498: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:46:07.92 ID:OBUf+xsa0

CASE 11 最期の日 後編


第七学区――


木原からの命令を受けた浜面と御坂妹は、魔術師が暴れているという現場へ到着し茫然とした。

浜面「何の冗談だよこれ」

御坂妹「ビルが……次々に倒壊しています、とミサカは非現実的な光景に驚愕を隠せません」


そこは阿鼻叫喚の大惨事だった。


空から降り注ぐナニかに、刻一刻と連鎖するように崩壊するビル群。
運悪くその場に居合わせ、悲痛な叫びを上げながら逃げ惑う人々。
その人々に無慈悲に降り注ぐ、大小様々な瓦礫たち。

誇張も比喩も必要なく、ここは地獄だった。


そんな光景に一瞬頭が真っ白になった浜面だったが、そこかしこから聞こえる悲鳴に我に返る。

浜面「御坂妹! 一般人の避難誘導はどうなってる!?」

御坂妹「データ照合……今現在、この場にいる警備員及び風紀委員はミサカたちだけのようです」

浜面「ッ、なら俺たちで誘導するぞ!」

御坂妹「いいのですか? ミサカたちに下された命令は、この惨状を作り出している魔術師の排除です、とミサカは…」

浜面「そっちは大将たちに任せる。それより俺らは一人でも多く助ける事を考えて行動する、いいな!」

御坂妹「了解、とミサカは逃げ遅れた一般人救出の任に就きます」

浜面「よし、とにかく今は行動だ」


協力組織の長である駒場に簡単な救援要請を送ると、浜面たちは地獄へと突っ込んでいった。

関連作品
禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」  その1

005
499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:48:47.52 ID:OBUf+xsa0

第七学区 風紀委員 第一七七支部――


黒子『初春! 状況は一体どうなっていますの!?』

初春「わかりません。ただ上からの指示は待機せよの一点張りで……」

黒子『冗談ではありませんわ! 現場まで距離があるここからでも、一刻を争う事態だと認識できますのに……ッ!!』

初春のヘッドセットから黒子の憤りが漏れる。

第七学区の一角で、突如発生したビルの大規模崩落。
事故なのかテロなのか、はたまた高位能力者の暴走なのか情報を集める初春は狼狽していた。

いち早く、崩落に巻き込まれた人々を救助するべく出動した黒子に待ったが掛かったのだ。


初春「風紀委員は全支部に待機命令が出ています。どうも危険レベルが高いらしくて、現場は警備員が仕切るそうです」

黒子『くッ、初動の遅い警備員なんて待ってられませんの!』

初春「ちょっ、白井さん!?」

黒子『始末書なら後でいくらでも書きます。ですから初春、サポートを頼みましたわよ!』

初春「……ですね。わかりました、要救助者はこちらで捕捉するので、白井さんは私のナビに従ってください」

黒子『事態は一刻の猶予もありませんの。頼りにしますわよ初春』

初春「任せてください!」


言うや否や、初春はコンソールを叩き、現場周辺で生きているカメラの検索を開始した。


500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:51:14.54 ID:OBUf+xsa0

第七学区 駅前――


上条「えらい騒ぎだな。何かあったんですかねぇ?」

打ち止め「えっ?」オロオロ

prrr prrr

上条「はいはい、こちら上条さんですよっと」pi

木原『魔術師が現れた、至急対応しろ』

上条「了解、んで何処に行けばいいんだ?」

木原『はあ? テメェ、今第七学区の駅前に居るんだよな?』

上条「そうだけど」

木原『その近くでビルが倒れたり、大爆発が起きたりしてるのが分かるか?』

上条「大爆発? この辺は至って平和ですよ」

木原『オイオイ、クソガキィ……。冗談やってる暇は無ぇんだが、そこんとこ理解してるか?』

上条「そりゃこっちの台詞だ。早くボーナス狩りに行きたいンですけど」イラッ

木原『……どーなってんだ?』


美琴「お待たせー! バシッとやっつけてきたわよ」タッタッタ

打ち止め「お姉さま! あっちの方からドッカーン!! ってミサカはミサカは非常事態にうろたえてみたり!?」オロオロ

美琴「ん~? そういえばスゴイ騒ぎね。何かあったのかしら?」ハテ?

打ち止め「えっ」


501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:55:42.40 ID:OBUf+xsa0

Side 闇咲逢魔


後悔先立たず、闇咲の心情はまさにその一語に尽きた。
遥かに格上の存在と一戦を交えるのだから当然、死を覚悟していた。
愛する人を救えぬ事も、守れない事も未練だろう。

だが白い悪魔の悪辣さは、闇咲の想像を絶するものだった。

交戦すること数瞬、禁書目録の魔力が一気に膨れ上がったと思えば、空は漆黒に塗り替えられ無数の光弾で埋め尽くされていた。


禁書「さて問題。私が構築している魔術は『一掃』というのだけれど、ここで使えばどうなると思う?」

闇咲「き、貴様っ!!」

禁書「フフ、何をそんなに憤っているの? 無関係な人間が大勢死ぬこと? それを成そうとする私が許せないから?」

闇咲「私を殺すのに、これほどの大魔術は不要ではないか! 無関係な人間を大勢巻き込む意味がない!」

禁書「あなたを殺す? あはっ、あはは、アハハハハハハハハハハッ!!!」

闇咲「何がおかしい!」

禁書「これが笑わずにいられるとでも? あなたは致命的な勘違いをしてるんだよ」

闇咲「勘違い、だと?」

禁書「このインデックスに弓を引いておいて、楽に死ねると思ったのかな?」


背筋が凍りつくような禁書目録の声に戦慄を覚える。


禁書「あなたの不遜な行為の結果、たくさんの無関係な人間が死ぬ。これ以上の罰は無いでしょう?」

闇咲「は、あ……」

息が詰まり、全身が小刻みに震える。

禁書「そのあとで、あなたが救おうとしてた女性を救ってあげる。そして教えてあげるんだよ、あなたが助かったのは今日の犠牲があったからって」


――イマ、コノバケモノハナントイッタ?


ゆっくりと、まるでスローモーションのように緩慢に禁書目録が右腕を振り上げる。


禁書「安心して? あなたは殺さないであげる。じゃあ、たーっぷり後悔してね♪」

闇咲「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:56:45.53 ID:OBUf+xsa0






禁書「一掃」






振り下ろした右腕に従うように、空を埋め尽くす光弾が地上に降り注いだ。


503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 00:58:14.52 ID:OBUf+xsa0

Side 浜面仕上


ここは地獄だった。崩れてくる建物、飛び交う怒号と悲鳴、原型さえ留めない無残な肉塊と血痕。
その圧倒的リアリティーが、浜面の心をかき乱す。

浜面「クソっ!! なんだってこんな……!」

御坂妹「この混乱では秩序だった避難誘導は不可能です。ですがせめて、逃げ遅れた人を個別に救助するくらいなら…」

次善策を提案する御坂妹の頭上に一抱えもある瓦礫が降って来る。

浜面「御坂妹!?」

御坂妹「平気です、とミサカは華麗に回避し健在をアピールします」

こんな場面でも冷静さを失わない同僚の姿に、浜面も幾分落ち着きを取り戻す。
逃げ遅れた人間が居ないか、注意深く辺りを確認すると、か細いが助けを求める声が聞こえてきた。

浜面「今、助けてって声が……」

御坂妹「あそこです、とミサカは瓦礫の下敷きになっている女性を指示しつつ駆け寄ります」

駆け寄った先には、ピンクのジャージが特徴的な女の子が瓦礫に潰され苦痛に喘いでいた。

浜面「ッ、すぐに助けてやるからな!」

御坂妹「いちにのさんで瓦礫を退かしますよ、とミサカは指示を飛ばします。いち、にの、さん!」

浜面「グッ、うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!!」

この惨状を招いた者への義憤が、目の前で苦しんでいる少女を助けたいという思いが、浜面に確かな力を与える。
その火事場の馬鹿力とも言える爆発力で、なんとか瓦礫の下からピンクジャージの少女を救出した。


浜面「ハァッ……ハァッ……は、早くこの子を安全な場所に運ばねえと」

御坂妹「どちらかが背負って避難するしかなさそうですね。しかし単独での救助活動は推奨できません、とミサカはままならない現状にため息をつきます」

浜面「効率は悪いが二人で運ぶのが無難ってことか」

そう言ってピンクジャージの少女を背負う浜面の前に、シュン、と風を裂く音と共にツインテールの少女が現れた。

黒子「ジャッジメントですの! ッ、お、お姉さま!?」

御坂妹「いえ、ミサカは姉ではなく妹です、とミサカは即座に訂正します」

浜面「言ってる場合か! あんたも風紀委員なら協力してくれ、頼む!」

黒子「あなたは……なるほど、ごもっともですわね。初春、ケガ人を退避させるポイントを!」


浜面の顔を見た黒子は何か納得したように頷くと、即座に救助活動に加わった。


504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:01:38.67 ID:OBUf+xsa0

Side 闇咲逢魔


燃えている、ほんの数分前までは平和だった街が。
泣き叫んでいる、何の罪も無い子供たちが。

闇咲は博愛主義者でないが、激しい憤りを感じていた。


禁書「フフフ、あんなに赤く燃えてる。あなたのせいで、たくさんの血と涙が流れてるよ?」

闇咲「あ、悪魔め……」

禁書「悪魔だなんて心外かも。まあ無力な人間には、神も悪魔も一緒かもしれないけれど」

闇咲「…………ッ」


眼下で起きている悲劇を少しでも減らそうと考え、闇咲は行動しようとした。
しかし、そうは問屋がおろさなかった。


――動くな


白い悪魔が発した短い命令。だが効果は絶大で、闇咲は文字通り指一本動かせなくなる。

たった一言つぶやくだけで一切の行動を潰された。

何もできない無力感、この事態を引き起こしてしまった罪悪感。
ありとあらゆる負の感情が、闇咲を責め苛んでいた。


禁書「歯向かうからこんな目に遭うんだよ。今からでも遅くない、恭順の意を示せば慈悲を与えるのも吝かではないよ」

闇咲「…………」

禁書「疑り深いなぁ。あなたが私に降れば、これ以上の惨劇は無いというのに」

それは甘美な誘いだった。
闇咲逢魔は、冷徹であっても冷酷ではない。ましてこんな惨事を容認できるほど人間性が腐ってはいなかった。

己の未来を売り渡すだけで、この地獄を終わらせる事ができるなら……。

闇咲「……わかった。従えばいいのだな?」

禁書「物分かりの良い人は大好きなんだよ♪」

あれ程の邪悪を行ったのが嘘のような微笑みを浮かべ、禁書目録が闇咲に近寄って来る。

禁書「今から誓約の儀式を行うんだよ」

闇咲「誓約……?」

禁書「そうだよ、決して裏切らない為の…「待てよ」ッ!?」


超然としていた禁書目録の表情が強張った。その事実に闇咲は驚き、待ったの声が聞こえた方を見やってもう一度驚愕した。


上条「そんなヤツに従う必要なんてねーよ」

禁書「と、とうま……ッ!」

何時の間にそこにいたのか、昼間に出会ったツンツン頭の少年が、不機嫌そうに禁書目録を睨みつけていた。


505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:05:09.80 ID:MzeoojGS0

Side インデックス


まずいまずいまずいまずい拙いんだよ!?


