1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 20:29:33 ID:APE+u9ECP
P「ある航空会社が主催したLIVEツアー企画なんだけどな」

P「参加アーティストが自社の飛行機を利用して全国各地でLIVEをやって、ファンの獲得数を競うとか」

P「優勝したアーティストは海外で…って話もあったりするけど……」

芽衣子「私、出場できるの!?」

P「ああ、それで相談してみたんだけど……」

芽衣子「行く!もちろん行くよ!」

no title
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 20:37:37 ID:APE+u9ECP
P「ただ…期間中は移動しっぱなしなんだよな……」

芽衣子「へえ…」

P「だから芽衣子さんがいくら旅行好きでもさすがに厳しいかな、ってね…」

芽衣子「そんなことない!私は大丈夫!」

P「本当に?」

芽衣子「大好きな旅もできて、たくさんの人にファンになってもらえるんだよね?」

芽衣子「どんなに大変でも、楽しい気持ちになれるなら私はどこだって行けるよ!」

P「ふむ……まあ、そうくると思ったよ。わかった、エントリーの手続きしておくよ」

芽衣子「うん!お願いね、プロデューサー!」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 20:46:36 ID:APE+u9ECP
当日

芽衣子「うわあ……結構有名なアーティストさんたちとかも参加してるんだねえ…!」

P「航空会社がやる企画だけあるな」

芽衣子「これから一ヶ月ノンストップの全国LIVEツアー!って感じかな?」

P「一応、回る順番は選べるっぽいけど……毎日移動しなきゃ勝ち抜くのは難しいかもな」

芽衣子「そうだねぇ……」

P「それより芽衣子さん自分の荷物ははトランクケース一つだけだけど…大丈夫?」

芽衣子「うん!色々準備するよりはこれくらいが一番動きやすいかなってね!」

P「そういうもんかねぇ…」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 20:54:55 ID:APE+u9ECP
P「ふう……もう一週間になるのか……」

芽衣子「それで、今度はこっちでね!……って聞いてる、プロデューサー?」

P「ん?ああ、ごめんちょっとぼーっとしてた」

芽衣子「さすがに疲れてきた?」

P「ああ、主に芽衣子さんの話に、だけどね」

芽衣子「もう!なにそれ!」

P「ははっ、毎晩ホテルで作戦会議をしてるわけだけど……」

P「いつも最終的には芽衣子さんが一人で自分の夢を語ってたりするからなぁ…」

芽衣子「だってこんな企画、私とっては夢みたいななんだもん!ワクワクするって♪」

P「その割には企画とは関係ない旅行とかの話に脱線することも多いみたいだけど」

芽衣子「あはは…」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:05:21 ID:APE+u9ECP
P「でもまあそれくらいがいいかもしれないな」

P「まだ一週間とはいえ、かなりハードなスケジュールこなしてたから、元気があるのがわかって安心する」

芽衣子「えへへ、そうかな?」

P「うん、芽衣子さんが目指してるアイドルとか夢とかそういうの聞いてるとこっちも楽しい気分になれるしね」

P「だからもっと色々聞かせてほしいな」

芽衣子「うん!でもプロデューサーの意見も聞かせてね?」

P「おうよ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:12:05 ID:APE+u9ECP
P「今日で中盤戦終了、か」

芽衣子「んーっ!……ふう、お疲れ様、プロデューサー!」

P「ああ、お互いにな…」

芽衣子「今、私たちのランクってどの位なのかな?」

P「うーん……悪くはないが、そこまで上位ってわけでもないかな……」

芽衣子「初日は気付かなかったけど、有名なアーティストとか実力派のアイドルとかいっぱいいるもんね……」

P「今のままだと、上位は難しいかもな……」

芽衣子「そっか…」

芽衣子「でも、折角参加してるんだし、私は最後まで続けたいな、プロデューサーは?」

P「そうだな、今から逆転ってこともあるかもしれないが、それよりもせめて完走はしたいな」

芽衣子「うん!私も同じ!だからもうちょっと頑張ろっ!」

P「ああ!……しかし」

ゴロゴロ

P「嵐になりそうだな……」

芽衣子「うん……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:21:05 ID:APE+u9ECP
ガチャ

