう。)

P(……フフ、皆が手を繋いで輪になって寝ている。微笑ましい光景だ。)

P(今回は色んなことがあったけど、皆の団結力は一層強まった気がする。)

P(ピンチをチャンスに変えて、この平和な明日を積み上げて行こう。)

P(太陽が眩しいな……まだ皆は起こさないでおくか。)




おわり。


P「平和だったはずの1日」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1369149913/)