上条「なんかスゲー騒ぎが起きてるし、俺に認識できないって時点で怪しいと思ったんだが……ここか」


ああっ、そこは!?

とうまが無造作に右手を振るった瞬間、パキーンとガラスが砕けたような音と共に悪夢は霧散した。


◇ ◇ ◇ ◇


浜面「白井っ! あっちに二人逃げ遅れた人がいる。すぐにテレポートで……って、はあ!?」

黒子「了解ですの! ……あら?」

御坂妹「壊れていた街並みが元通りに……とミサカはキツネにつままれたような心境で立ち尽くします」

初春『白井さん! 先程搬送した病院から、突然ケガ人が完治したって連絡があったんですけど、何が起きてるんですか!?』

黒子「そんな馬鹿な!?」

浜面「……よくわかんねぇけど、一先ず休憩にしようぜ。もうクタクタだ」ヘナヘナ

初春『……そうですね。詳しい状況はこちらで整理しておきます。みなさん、お疲れ様でした』

浜面「あんたもナビお疲れ。お陰でスムーズに動けたよ」

初春『い、いえ……その、風紀委員として当然のコトをしたまでです///』


◇ ◇ ◇ ◇


禁書「せっかく編んだ『黄衣の王』の術式が消えてゆく……ううっ、もう少しで便利な駒が手に入ったというのにィィ!!」プンスカ

上条「やっぱりテメェの仕業だったのか」ジトー

禁書「どーして睨むのかな! わ、わたしは別に悪い事はしてないもん! ちょこっと恐ろしい幻覚を魅せただけだもん!」

上条「ババアがもん言うな、キモチわりー」

禁書「ひどっ!?」

上条「ったく、手の込んだ嫌がらせしやがって。この老害が」

禁書「老害っ!?」ガビーン


506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:06:37.60 ID:MzeoojGS0

禁書「今のは聞き捨てならないかも! 全ては私と とうまの理想郷を作るためなのに!」プンプン


上条「大丈夫ですか?」

闇咲「あ、ああ」

上条「気の毒に……あの屑シスターに酷い事されたんでしょう?」


禁書「私を無視しないで欲しいんだよ!」ガァァ

上条「オイコラ、この人にどんな迷惑をかけたんだ?」

禁書「フン、呪いを受けた想い人を盾に大人の交渉をしただけだよ」プイッ

上条「本当にすみません。コイツ、人の心を弄んでほくそ笑む真性のクズなんです。悪気しか無かったんです」ペコペコ

闇咲「いや、先に仕掛けたのは私のほうなんだが」

上条「いえいえ、このボンクラシスターが悪いに決まってるんです。件の呪いは私が責任を持って解呪しますので、ここは一つ穏便に」ペコペコ

闇咲「その様なことが可能なのか!?」

上条「Yes,I can」キリッ


禁書「まったく、とうまは何も分かってないんだよ。慈悲深い私が分別なく魔術を使うわけ無いのに」クドクド


上条「では早速呪いを解きに行きましょう」スタスタ

闇咲「……ああ!」スタスタ


禁書「さっきの大規模魔術だって、精神障害が残らないように工夫した素晴らしい――」クドクド


507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:07:59.63 ID:MzeoojGS0

数時間後


禁書「――というわけなんだよ。ふっふーん、このインデックスの深慮遠望を少しは理解できたかな?」ドヤッ


シーン……


禁書「…………」シュン!



◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 窓のないビル――


ローラ『イギリス清教を滅ぼすとは何事なのかしら?』

アレイ☆「言葉通りさ」

ローラ『禁書目録が原因らしいけど、こちらは何も関知していなしよ』

アレイ☆「よくもまあ抜け抜けと。あのバケモノこそが、君たち十字教の最終兵器なのだろう?」

ローラ『……は?』

アレイ☆「実際大したものだよ。この私を僅かにでも恐怖させたのだから」

ローラ『……ついにボケたのかしら。アレは食いしん坊なだけの子供……え、禁書目録? どうしてここに』

アレイ☆「!?ッ」ビクッ


508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:11:09.89 ID:MzeoojGS0

イギリス 最大主教の執務室――


禁書「ごきげんよう、ローラ=スチュワート」ニコッ

ローラ「え、ええ。ごきげんよう」

禁書「今日はお願いがあって来たんだよ」

ローラ「何かしら?」ハテ?

禁書「イギリス清教をちょうだい」

ローラ「え?」

禁書「聞こえなかったのかな? イギリス清教の全てを貰い受けに来たと言ったのだけど」ドドドド

ローラ「ひっ!?」ビクッ

禁書「返事はハイかイエスの二択だよ」ニッコリ

ローラ「わわわ、私を恫喝するつもり!? そ、そそっ、相応の覚悟は出来とろうかしらー!?」ガクブル

禁書「フフ、こんなに怯えちゃって♪」クスクス

ローラ「わわっ私が怯えてる? そんなの有り得なきにつきー!?」ビクビク

禁書「そう、なら遠慮は要らないね。今日の私はすこぶる機嫌が悪いんだよ」

ローラ「ちょ、近寄らないでっ!! アレイスター! これは一体…」チラッ


アレイ☆『――只今、この回線は使われておりません。番号をご確認の上、もう一度お掛け直し下さい』


ローラ「取って付けたみたいに現実逃避しないでぇぇーーーー!?」ガビーン

禁書「貴女にはまだ利用価値があるから駒として使ってあげる。ただし……」スッ

ローラ「な、なに!? うら若き乙女たる私に、何をするつもり!?」

禁書「蝙蝠の羽を触媒にする強制魔術。もし裏切ればヒキガエルになっちゃうから気を付けてね♪」

ローラ「ヒキガエル!?」


禁書「キー・オーブ・プラタ・ロー 蝙蝠の羽より来たれ 夜魔の王 我が爪に宿り 契約の効力となれ 青爪邪核呪詛(アキューズド)」ポワァァ


ローラ「きゃあーー!! つ、爪が……爪が真っ青にーーー!?」ウゾゾゾ

禁書「嘘を吐いたり裏切ったりすると、爪の色が青から紫、そして赤に変色していくんだよ。もし真っ赤に染まったら……」

ローラ「いやああああああ!!! 聞きたくなし、聞きたくなしぃぃ!?」イヤイヤ

禁書「逆らわない限りは安全かも。ヒキガエルが嫌なら忠勤するんだよ」ニッコリ


テッテレー


ローラ=スチュワート率いるイギリス清教が滅亡した!

ローラ=スチュワートはインデックスの傀儡に成り下がってしまった!!


509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:13:47.53 ID:MzeoojGS0

第七学区 窓のないビル――


アレイ☆「…………」

土御門「や、やりやがった……。あの女狐が抵抗も出来ずに支配下におかれるとは」

アレイ☆「土御門」

土御門「なんだ?」

アレイ☆「スパイの任を解く。代わりに学園都市中のコウモリを狩り尽くせ。外部からも持ち込ませないように警戒を厳にするんだ」

土御門「……流石の貴様もヒキガエルは嫌か?」

アレイ☆「嫌に決まっているだろう!? あのバケモノの表情を見たか? あれは嬉々としてカエルを爆竹で爆破する残酷な子供の顔だったぞ!?」ガクブル

土御門「俺だったら二番煎じは楽しくないから、貴様をハエにでも変えてヒキガエルに喰わせるけどにゃー」シレッ

アレイ☆「!?!?」ギョッ

土御門「さっきの様子じゃ貯め込んだ魔術書を自由に使いこなせるようだし、もっと愉快な処刑法もありそうですたい」ケラケラ

アレイ☆「……ならば、殺られる前に殺るしかない」

土御門「ほう」

アレイ☆「順次ロールアウト予定だったファイブオーバーシリーズを前倒し、グループ及びアンチスキルの強化を図る」

土御門「ファイブオーバー?」

アレイ☆「機械的にレベル5の性能を超越するプロジェクトだ。限定的ではあるが、オリジナルを上回る兵器を既にいくつか仕上げている」

土御門「そりゃスゴイ。だが通用するのか?」

アレイ☆「足止め程度の役には立つだろう」

土御門「なんとも心許ないこって」

アレイ☆「それでも打てる手は全て打つべきだ。例え可能性が低くとも妥協はしない」

土御門「アレイスター、お前……」

アレイ☆「私はまだ死にたくないのだ。生き残る為なら手段を選ばん!」キリッ

土御門「あっそ」


土御門「ハァ、なんにせよ二重スパイは廃業かにゃー?」


510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:14:58.55 ID:MzeoojGS0

グループのアジト――


美琴「ふぅ、結局今日も色々と忙しかったわねぇ」

浜面「こっちも肩透かしっつーか、良く分かんねえ事件だったぜ」ヘトヘト

御坂妹「むしろ人的、物的被害がゼロだった事を喜びましょう、とミサカはあの惨事が幻であった事に安堵します」ホッ

浜面「……だな」ウン


打ち止め「まだかなー♪ 早く帰ってこないかなー♪ ってミサカはミサカはあの人の帰りを待ち切れなかったり」ルンルン

美琴「ゲコ太なら私が直してあげよっか?」

打ち止め「ううん、あの人と約束してるから大丈夫だよ、ってミサカはミサカはお姉さまの好意をやんわり断ってみる」

美琴「あはは、そっか。それじゃあ私は、そろそろ寮に帰るとしますか」

打ち止め「えーっ! ここで暮らせばいいのに、ってミサカはミサカは両足をバタバタさせて不満を露わにしてみたり!」パタパタ

美琴「う~ん、木原さんに相談すれば何とかなるのかなぁ」

ガチャ

上条「ただいまー」


打ち止め「わぁーい♪ お帰りなさーい、ってミサカはミサカは嬉しさの余り体当たりを敢行してみたりーっ!!」ピョーン

上条「おっと」

美琴「おかえりなさい、案外早かったわね」

上条「打ち止めと約束してたからな。マッハで呪いを解いて、術者をぶっ飛ばしてきましたよ」

打ち止め「疲れてない? ってミサカはミサカは多忙なあなたを心配してみる」

上条「これこれ、年寄り扱いするものではありませんぞ」ニコニコ

美琴「ていうか、アンタに裁縫なんて出来るの?」

上条「ほっほ、亀の甲より年の功。どれ、ゲコ太だって」

チクチクチクチクチクチクチクチクチクチク!!!