芽衣子「お帰り!どうだった?」

P「うん…やはりこの悪天候だと明日の便は厳しいかもしれないという話だ」

芽衣子「そう……」

P「なんでも上空のとてつもない暴風が吹き荒れてるらしくてな…とてもじゃないが飛行機を飛ばせるような状況じゃないとか」

芽衣子「じゃあ、明日のLIVEは……」

P「残念ながら今日ここに留まってるグループは欠席ということにならざるをえない、とのことだ…」

芽衣子「そんな…!」

P「LIVEツアーなんかじゃこういうトラブルはつきものだからな…」

芽衣子「私たちのLIVEを楽しみにしてたファンに会えない…か」

P「残念だが……」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:34:24 ID:APE+u9ECP
芽衣子「……やっぱりこんなのダメだよ……!」

P「芽衣子さん……」

芽衣子「諦めたって嵐が収まってくれるわけじゃない……!」

芽衣子「ねえ、プロデューサー」

P「どうした?」

芽衣子「電車は動くんだよね?」

P「ああ、飛行機が飛ばせないだけで他の交通機関ならあるいは…」

芽衣子「電車が無理でも、車は出せるよね?」

P「まあ、車はよほどのことがなけりゃあな」

芽衣子「それなら行こう!今すぐ!」

P「行くって、もしかして…」

芽衣子「うんっ、次のLIVEの会場!今から出発すれば飛行機じゃなくても間に合うはず!」

P「確かにそうだが……」

芽衣子「何?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:45:16 ID:APE+u9ECP
P「…主催者が許可するとは思えない」

芽衣子「……」

P「仮に許可が出ても、交通費は下りないだろうな…」

芽衣子「そんなこと!」バンッ!

P「!?」

芽衣子「私たちはそんなことのためにLIVEしてるわけじゃない!」

芽衣子「LIVEはファンのために…私たちを見に来てくれたファンのためにあるんだよ!?」

芽衣子「いくら天気が悪くても……私たちはファンの心まで曇らせたらダメだよ!」

芽衣子「私たちのために時間を割いてくれてるファンのために、私たちは最大限努力しなくちゃ!」

芽衣子「ちょっとくらい遅れたって……ダメ!時間通りには着かなきゃ!私たちのファンがファンでいてくれるうちに!」

芽衣子「だからお願い!今から一緒に行こう!」

P「わかった…それじゃ今から伝えてくる」

芽衣子「うん、荷物の揃えたら私は交通手段とか調べておくから!」

P「ああ、頼んだぞ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 21:59:14 ID:APE+u9ECP
P「ふう……何とかなるもんだな……」

芽衣子「くぅ……くぅ……」

P「昨日の深夜に出発して会場着いたのがギリギリで…」

P「こいつはその後最後までしっかりLIVEをこなしたんだもんな…大したもんだよ……」

P「来れそうにないのわかってただけに、ファンもすごく喜んでたみたいだしな」

芽衣子「……んっ……ふふ………」

P「しかしさすがにホテルに着いたら食事もする元気もなかったみたいだけどな」

P「荷物が少なかったのは幸いだったのかもな」

P「ま、何にせよ、お疲れ様」

芽衣子「……すぅ……すぅ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 22:04:46 ID:APE+u9ECP
P「とうとう明日が最終日か…」