美琴「はやっ!?」ガビーン

上条「ほれこの通り」


ゲコ太『』パンパカパーン!


電磁止め「「ゲコ太~~♪」」パァァ


511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:15:44.99 ID:MzeoojGS0

浜面「無駄に器用だな」

上条「イギリスには何でも自分で修理する文化があるからな。自然と何でも出来るようになるんだよ」

浜面「へぇ~……って、イギリスに住んでたの!?」

上条「……昔ちょっとな、とカミジョーは暗い過去を匂わせます」

御坂妹「真似しないでください、とミサカはマネっこを注意します」メッ

上条「はいはい、んじゃ上条さんは御坂を送りに行きますかね」

美琴「へっ?」キョトン

上条「別にいいとか言うなよ。今日一日エスコートさせてくれるんだろ?」

美琴「あ、うん……///」テレテレ


浜面「照れてる照れてる」ニヤニヤ

御坂妹「ですが意外に素直です、とミサカは分析しました」ニヤニヤ

打ち止め「青春どすなぁ♪ ってミサカはミサカはニヤニヤ生温かく見守ってみたり」ニヤニヤ


美琴「こっち見んなっ!!///」ガァァ


512: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:17:17.71 ID:MzeoojGS0

第七学区 常盤台中学 学生寮付近――


上条「明日から新学期か~」

美琴「正直、仕事と学校の両立って厳しいわよね」

上条「それでもやるしかないだろ。借金は待ってくれないし」

美琴「そこだけ聞くと、夢も希望もないわね」クスッ

上条「たしかに……つーか夢?」ハテ?

美琴「何か夢があるの?」

上条「……(そうだよ夢だよ! 念願の脱☆童貞はどうしたよ!?)」ガーン

美琴「まあアンタなら大抵の夢なんて簡単に叶えちゃうんでしょうけど」

上条「……(待て待て、焦らぬ事が肝要よ。急ぎすぎて地雷を踏みましたじゃ目も当てられない。それに……)」チラッ

美琴「でもさ、もし私の力が必要なら遠慮なんか要らないからね」

上条「……(御坂美琴とその周りの世界を守る。白い悪魔からは特に念入りに!)」

美琴「ふ、深い意味はないのよ。ただアンタには借りがあるっていうか、なんていうか……だから夢があるなら手伝ってもいいというか……///」ゴニョゴニョ

上条「御坂、聞いてくれ」キリッ

美琴「な、なによ……///」

上条「俺は――」

ガシッ!!

寮監「貴様ら、寮の眼前で何をしている?」ヌゥゥ

上条「――へ?」

美琴「寮監っ!?」


513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:18:53.01 ID:MzeoojGS0

寮監「いかんなぁ御坂ァ。よもや異性不純交遊とは」

美琴「ちち違いますってば!///」カァァ

寮監「私情を挟むつもりはないが感心せん。毛ほども羨ましくないが、これは見逃せない」メキメキ!

上条「ぎゃああーー!! 折れる折れるぅ!?」ミシミシ

寮監「軽く肩を摘まんだだけで悲鳴を上げるとは情けない」

上条「お、お嬢さん? 何をそんなにお怒りなのでせうか?」ギギギ

寮監「…………」ピタ

上条「何か誤解があるようですが、一先ず怒りを納めていただけませんでしょうか。せっかくの可愛いお顔が台無しですのことよ」

美琴「そ、そうですよ! 異性不純交遊だなんて誤解です!///」アセアセ

寮監「……御坂」ニコッ

美琴「はひっ!?」ゾクッ

寮監「こちらの紳士とはどういった関係だ?」

美琴「えっと、アンチスキルの同僚ですけど」オズオズ

上条「上条当麻と申します。以後、お見知りおきを」ペコリ

寮監「そうか……ふふふ、そうか」ニタァァ


上琴「「!?ッ」」ゾクゾク


寮監「上条君、時間は大丈夫だろうか? いやなに、一寮監として御坂の仕事ぶりを聞きたくてね……うふっ」

上条「そ、それは構いませんが」チラッ

美琴「寮監! もうすぐ門限だし、点呼とかあるじゃないですか!」アセアセ

寮監「悪いな御坂。一期一会、私にはこの出会いを無駄にする余裕など無いのだよ」キラーン

美琴「な、何考えてんだあんたーーー!?」ガビーン


黒子「ハァ、夏休み最後の日でしたのに一日中仕事だったなんて不幸……はて? 寮の前が騒がしいですわね」テクテク


514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/20(土) 01:21:03.83 ID:MzeoojGS0

寮監「白井、良い所に帰ってきた。御坂を寮の中へ連れ帰っておいてくれないか?」

黒子「寮監にお姉さま?」ハテ?

美琴「黒子待って! ええっと、こんな時はどうすれば……」オロオロ

上条「さ、三人とも寮に帰ったらどうですかね。こんな夜中だとほら、女性には危険ですよ」アセアセ

美琴「アンタも待ちなさいよ! 肝心な話、まだ聞いてないのに……///」ゴニョゴニョ

黒子「ッ、まさかこの殿方……クッ、お姉さま、失礼しますの!」

美琴「くろ…」シュン!


上条「ゲッ、テレポート!?」

寮監「ふむ、寮の敷地内での能力使用は規則に反するが、今回だけは大目に見てやろう」ウン

上条「無事御坂を送り届けたし、上条さんも失礼しますね。いやー、夏休みの宿題は終わってたっけなー」ボーヨミ

寮監「何処へ行こうというのかね?」ニコッ

上条「お、お家に帰ろうかと」

寮監「ただお話しするだけでは味気ないな。一緒に食事などどうだろう?」

上条「えっ」

寮監「では私の行きつけの店に案内しよう。夜は長いんだ、たっぷりオハナシを聞かせてくれ」グイグイ

上条「あ、あのぅ、お話ならここでも……って力強っ!? ちょっ、引きずらないでーっ!?」ズルズル



この後、明け方まで連れまわされた上条さんは、すっかり寮監に気に入られてしまったという……。


546: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:42:41.22 ID:osW6qZnZ0

◆◆◆◆

上条&インデックスが結婚して数年後……


上条「天下泰平、世は事も無し。平和ですねぇ」

牧師「上条神父! こちらにお出ででしたか」タッタッタ

上条「そんなに慌ててどうしたんだ?」

牧師「聖女インデックスの暴走を止めてください! 私では最早どうにも……」

上条「今度は何を仕出かしたんだよ。宮殿でもぶっ壊したのか? それとも第二王女と結託して戦争の準備でも始めたか?」

牧師「いいえ、学園都市の御坂理事に刺客を差し向けました」

上条「ぶふぅーーーーっ!!! げほっ、げほっ、な、何だって!?」ガビーン

牧師「法皇級の使い手のみで編成された精鋭部隊です。いかに学園都市の科学力とはいえ、御坂理事を守りきれるとは思えません」フルフル

上条「……あんのバカタレ、何を考えてやがる」

牧師「十字教内で聖女インデックスに意見できるのは上条神父だけです。すぐに説得を」

上条「そんなもんに応じるタマかよ。足を用意しろ、直接学園都市に乗り込んで御坂を守るぞ」

牧師「は、はいっ」タッタッタ


上条「あ、ついでに頼まれてたイギリス限定のゲコ太キーホルダーも持ってくか」


禁書「……とうまぁ、何処に行くつもりなのかな?」ユラァ

上条「げっ、インデックス!?」

禁書「私という妻がありながら、性懲りも無く短髪を助けに行くんだね」ドドドド

上条「当たり前だろうが! つーか何でお前と結婚したのかよく思い出せないんですけど!?」

禁書「……おかしいな、暗示が解けかかってるのかな?」ボソッ

上条「暗示ってなんだよ!?」

禁書「んー、しあわせの呪文なんだよ」

上条「意味わかんねーよ! クソっ、ともかく御坂を助けに行かないと」


勝利条件:白い悪魔の撃破、もしくは御坂暗殺部隊の全滅

敗北条件:上条当麻の死亡、および御坂美琴の死亡


上条「なんて無理ゲー!?」

禁書「短髪のところへなんて行かせないよ。――黄昏より暗きもの 血の流れより赤きもの」ブツブツ

上条「コイツ本気で殺す気だ!? ま、負けてたまるかあああーーーーー!!!」


◆◆◆◆

547: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:44:12.40 ID:osW6qZnZ0

九月一日

グループのアジト――


上条「――んあ?」

御坂妹「おや、目が覚めましたか、とミサカは眠気眼なあなたにクスリと笑いかけます」ニヘラ

上条「ふあ~……おはよう御坂妹」

御坂妹「顔色が優れませんが平気ですか? とミサカは心配してみます」

上条「心配してくれてサンキュな。昔の夢を見てへこんだだけだから。それはそうと今何時だ?」

御坂妹「午前十時です、とミサカは即答します」

上条「えっ、十時ぃぃ!?」ガビーン

御坂妹「はい」

上条「遅刻だ遅刻! 新学期早々から遅刻だなんて不幸だーーー!!!」


◇ ◇ ◇ ◇


上条「いってきますっ!!」ダダダダダッ


浜面「いってらー、って速っ!?」

御坂妹「ではミサカたちもお仕事を始めましょう、とミサカは月初めなので気を引き締めます」

浜面「まだ午前中でどこも人が少ないだろうし、昼までは訓練に当てるか」

御坂妹「…………」ジー

浜面「なんだ?」

御坂妹「不真面目キャラがマジメになるのは死亡フラ…」

浜面「言わせねーよ!?」


548: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:45:34.08 ID:osW6qZnZ0

浜面「ったく、縁起でもないんだよ」

御坂妹「……ミサカは同僚に死んで欲しくないだけなのに、とミサカは誤解されている事にショックを覚えます」

浜面「えっ、そうなの?」

御坂妹「はい、おそらく……たぶん……きっと…………めいびー?」ハテ?

浜面「どっちなんだよ!?」

御坂妹「ミサカには『感情(人のキモチ)』というモノを理解するのに『経験(データ)』が不足しています」

浜面「は、なんだよ突然」

御坂妹「嬉しい、楽しい、悲しい、言葉では理解出来ても実感としては、まだ曖昧にしか把握出来ないのです」

浜面「そういうもんか?」

御坂妹「ですから経験を積み、より深く学習する必要があります、とミサカは懇切丁寧に説明しました」

浜面「で、結局何が言いたいんだ?」

御坂妹「…………」ビリビリ

浜面「お、おい! どうしてビリビリしてんの!?」

御坂妹「お姉さまのマネですが、とミサカは試しに電撃を放ってみます」ビリッ

浜面「のわああっ!?」ヒラリ

御坂妹「むっ、避けましたね」

浜面「避けるに決まってるだろ! つーかよく回避できたな俺!?」

御坂妹「お姉さまはとても楽しそうに あの人へ電撃を浴びせていました、とミサカは姉の経験をトレースし経験値を得ようと画策します」

浜面「あれは大将だから受け止められるんだからね!?」

御坂妹「ヘイ、かかってきなベイビー、とミサカはおもむろに挑発しつつ訓練の開始を告げます」ビリビリ

浜面「ッ、上等だっ!!」


549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:46:33.30 ID:osW6qZnZ0

三十分後――


浜面「」プスプス

御坂妹「ハァ、ハァ……ミサカをここまで手こずらせるとは、とミサカは同僚の意外な粘りを称賛します」

浜面「ク、クソ、遠距離からビリビリしやがって」

御坂妹「お姉さまに比べれば可愛いものでしょう、とミサカは威力不足な能力に不満を零します」

浜面「比べる対象がおかしいだろうが! 無能力者からしたらお前のビリビリも脅威なんだよ!?」ギャース

御坂妹「その割に上手く回避していましたが」

浜面「大将と御坂のじゃれ合いを見てたからな。避けるだけなら俺にも出来るさ」

御坂妹「……劣化しているとはいえ、普通の身体能力では視認すら不可能なのに、とミサカは同僚の非凡さに呆れます」ヤレヤレ

浜面「一応鍛えてるし?」ドヤッ

Prrr Prrr

浜面「お、仕事か? ――はい、こちら特務支援課の浜面」pi

木原『第七学区 駅前に侵入者だ。特徴は金髪ゴスロリ、以上さっさと捕獲なりぶっ殺すなり対応しろ』pi

浜面「……ゴスロリ?」


550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:47:45.55 ID:osW6qZnZ0

CASE 11 通常営業日、なお多忙につき学芸都市へは行けない模様


第七学区 駅前――


黒子「まったく、簡単に侵入を許すだなんて、学園都市の警備はどうなっているのやら」

初春『私にぼやかないでくださいよ』

黒子「しかも写真を見る限り、侵入者は変態。残暑の厳しい中、よりにも寄ってゴスロリだなんて信じられませんの」

初春『ですねぇ。悪目立ちするだけなのに』

黒子「言ってる傍から容疑者を発見しましたの」


シェリー「…………」


初春『すぐに警備員に連絡します。白井さんは現状待機で…』

黒子「なんでも侵入を許した際、アンチスキルは負傷者を出したそうですし、任せてはおけませんわね」ニヤリ

初春『し、白井さん!?』

黒子「お姉さまを図に乗らせるわけにはいきませんのよ。子供の遊びではありませんのに」

初春『浜面さん、初春です! 白井さんが図に乗っているので、至急応援をお願いします!!』

黒子「チッ、余計な真似を」ポン!


シュルシュル……ドーーン!!!


通行人A「ッ!? 避難命令だ!」

通行人B「に、逃げろーーー!!」


黒子「時間が惜しいので、手早く拘束させてもらいますわよ」

シェリー「……探索中止。手間かけさせやがって」ボソッ


552: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:49:26.41 ID:osW6qZnZ0

学園都市 某所――


禁書「フフフ、早速火種が暴れまわっているみたいだね」

ローラ『あ、ああ……今まで築いてきた信用が崩れてしまうなんて……』ヨヨヨ

禁書「いずれ壊すような信用は、今の内に壊しておくに限るんだよ。後腐れないし」

ローラ『そうは言っても…』

禁書「なに? もしかして文句でもあるのかな?」ニッコリ

ローラ『そそっ、そんなつもりは、って、きゃああーーー!!! 爪が、爪がぁぁーーー!?』ウゾゾゾ

禁書「ヒッキガエル♪ ヒッキガエル♪」

ローラ『文句でなし! 文句でなしにつきー!? わ、私はイギリス清教の未来を憂いているだけなのにぃぃ……』グッスン

禁書「それこそ余計な心配だよ。十字教なんて私には価値のない。ううん、むしろ害悪そのものなのだから」クスッ

ローラ『えっ』

禁書「まあ今は争いの種を撒く時期かも。とうまの存在を魔術世界に知らしめて、学園都市を巨大なアリ地獄に仕立てるんだよ」

アウ「ジーク・ライヒ! ジーク・アークビショップ・インデックス!!」キリッ

禁書「世界を我が手に! あははは、アーッハッハッハ」


アレイ☆「……(ううっ、これ見よがしに私の前で陰謀を巡らせるなんて……)」ガクブル


禁書「あ、そうだ」チラッ

アレイ☆「ッ!」ビクッ

禁書「ひょうかを利用したら即救済だからね」ニッコリ

アレイ☆「な、なんの事やら分からないが……」

禁書「虚数学区 五行機関だっけ? あれはクールビューティーたちにも多大な負荷がかかるし、とうまも黙っていないと思うけど」

アレイ☆「……(うん、止めよう。この状況で幻想殺しまで敵に回せば確実に詰んでしまう。生き残ることを最優先に考えるべきだ)」



553: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:51:31.10 ID:osW6qZnZ0

第七学区 駅前――


黒子「容疑者、と申しましてもカメラで貴女の蛮行は確認済みですの」シュン!

シェリー「!?」

黒子「ですので少々荒っぽく行きますわよ!」シュン!

カカカカカカカ!!!

シェリー「…………」

黒子「その金属矢は簡単には外れませんので悪しからず。しかし初春も心配性ですわね、存外楽勝…」

シェリー「…………」カカッ

ガシッ

黒子「…痛っ!?」


エリス『』ゴゴゴゴ


黒子「じ、地面から手が!? まさか、あの女……!」

シェリー「…………」ニヤリ

黒子「ッ!!(まずいですの……ッ、痛みで上手く演算できないなんて!)」ズキッ

シェリー「マヌケ、そのまま潰れちまえ」

エリス『』ブゥゥーーン!!

黒子「あ……」


グチャリ


554: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:54:06.56 ID:osW6qZnZ0

浜面「なんかスゲー音が聞こえたけど、魔術師が暴れてんのか?」タッタッタ

御坂妹「ッ! 金髪ゴスロリを視認しました、とミサカは戦闘態勢に移行します」タッタッタ

浜面「ああっ!! あれは!」


シェリー「チッ、殺りそこねたか」

エリス『』

上条「ふぅ、間一髪だな」ヒョイ

黒子「い、生きてる……?」ヒメダッコ


浜面「不機嫌なゴスロリに馬鹿デカイ土くれの腕! その傍で白井をお姫様だっこしてる大将!! わからん、どんな状況なんだ!?」ガビーン

御坂妹「さあ?」


上条「立てるか?」

黒子「と、当然ですの! というかさっさと下ろしなさい!!」ガァァ

上条「はいはい」

シェリー「面倒な能力者を殺すチャンスを邪魔しやがって。……ん、そのツラは」

上条「アンチスキル特務支援課の上条だ。あんたにゃ悪いが借金返済の糧に…」

シェリー「そうだ! 噂で聞いた『尻から怪光線』の上条当麻だなお前っ!!」ビシッ

上条「は…………はああああああああああっ!?」ガビーン

黒子「え……お尻からビームを出しますの?」ザザッ

上条「根も葉もない中傷だから! お願いだから引かないでっ!?」


浜面「マジかよ、大将に限ってそんな……」ヒソヒソ

御坂妹「ですが彼ならやりかない、とミサカは……」ヒソヒソ


上条「ぎゃああーーー!!! 上条さんの評判がマッハで急降下してるーーー!?」ギャース


555: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:57:06.63 ID:osW6qZnZ0

シェリー「代償に切れ痔を患ったと聞いていたが、もう完治していたのか」

上条「これ以上ウソを拡散させないでーーっ!?」

シェリー「うるせぇ野郎だ。邪魔するんならまずは お前からだ。エリスっ!!」カカッ


エリス『』ウゴゴゴ


黒子「腕だけではなく、巨大な人型に!?」

浜面「俺の電撃の火傷の痛みも忘れてしまうほどの戦慄ッ!! 大将の168cmのカラダが小さく見えるほどのビッグゴーレムッ!?」

浜面「得体のしれないゴスロリッ! それにあの凶悪な面構えッ! 何かを秘めている……元スキルアウトだった俺には、その圧倒的なナニかを感じるっ!!」

御坂妹「…………」

浜面「ああっ!? ゴーレムの剛腕が大将に振り下ろされた! 避けろ大将、避けるんだぁぁーーーー!!!」

黒子「…………」

浜面「なんてこった! 無慈悲な一撃で大将がぺちゃんこに……なってねえ!? スゲー、逆にあのビッグゴーレムを持ちあげて投げ飛ばしたーーっ!!」

御坂妹「…………」

浜面「よっしゃあー! ゴスロリ女のヤツ、茫然として隙だらけだ。大将、一気に決めちまえ!!」

黒子「…………」

浜面「決まったぁぁーー!! 大将の鉄拳がゴスロリ女の顔面にめり込んだーー!! さすが大将、女だろうが容赦なしだぜ!」イヤッホゥ!!