芽衣子「なんだかちょっと寂しいね……」

P「ああ…中盤は辛かったが、いよいよってなると名残惜しいものだな」

芽衣子「旅の楽しさ、プロデューサーにも伝わったかな?」

P「そんなこと考えてたのか?」

芽衣子「ちょっとだけ、ねっ♪」

P「旅は嫌いじゃないよ、特に芽衣子さんと一緒にするのはね」

芽衣子「私もプロデューサーとなら一人よりも楽しいかなっ」

芽衣子「プロデューサーがいてくれるから、どんなに辛い時でも楽しい気持ちを忘れないでLIVEできるしねっ」

P「そうか」

芽衣子「私ね、来てくれた全部のファンに思い出になるようなLIVEがしたいと思ってるんだ」

芽衣子「いつか……私がアイドルじゃなくなっても……たくさんの人に楽しい思い出を残したい…」

芽衣子「だからもうひと頑張り!協力よろしくね、プロデューサー!」

P「ああ、任せとけ!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 22:15:16 ID:APE+u9ECP
…それから数日後

芽衣子「おはよう、プロデューサー!今日もいい天気だねっ!」

P「あっ、芽衣子さん!調度良かった!」

芽衣子「どうしたの?」

P「さっき、この前のツアーのことで主催者側から連絡があってな」

芽衣子「確か上位入賞はなかったんじゃ……?」

P「そうなんだが、企画の航空会社の会長が特別賞を授与したいって話が来たんだ!」

芽衣子「えっ!なにっ?どういうこと?」

P「ほら、あの嵐の日のLIVE、飛行機使わないで参加できたじゃないか」

P「その話を会長さんが耳にしたらしく、次回からは悪天候の時でも主催者側からも策を講じようって話になってさ」

P「そのきっかけになった芽衣子さんに何か特別にあげたいって」

芽衣子「そんな!私は自分が当然って思ったことをしただけで…!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 22:23:24 ID:APE+u9ECP
P「ああ、そう言おうと思ったんだがな……」

P「特別賞の特典として、LIVEをやってほしいって話もきたんだよ」

芽衣子「LIVEを?」

P「ああ、沖縄で単独LIVEだとか」

芽衣子「沖縄!?」

P「LIVE終了後は観光も出来るように日程をとってもらえるとか」

芽衣子「観光!?」

P「仕事したら思いっきり休暇を…って、駄目かな?」

芽衣子「そんなことない!むしろ大歓迎だよ!オッケーだって伝えて!」

P「よしきた!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 22:42:49 ID:APE+u9ECP
芽衣子「あっ、そのLIVE、もちろんプロデューサーも一緒についてきてくれるんだよね?」

芽衣子「プロデューサーがいてくれたおかげで最後までやり遂げられたんだからさ……出来れば観光も一緒に……なんて」

P「芽衣子さんが良ければ俺も行きたいな」

芽衣子「ほんとにっ!?嬉しいなー!」

P「それじゃLIVEに向けてのレッスンも用意しておくよ」

芽衣子「うん、よろしく!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 22:54:53 ID:APE+u9ECP
芽衣子「あっ、ねえねえ、プロデューサー」

P「ん?」

芽衣子「プロデューサーとのお仕事ってさ、あてのない旅みたいでワクワクして楽しいなって思ってるんだ」

芽衣子「だからさ、ずっと……ってわけにはいかないかもしれないけど」

芽衣子「できることなら……いつまでもプロデューサーと旅がしたいな…ってね」

芽衣子「実はその時の旅のプランも考えてあるんだけど…」

P「その時の…」

芽衣子「うん……いつかプロデューサーさんとさ……」

P「うん?」

芽衣子「やっぱりなんでもない!私、レッスン行ってくるね!」

P「ああ」

芽衣子(いつか…二人の夢を追いかけたいな…なんて、ちょっと気取りすぎだよね♪)

おしまい

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/10 23:00:00 ID:APE+u9ECP
おまけ

P「これが沖縄観光のパンフレットな」

芽衣子「なになに……『金色のドラゴンボートと大魔神に会えるリゾートの旅』……?」

芽衣子「ねえ、プロデューサー?沖縄と大魔神って何の関係があるの?」

P「…正直俺もよくわからん」

芽衣子「そっか……」

芽衣子「金色の大魔神……かぁ……」

P「こんな金ピカ着てたら皮膚がかぶれそうだな」

芽衣子「本当にそうだね……」


モバP「全国ツアーだ」 並木芽衣子「ほんとにっ!?」
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1370863773/)