御坂妹「ミサカたちは何をしにこの場に来たのでしょう? とミサカは自身の存在意義に疑問を投げかけます」

黒子「……わたくしに聞かないでくださいまし」ゲンナリ


556: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 19:59:27.38 ID:osW6qZnZ0

グループのアジト――


打ち止め「おかえりなさーい、ってミサカはミサカはお出迎え!」


浜面「ただいま。あー、喉がイガイガする」

御坂妹「あれだけ叫べば当然です、とミサカは呆れながらのど飴を差し出します」スッ

浜面「気が利くな。はむっ……ん? 何だコレ……ゴムみたいな味が、うぷっ、オエーーーーー!?!?」オロロロ

御坂妹「これがサルミアッキの威力……とミサカは通販で買った世界一不味いアメのパワーに戦慄します」ゴクリ

浜面「死ぬっ!? 圧倒的不味さが口全体に広がっていくぅぅーーーーー!?」


打ち止め「うわぁー、ってミサカはミサカは下位個体のイタズラに呆れかえってみたり」

美琴「なにやってんのよ」ヤレヤレ

御坂妹「お姉さま、今日のお昼ご飯は何ですか? とミサカは期待に胸を高鳴らせつつ問いかけます」

美琴「きのこのパスタとサラダよ。もう出来てるから、早く手洗いとうがいをしてきなさい」

御坂妹「はい、とミサカは洗面所に全力で駆けこみます」ダダダダッ

打ち止め「あっ、ミサカもー! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」テッテッテ

美琴「あはは、食いしん坊なんだから。……ん?」チラッ


上条「ちくしょう……年寄りの傷つき易い心をズタズタにしやがって……」メソメソ

浜面「水っ! 誰か水をくれぇぇーーーー!?」ジタバタ

上条「白い悪魔め……次に会ったら覚えてろよ」グッスン

美琴「よく分かんないけど、元気出しなさいよ。午後の仕事は休んでいいからさ」ヨシヨシ

上条「御坂は優しいなぁ……」ホロリ


浜面「み、みず……」ガクガク

御坂妹「飲み物です、とミサカは救いの手(洗いたて)を差し伸べます」スッ

浜面「ありがてぇ! ……うん? な、なんだよ……このサロンパスみたいな風味は、てか不味っ!?」ゴクゴク

御坂妹「これが世界一不味いコーラ、SARSI…」

浜面「俺で実験するんじゃねぇぇーーっ!?」ガビーン


557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/27(土) 20:02:30.59 ID:osW6qZnZ0

翌日 九月二日


第七学区 通学路――


土御門「今日も遊びまくったぜよ」

一方通行「ゲーセンってのは楽しいもンなンだな」

土御門「フツーの学生生活は楽しい事ばかりだにゃー。明日は吹寄たちも誘ってカラオケに行こうぜい?」

一方通行「あ」

土御門「どうしたスズやん? 学校に忘れ物でもしたのかにゃー」ハテ?

一方通行「猫缶買って帰らねェと。多少高くつくが、そこのコンビニで買ってくか」キョロキョロ

土御門「スフィンクスだっけ?」

一方通行「ちゃンをつけろよグラサン野郎っ!!」クワッ

土御門「はいはい、待っててやるから買って来い」ケラケラ

一方通行「チッ」


■■「あの人なら。貸してくれるような気がする……」ジー


◇ ◇ ◇ ◇


コンビニ――


店員「らっしゃーせー」


一方通行「……(カツオ味にササミ味にマグロ味。クカカ、やっぱ猫缶はモンプチだぜェ!!)」ヒョイヒョイ

■■「…………」ジー

一方通行「……(またたびボールなンて置いてやがる。これも買ってくかァ)」ヒョイ

■■「…………」ジー

一方通行「……(ついでに俺のメシも買うか。この最安値のカップ麺で十分だな)」ヒョイ

■■「…………」ジー


一方通行「つゥか刺すような視線を感じるンですけどォ?」チラッ

姫神「モノレール代を貸して欲しい」

一方通行「……誰だオマエ?」


645: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 23:53:49.56 ID:HtBEd6cz0

学園都市 窓のないビル――


学園都市の最奥で、今日も陰謀を巡らせる白いシスターは、特盛り牛丼を貪りながら部下の報告を聞いていた。


禁書「ふーん、『法の書』の解読をねぇ」

ローラ『信じ難きことなれども、オルソラ=アクィナスが解読に成功したとローマ正教は判断しているのよ』

アウ「騒然!? あれは誰にも解読できないはず!」

禁書「やって出来ない事なんてないんだよ。でも、それと正しい答えに辿りつけるかどうかは別だけどね」クスッ

ローラ『ミスリードはつきものにつきよね』

禁書「フフ、あれは十字教徒には荷が勝ちすぎてるかも。ねぇ、背教者?」


アレイ☆「さ、さあどうだろうか。私は歯牙ない科学者なのでね」アセアセ


禁書「あなたは知っているでしょう? 十字教がその成り立ちから欺瞞に満ちているって」


アレイ☆「…………」


ローラ『欺瞞?』ハテ?

禁書「そう欺瞞なんだよ。まあそれは横に置いておいて、件のシスターオルソラについて不都合が生じたのでしょう?」

ローラ『ええ。法の書ごと天草式十字凄教の面々にさらわれたるのよ』

禁書「下らないブラフだね。本当に法の書を奪われたなら、そもそもイギリス清教に情報が降りるはずがないんだよ」

アウ「当然、面子に関わるからな」ウン

禁書「つまり奪われたのはシスターオルソラのみ。差し向けられる戦力も切り捨てられる程度のものかも」

ローラ『それでも問題はありけるわ。天草式の危機となれば神裂火織が動く』

禁書「そしてローマ正教の追手を一網打尽、ね。確かに問題かも。……いっそ学園都市に引きずり込んでみようかな?」


アレイ☆「……(どこか田舎へ引っ越したい……)」


住処を占拠された哀れな超越者は、今日も健気に胃痛と戦っていた。


646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 23:55:27.75 ID:HtBEd6cz0

CASE 12 オルソラ争奪戦かと思ったら、ただの組織間抗争だったでゴザルの巻


九月八日

学園都市 第七学区――


強盗「うう……」パタリ


浜面「やれやれ、何とか片付いたな」

御坂妹「状況終了、とミサカは報告を済ませます」

初春『お疲れさまです。もうすぐ逮捕者を引き取る人員が到着するのでよろしくお願いします』

浜面「おう」

御坂妹「……到着したようです、とミサカはあからさまに顔をしかめます」


黒子「ジャッジメントですの!」シュン!


浜面「人員って白井だったのか」

黒子「へっ?」ハテ?

初春『強盗は特務支援課が取り押さえたので、白井さんは犯人の回収をお願いしますね』シレッ

黒子「……初春、あなたは何をしていますの?」

初春『何って、風紀委員のお仕事に決まってるじゃないですか』

黒子「では何故アンチスキルのナビをしていますの!? わたくしのサポートをするのが筋でしょうに!」ガァァ

初春『考え方が古いです。組織間の連携を深めないと治安維持なんてできませんよ』

浜面「だよな、初春が情報をくれるおかげでスゲー仕事がしやすくなったし」ウン

初春『えへへ、少しでもお役に立てたなら嬉しいです……///』テレテレ


黒子「……魂胆みえみえですの」ゲンナリ


647: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 23:57:13.85 ID:HtBEd6cz0

黒子「ところでお姉さまのお姿が見えませんが、今日は非番ですの?」キョロキョロ

浜面「御坂なら大将とゲートに向かってるはずだ」

黒子「ゲート? ……ハッ、ま、まさか!?」ピシャーン!

浜面「な、なんだよ」

黒子「まさかあの類人猿と愛の逃避行を!? 身分違いの恋を成就させるために駆け落ちですのォォォーーーー!?」ギャース

御坂妹「…………」イラッ

浜面「……なに言ってんだコイツ?」

初春『気にしないでください。いつもの病気ですから』シレッ

黒子「お姉さまもお姉さまですの! あのような何処の馬の骨とも知れない類人猿などに心をお許しになるなんてッ!!」

御坂妹「……これ以上、あの人を侮辱するのは許しません、とミサカは静かな怒りに身を震わせます」イライラッ

浜面「み、御坂妹さん?」

黒子「キィィィィーーー!!! 許すまじ類人猿っ!! わたくしが正義の鉄槌を…」プンスカ

御坂妹「ッ!!」ブチッ

ビリビリッ!!

黒子「あばばばばばばば!?!?」シビビビ

浜面「白井!?」

黒子「あぁん……いつもの電撃よりマイルドです……の……」プスプス


御坂妹「おや、熱中症ですか、とミサカはあの人の悪口を言う風紀委員にさり気なく報復しました」シレッ

浜面「全然さり気なくないからね!? つかやりすぎだろ!」ガビーン


◇ ◇ ◇ ◇


学園都市 ゲート――


上条「アンチスキル特務支援課の上条です。修道服姿の不審者を捕まえたそうですが、面会できますか?」

守衛「そ、それが……」オロオロ


648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 23:59:13.92 ID:HtBEd6cz0

美琴「ええーっ、逃げられた!?」

守衛「……はい、少し目を離した隙に」

上条「監視カメラの映像を見せてもらっても?」

守衛「は、はい!」カタカタカタ


守衛がコンソールを操作すると、モニターに修道女が映し出された。


美琴「音声は無しか。でも黒い修道服……なんだ、白い悪魔じゃないっぽいわね」ホッ

上条「…………」

美琴「どーしたの? 難しい顔してるけど」

上条「このシスターどっかで……う~ん」ムムム

美琴「もしかして知り合い?」

上条「知り合いならイギリス式の修道服を着てるはずだけど、コイツはローマ式だからなぁ」

美琴「アンタ、まさか……」ジトー

上条「へ?」ハテ?

美琴「そんなに詳しいなんて、まさかシスターじゃないと興奮しない危ない人?」

上条「……むしろシスターなんて大嫌いなのですが。ある特定の悪魔のせいで完璧にトラウマなんですが」ガクブル

美琴「そ、そうなんだ」

上条「冗談はさておき、背格好は把握したんだ。さっさと侵入者を探しますか」


649: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:00:23.12 ID:xM/PXPSP0

第七学区――


一方通行「あちィィ……」グッタリ

土御門「まだまだ残暑が厳しいにゃー」

青ピ「暑いから女子が薄着になる! 残暑様々やでー」ニヤニヤ

一方通行「くっだらねェ」

土御門「にゃー、薄着なんてどうでもいいぜよ。重要なのはロリなんだにゃー」

青ピ「かぁー! スズやん枯れすぎや! 土御門クンもロリ以外に目をむけるべきやろ!」ガァァ


一方通行「女とかどォでもいいしィ」シレッ

土御門「ロリこそ真理、ロリこそ正義、ロリ以外なんてどうでもいいにゃー」シレッ


青ピ「……あかん、カミやんが居らんと締まらへん。まるで糸の切れた凧みたいや」ゲンナリ

土御門「ツッコミ不在の影響は深刻ですたい」ケラケラ

一方通行「…………」フラフラ

青ピ「ああ! スズやんがもう限界に達しとる!?」

土御門「モヤシから水分が抜けたら何も残らんぜよ」ケラケラ

一方通行「あちィ……だりィ……コーヒー飲みおぶッ!?」ボスッ


??「きゃっ!?」


650: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:01:30.95 ID:xM/PXPSP0

一方通行「もがっ、もがが!?(な、なンだァ!? 何かに挟まれて前が見えねェ!)」

モニュ、モニュ

??「そ、そのように動かれますと、くすぐったいのでございますよ」

ムニュムニュ

一方通行「ふごっ、ふごご!?(でも何だか気持ちが安らいできやがる……。さっきまでの不快な暑さとは違う……あったけェなァ)」

モミンモミン

??「あんっ、そのような場所を……///」カァァ

タユンタユン

一方通行「やンわらけェ……」ウットリ



青ピ「土御門君、あ、あれはなんなん?」ガクガク

土御門「うにゃーっ!? 天下の往来でスズやんが金髪美人シスターの胸に顔面を埋め、あまつさえ乳を揉みしだいてるぜーい!」ギャース

青ピ「そんなん見ればわかるわっ!! ボクが聞きたいんはどうリアクションするべきかっちゅうことや!」

土御門「嫉妬パワー全開で殴り飛ばせばいいぜよ」

青ピ「アホかっ!! そんなんしたらスズやん死んでまうわっ!!」ガァァ

土御門「じゃあ混ぜてもらえばいいにゃー」

青ピ「そ、それや! スズやん、ボクも混ぜ…」ハァハァ


??「も、もう……オイタはダメでございますよ///」シュッ

バシッ!!

青ピ「なんでボクだけ!?」バターン


土御門「残念でもないし当然の結果だにゃー」ヤレヤレ


651: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:03:34.94 ID:xM/PXPSP0

第七学区 とあるファミレス――


一方通行「――ぷはァ、生き返るぜ」ゴクゴク

青ピ「ブラックを一気飲みとか、スズやんは大人やなぁ」

土御門「騒がしくして済まないにゃー。オレは土御門元春、こっちの二人がスズやんに青髪ピアスだぜい」


オルソラ「まあまあ、これはご丁寧に。私はローマ正教のシスター、オルソラ=アクィナスでございます」


青ピ「ちょー待たんかい! なんやのその自己紹介! スズやんはともかく、ボクのは身体的特徴やろ!?」

一方通行「なら性格的特徴も加味して、変態青髪ピアス……なげェな、変態ピアスで十分だな」ウン

青ピ「より酷いやん!?」ガビーン

土御門「で、お前さんは何をしていたのかにゃー?」


オルソラ「はい?」ハテ?


土御門「いかにも本職のシスターさんが、学生ばっかの第七学区に居るってのは何か用事があったのかなぁ、と思ったんですたい」

一方通行「……(まさか白いシスターの仲間じゃねェだろうな……?)」

青ピ「ボクらに手伝えることなら遠慮はいりませんよ!? 何でも言ったってください!!」ハァハァ


オルソラ「うふふ、ブラックコーヒーは少々苦いのでございますよ」ニコニコ


青ピ「へ……?」

土御門「うん?」


オルソラ「ところで、ここは何処なのでございましょう?」ニコニコ


一方通行「会話が噛み合わねェ」ヤレヤレ


652: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:05:55.98 ID:xM/PXPSP0

三十分後


オルソラ「まあまあ、それではここは学園都市なのでございましたか」


土御門「……ようやく納得してもらえたぜい」グッタリ

一方通行「……時間操作の能力者かっての。この女の周りだけ時間の流れが遅ェ気がするぜ」ゲンナリ

青ピ「こないな美人さんとお喋りできるなんて、幸せやわぁ……」ウットリ

土御門「で、結局学園都市に何をしに来たのかにゃー? 観光なら案内してやれるぜよ」

青ピ「はいはーい! ボクらが丸っとメンドーみたりますよ!」


オルソラ「はぁ、私、実は追われているのでございます」


一方通行「追われてるだァ?」

青ピ「なんやて!? 女性を追い回すなんて許せんっ!!」

土御門「……(魔術絡みか? 一応問い合わせておくか)」


オルソラ「学園都市は教会勢力の及ばない土地だとお聞きしたのでございますが、少しの間 身を隠せる場所をご存じありませんでしょうか?」


一方通行「ンな都合の良い場所、あるわけ…」

青ピ「もちろんありますとも! 全部ボクにまかしてください!」ハァハァ

一方通行「嫌な予感しかしねェ……」


653: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:06:45.95 ID:xM/PXPSP0

とある学生寮 一方通行さンち――


オルソラ「ふふ、素敵なお部屋でございますね」ニコニコ

青ピ「自分の家やと思って使ったってください」ハァハァ


一方通行「ほォらね……」ゲンナリ

土御門「まあまあ、これはスズやんにもメリットのある話だぜい?」

一方通行「はァ?」

土御門「最近何かと物騒だ。なのに日中は学校がある、だからこそスフィンクスの世話をする人間が必要だと思わないかにゃー?」

一方通行「!?」


スフィンクス「にゃあ~♪」スリスリ

オルソラ「まあ、可愛らしい。まんまが欲しいのでございますか?」ニコニコ

スフィンクス「にゃお!」

青ピ「ええでええでぇ……美女と小猫、めっちゃ絵になるやん」ハァハァ


土御門「追手とやらはカミやんに問い合わせておくし、悪い話じゃないだろう?」ニヤリ

一方通行「チッ、勝手にしやがれ」プイッ


654: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:10:22.70 ID:xM/PXPSP0

第七学区 とある公園――


土御門『――てなわけで、オルソラ=アクィナスはスズやんちで保護してるぜよ』

上条「……ああっ! あのシスターってオルソラだったのか!?」ガビーン

土御門『知り合いかにゃー?』

上条「あー、直接の面識は無いけどな。……てことは追手はローマ正教か」

土御門『そっちは任せるぜよ。御存じだろうが、こっちは多角スパイを廃業しちまったんで身動きがとれんですたい』

上条「おう、任された。ククク、今日は何人魔術師を狩れるかなァ?」

土御門『こ、殺しは控えろよ。ローマ正教と全面戦争なんて冗談じゃねえ』

上条「はは、魔神クラスでもなけりゃ生捕りで済ませるさ」

土御門『……激しく不安だぜい』

上条「ま、出たトコ勝負だな。ほとぼりが冷めるまで、オルソラを頼むわ」

土御門『にゃー、オルソラが晩飯を作ってくれたみたいだから切るにゃー』pi


上条「……アイツらが美味しい晩飯を食べてるってのに、こっちは血生臭いドンパチだなんて……不幸だ」ガックリ


◇ ◇ ◇ ◇


美琴「どうだった?」

上条「例のシスターは白だった。学園都市に対して悪意のある魔術師じゃない」

美琴「よかった……ってのも変ね。借金が減らないし」クスッ

上条「そうでもないさ。シスターは呼び水で、おそらく団体さんがやって来る」

美琴「それって……」

上条「ああ、きっと大規模な戦闘になる。今回は浜面たちには荷が重すぎるかもしれないな」

美琴「ちょろっとー、私まで除け者にするなんて言わないわよね?」

上条「……御坂さんの場合はやり過ぎないかが心配です、はい」

美琴「し、失礼ね! 加減くらいするわよ! ………………たぶん」

上条「冗談だって」ケラケラ

美琴「もう……」

上条「ごめんな、初の共闘だから少し舞い上がってるのかもしんない」

美琴「フン、精々私の足を引っ張らないでよね」プイッ

上条「はいはい、そんじゃ気合い入れて行きますか!」


655: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:12:55.99 ID:xM/PXPSP0

学園都市 外周――


学園都市を隙間なく覆う外周、その外側に200名からなる武装した修道女の一団が居た。


アニェーゼ「やれやれ、ずいぶんと高い壁の向こうに逃げられちまったもんですね」

ルチア「ここが科学の、汚らわしい異教徒の巣窟……」

アンジェレネ「シ、シスター・アニェーゼ、本当に私たちだけで攻め込むのですか?」オロオロ

アニェーゼ「やるしかねぇでしょう。ここで成果を上げなければ、次に始末されるのはこっちなんですから」

アンジェレネ「で、でも……」

ルチア「覚悟を決めなさい、シスター・アンジェレネ」

アニェーゼ「……無駄話はここまでみたいですよ」チラッ


騎士A「我ら栄光ある連合王国の騎士なり」

騎士B「天草式十字凄教の殲滅、及び法の書の回収は我らが行う」

騎士C「貴様らの出る幕は無い。国へ帰られよ」


重厚な甲冑に身を包んだ騎士たちが、黄昏の中から整然と現れる。


アニェーゼ「田舎臭い騎士サマが遠路はるばるご苦労なことです。ご忠告痛み入りますが、こちらにも引けない理由がありますんで」

アンジェレネ「そ、そうです! これはローマ正教の問題であって、イギリス清教には関係ないじゃないですか!」


騎士D「所詮は水掛け論か。ならば実力でまかり通るッ!!」

騎士E「小娘共に、我ら『騎士派』の実力を見せつけてやれ!」


とある騎士の号令の下、数十人はいるだろう騎士たちが一斉に抜剣する。


アニェーゼ「恐れる事はありません。質も量もこちらが上、さっさと蹂躙してやりましょう」

ルチア「総員、戦闘準備っ!!」


蓮の杖、巨大な車輪など各々の武器を構えるアニェーゼ部隊。

極東の地で、十字教二大宗派の尖兵たちが激突する。


656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:16:09.80 ID:xM/PXPSP0

学園都市 某所――


広大な学園都市の一角、人通りのない裏路地で三十人近い人間が倒れ伏している。


建宮「ぐぅッ……き、きさま……何者……?」

禁書「最初に言ったでしょう? 神の地上代行者にして最強の魔神『禁書目録』だって」

建宮「それが何故、俺たち天草式を……」

禁書「あなた達は優秀だからね。イレギュラーになる前に退場してもらいたかったんだよ」

建宮「…………」

禁書「これ以上危害を加えるつもりは無いから安心して」

建宮「問答無用で全滅させておいて、どの口が言うのよな……」

禁書「誰一人殺していないよ?」

建宮「死んでなければいいって問題じゃねえのよな……ナメてんじゃねぇぞッ!!」


仲間を叩きのめされた事に激昂するクワガタの様な髪型の男が、歪な形状の剣でインデックスに斬りかかる。

――だが刃が届く前に


禁書「それはこっちの台詞かも」


パキンッ、甲高い金属音と共に男の剣が砕け散った。

何の魔術も、何の技術もなく、刃がインデックスに届く直前で唐突に砕け散ったのだ。
クワガタ頭の男、建宮は得体のしれない恐怖に身を強張らせる。

そこへ鈴を転がした様な声音が囁く。


禁書「このインデックスに対する数々の無礼は、特別に許してあげるんだよ。でもこれ以上抵抗するなら――救済しちゃうよ?」


それは最後通告に他ならなかった。彼我の戦力差は圧倒的、逆らわずにいれば命は助かる。
仮にこの場を凌いでも、天草式の本懐を遂げるのは極めて困難だ。

もはや降伏しかない、建宮の胸中が敗北の色に染まろうかという、その時――



「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」



敗北を勝利に塗り替える、懐かしい声が建宮に届いた。


688: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:47:30.61 ID:f3wCUd+t0

雲の切れ間から降り注ぐ月光、その青ざめた光を斬り裂くように乱入者は長刀を抜き放つ。


建宮「女教皇……」

神裂「まったく無茶をする。屈辱に耐え、生き延びてこそ救える者もいるのですよ」

建宮「申し訳、ありません……」

神裂「……いえ、今更偉そうなことを言える立場ではありませんでした。ですが、今だけは…………他の者たちを安全な場所へ」

建宮「……了解なのよな!」


乱入者、神裂火織は長刀――七天七刀を正眼に構え、油断なくインデックスに相対する。


禁書「久しぶりだね、かおり」

神裂「…………」

禁書「積もる話はあるけれど、まずは刀を納めてもらえるかな?」


極親しい者へ語りかける様な優しい声音のインデックスとは対照的に、神裂は険しい表情と戦闘態勢を解く気配がない。


神裂「……あなたは誰ですか」

禁書「おかしなコトを聞くね。私はインデックスなんだよ」

神裂「戯言を。あの子がこんな下衆な雰囲気を纏うはずがありません」

禁書「げ、下衆っ!?」

神裂「なんて禍々しい魔力……まるで悪魔崇拝者、いえ、悪魔そのものですね」

禁書「失礼すぎるかも! この神の地上代行者に向かって何て言い草なの!?」

神裂「なるほど、邪神の化身でしたか」

禁書「ちーがーうー!!」

神裂「無駄話はここまでです。かつての仲間の敵、なによりあの子を貶めた事、許しはしないっ!!」


瞬時に納刀し、そこから抜刀術に擬態した鋼糸の斬撃を放つ。計七つの斬撃がアスファルトを抉りながら白い悪魔に殺到する。


禁書「あいたっ!? いきなり何をするの!?」

神裂「はああァァーー!!!」


七閃の直撃を受け、若干赤くなったおでこを涙目で押さえながらインデックスが抗議の声を上げる。
しかし神裂は、そんなの知ったこっちゃねえとばかりに追撃をかける。


禁書「むぅぅ~~!! いいもんっ! 口で言ってわからないなら お仕置きなんだよ!!」


微妙な勘違いをしたまま、必要悪の教会が誇る聖人と最強の魔神が激突する。


689: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:51:12.78 ID:f3wCUd+t0

CASE 13 最強という枕詞が、そもそも敗北フラグという矛盾


学園都市 外周――


イギリス清教『騎士派』とアニェーゼ部隊の戦況は膠着していた。


アニェーゼ「存外に手強いですね。中々押しきれない」

ルチア「前衛の消耗が激しい……腐っても騎士といったところですか」

アンジェレネ「れ、冷静に分析してる場合ですか!? 戦闘開始からずいぶん時間が経ってるんですよ!?」

ルチア「シスター・アンジェレネの懸念も尤もです。このままでは、オルソラ=アクィナスの捕縛に支障が出ます」

アニェーゼ「なーに、まだ慌てるような時間じゃねえです。シスター・ルチアは指揮を頼みます」

ルチア「はい」

アニェーゼ「シスター・アンジェレネはかく乱を」

アンジェレネ「は、はいっ」


指示を飛ばすと、アニェーゼは蓮の杖を高く掲げる。


アニェーゼ(たった二百程度で敵の総本山に勝ち込みなんて狂気の沙汰ってなもんです。シスター・アンジェレネが不安を持つのも無理ないか)


ファサ、と蓮の花が展開し、そのまま杖の柄を地面に叩きつけた。
瞬間、投擲魔術で騎士たちをかく乱しているアンジェレネの死角にいた騎士が、突然隆起した地面に腹を刺し貫かれて倒れ伏す。


アニェーゼ「でも、それでも! やるしかねぇんですよ、私たちはッ!!!」


再び座標攻撃を仕掛けようと、蓮の杖を振りかざそうとする――が、それは叶わなかった。


アニェーゼ「ッ、なんです? 急に明るく…」


突如として夜の帳は切り裂かれ、まるで昼間のように戦場が眩しく照らされる。

そして轟音。轟音に次ぐ轟音。

飛び交う悲鳴と、冗談のように吹き飛ばされる騎士とシスターたち。


アニェーゼ「え……?」


何が起きたのか理解できず思考が停止したまま、程なくアニェーゼも青白い閃光に飲み込まれ意識を手放した。


690: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:53:43.00 ID:f3wCUd+t0

美琴「ふぅ……。どーよ、これが学園都市第三位の実力よ」ドヤッ

上条「いや、どうよと申されましても……」チラッ


アニェーゼ「」プスプス

ルチア「」プスプス

アンジェレネ「」プスプス

その他大勢「「「「「「「「「「」」」」」」」」」」プスプス


美琴「てへっ、やり過ぎちゃった♪」

上条「てへ、じゃねーよ、てへじゃ!?」

美琴「あ、あはは」ヒクヒク

上条「いくら乱戦だったからって、問答無用しかも不意打ちで焼き払うってどうなの!? これじゃあ完全に俺たち悪役ですよね!?」ギャース

美琴「えー、この前テレビで特番組まれてたじゃん。特務支援課、学園都市の治安を守る若きヒーロー達ってね」

上条「それって何故か上条さんだけハブられたヤツだよね!?」

美琴「そ、そうだっけ?」

上条「そうなんだよ! てかやり過ぎないよう注意しましたよね!?」

美琴「うう……ゴメンなさい」ションボリ

上条「うぐッ、……ま、まあ死人は出ていないようだし、それでいて全員の意識を刈り取ってるし、御坂はやっぱりスゴイな!」アセアセ

美琴「そ、そうかな?」

上条「もちろんですとも! 御坂が居てくれて上条さんは超助かってます! イヤー、ウレシイナー」

美琴「ととっ当然よね!(きゃー、褒められた褒められた褒められちゃったー!?///)」プイッ

上条「ハ、ハハハ、はぁ……(下手に手加減して反撃を貰うよりマシ、そう考えよう、うん)」


テッテレー


上条当麻&御坂美琴は魔術師の群れをたおした!

借金完済まで、残り9748魔術師。※ただし利息分は別口とする


691: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:55:17.51 ID:f3wCUd+t0

第七学区――


浜面「うは~、今日も一日よく働いたぜ」ノビノビ

御坂妹「フフ、疲労は最高のスパイスです、とミサカは晩御飯に想いを馳せます」ジュルリ

黒子「聞いていたとおり、妹さまは食いしん坊なのですわね」クスッ

御坂妹「ムムッ、それは誰からの情報ですか? とミサカは誤情報に憤慨します」

黒子「もちろんお姉さまからですの」

御坂妹「お姉さまめ……ミサカを不当に貶めるとは、とミサカは不満を漏らします」

浜面「そう怒るなよ。御坂だって悪気があるわけじゃねえだろ。むしろ……」

黒子「ええ、とても良い笑顔で語られますのよ。私の妹は~、やら、私の妹がね~、と実に嬉しそうに」クスッ

御坂妹「本当ですか……? とミサカは小さな声で確認を求めてみます」オズオズ

浜面「どっからどう見ても、お前らは仲のいい姉妹だって。なあ?」


黒子「…………」プルプル


浜面「白井?」

御坂妹「嘘、なのですか……? とミサカは…」


黒子「ムッハーーーーッ!!! 儚げな妹さまも断然アリですのォォーーー!!!」ハァハァ


御坂妹「…………」

浜面「うわ、変態だ」

御坂妹「少しでも嬉しく思ったミサカが馬鹿でした、とミサカは平常運転なヘンタイに軽蔑の視線を送ります」ジトー

黒子「ぐへへ、やはり妹さまも捨て難いですの。これは姉妹セットでご購入…」ハァハァ

御坂妹「せいっ、たあっ、やあッ、とミサカは容赦なくヘンタイを叩きのめします」

ドスッ! ガスッ! ズドン!

黒子「愛の三連コンボッ!?」バターン


浜面「て、的確に急所だけを!? こえー……」ブルッ


692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:57:14.81 ID:f3wCUd+t0

御坂妹「悪は滅びました、とミサカは溜飲を下げます」

浜面「ははっ、何だかんだ言っても姉ちゃんが好きなんだな」

御坂妹「……嫌いではありません、とミサカは本心を知られるのが恥ずかしいのでお茶を濁します」プイッ

浜面「濁せてねえぞ」ニヤニヤ

御坂妹「軽口の多い男性はモテませんよ、とミサカはニヤケ面な同僚に辟易します」

浜面「おまっ、それは聞き捨てなんねえぞ! 俺だってなぁ、本気を出せば彼女の一人くらい…」


初春『浜面さんはモテなくていいんですっ!!!』ガァァ


浜面「声デカっ!?」キーン

御坂妹「……そういえば意外にモテるんだったなコイツ、とミサカは世の不条理を痛感しました」

浜面「お前の言い草のほうが不条理だろ! って、えっ、俺がモテる?」

御坂妹「気付かないのですか? 甲斐甲斐しくあなたに事件の情報をリークしてくれるお花畑系女子…」


初春『きゃーっ!? わあーっ!? ダメええーーっ!?///』


浜面「だからボリューム落とせっての! マジで鼓膜が破れるわ!」

初春『うぅ……///』

御坂妹「やれやれ、報われませんね、とミサカは初心な風紀委員に同情を禁じ得ません」

初春『ほっといてください!///』

浜面「んなコトより、いきなり通信を入れてきたんなら緊急事態なんだろ?」

初春『あ、はい。そこから近い位置で、監視カメラが誤作動してる区画を見つけたんです』

浜面「ただの故障じゃないのか?」

初春『いえ、区画全てのカメラが一斉に故障するなんて考えにくいです。誰かが意図的に壊したとしか考えられません』

御坂妹「気になりますね」

浜面「……そうだな。分かった、すぐに確認に向かう」


黒子「ま、待ってくださいまし!? わたくしも同行しますの!」ムクリ


693: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:59:05.02 ID:f3wCUd+t0

学園都市 廃区画――


魔神と聖人――等しく人類の域を超越した存在であるが、その戦力には大きな隔たりがある。

神の子の特徴、いわゆる聖痕(スティグマ)を発現させた聖人は凄まじく、その力は戦術核に匹敵する。
だが見方を変えれば、その程度が限界であるとも言える。

一方、魔神は魔術を極めすぎて、神様の領域に片足をつっこんだ魔術師の呼び名である。
片足とはいえ神の領域だ。神の子程度なら一蹴して余りある。

故に、神裂火織では禁書目録を打倒するのはおろか、拮抗さえ難しい。


だというのに、神裂はインデックスを相手に一方的な戦いを展開していた。


神裂「どうしました? 神の代行者とやらの実力は、こんなものですか」

禁書「フッフッフ、勘違いしてもらっては困るかも。聖人如きに全力なんて出すわけ…」

神裂「隙ありーーっ!!!」


無い胸を逸らしながら悦に入るインデックスに、全力で不意打ちを極める神裂。
一切の無駄を削ぎ落とした足運びで急接近し、七天七刀でインデックスの細い首筋を叩き斬る。


ガキンッ!! まるで鉄骨がひしゃげる様な不快な音と共に、インデックスがノーバウンドで10メートル程吹き飛んでいく。


禁書「痛ったぁーい!?」

神裂「くッ、流し斬りが完全にはいったのに……」


必殺の一撃が極まったにも関わらず、痛いの一言で済ませるインデックス。
これには神裂も歯噛みせざるを得ない。


禁書「もう怒ったんだよ。激おこぷんぷん丸なんだからね!!」

神裂「一撃で死なないなら、もう一撃ッ!!」

禁書「ちょ、ちょっと! 少しは返事を返して欲し…ッ、だから痛いってば!! さっきと同じ所を斬らないでっ!?」


両腕をブンブンと振り回し、涙目で抗議するインデックスだが、神裂は容赦しなかった。


694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 23:01:17.37 ID:f3wCUd+t0

必殺の気概と共に繰り出される斬撃の嵐は、寸分違わずインデックスの首筋へと吸い込まれていく。
そのどれもが凡庸な攻撃ではない。剣の道を志した者が、一生のうち一度放てるかどうかというレベルの斬撃だ。

だが、インデックスには掠り傷すら与えられない。

神裂「ハァ、ハァ……『唯閃』を用いても決定打はおろか、手傷すら負わせられないなんて」

禁書「ケガは無くても痛かったんだよ!」

神裂「物理攻撃では突破できない防御結界を張っているのでしょうか」

禁書「見てよっ!! 首のトコが赤くなってるでしょう!?」

神裂「……その姿で戯れるのは止めなさい。本当に首を斬り飛ばしますよ」

禁書「さっきから全力で斬りかかってたでしょ!? 私じゃなかったら、とっくにあの世行きなんだよ!」

神裂「流石は邪神のアバターといったところですか。大した防御力です」

禁書「話を聞いてよ!」

神裂「話を聞いて欲しければ正体を現しなさい。あの子の姿を冒涜するなど、不愉快極まります」

禁書「だから私がインデックスなんだよ!」

神裂「この期に及んでまだ言いますか……。大っ概にしとけよ、このド素人が!!!」

禁書「ううー、堂々巡りなんだよ……」


一向に認識を改めない神裂に、ガックリと項垂れるインデックス。

そこへ第三の乱入者が現れた。


695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 23:04:03.37 ID:f3wCUd+t0

Side 浜面仕上


現場に到着した浜面は、あまりの光景に息をのんだ。

都市計画から外れた廃区画とはいえ、アスファルトは無残にめくれ上がり、周りの構造物も鋭い切り傷だらけ。
そして、この惨状を演出したと思わしき人影が二つ。

片方はデカイ痴女。銃刀法違反などお構いなしな長刀を所持し、左右非対称のジーンズに、誘ってるとしか思えない下乳丸見えなシャツを着ている。

浜面(エロっ!? だけど俺、こういうの嫌いじゃないぜ!)

もう片方はチンチクリンな銀髪。尊大な態度が印象的な御存じ白い悪魔だった。

浜面(いかん、おっぱいにばかり目を奪われて気付かなかったけど、白い悪魔が居やがる!?)


エロスの権化と最悪のバケモノ


この両者の関係は分からないが、唯一つ、浜面は理解していた。


浜面(あれ? もしかして散々建ててきた死亡フラグ回収の時が来ちゃった?)


特に理由のない死の恐怖が浜面を襲う――!!


浜面「御坂妹っ!! 今すぐ大将にSOSだ! 間に合わなくなっても知らんぞぉーーー!!」

御坂妹「白い悪魔との遭遇時における対処マニュアルを発動します、とミサカはケータイであの人に連絡を入れました」

黒子「何をそんなに慌てていますの?」

浜面「見た目からは想像もつかねえが、アレはやべえ! とにかく撤退、逃げるんだよぉーー!!」

黒子「ひゃあ!?」


要領を得ない白井黒子を小脇に抱え、浜面と御坂妹は一目散に逃げ出した!


696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 23:04:41.39 ID:f3wCUd+t0










禁書「どこへ行こうというのかな?」

浜面「ひぃ!?」


しかしまわりこまれてしまった!!









697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 23:06:42.72 ID:f3wCUd+t0

Side インデックス


普段は温厚なインデックスが、珍しく苛立ちを募らせていた。

十万三千冊を統べるようになってから全戦全勝、向かうところ敵なしだった。

聖人だろうが魔神だろうが、抵抗など一切許さぬ鎧袖一触、それは闘争ではなく一方的な蹂躙だった。


だというのに相手が神裂火織というだけで無様を晒している。たかが聖人一人に手も足も出せないでいる。


殺すだけなら容易い。明確な殺意を持って『死ね』と思うだけでそれは現実になるだろう。
しかしそれではダメだ。

インデックスにとって、神裂火織は数少ない心を許せる友人だったのだ。
死なせるなんて論外だ。ならば無力化するしかない。

だがそれは困難を極める。
何故なら神裂は世界に二十人しかいない聖人で、しかも序列が上位の実力者だからだ。

弱ければ天草式のように最小の力でカタがついた。しかし神裂にそれは通用しない。
かといって手加減をしなければ、あっという間に挽肉にしてしまう自信があった。

繊細さとは無縁のインデックスにとって、神裂を殺さずに無力化するのは、トリプルアクセルしながら針に糸を通すような作業といえる。


結果として、ただひたすらにボコられ続けていたワケだが、そこに生贄がやって来た。


――ドクンッ。まるで脈打つ心臓の様にインデックスの中のサディスティックな部分が鎌首をもたげる。


インデックスは逃げ出す生贄を先回りし、得物を前にした猫のように目を細め魔術の詠唱を始めた。


732: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:03:31.08 ID:dGceXhT80

◆◆◆◆


イギリス とある教会――

のどかな田園風景が広がる郊外の教会、そこでインデックスは孤児たちの相手をしている。
その微笑ましい光景を、彼女の夫である上条神父は優しく見守っていた。

そんな折、二人の幼い孤児がケンカを始めたので、インデックスが仲裁を始めた。


禁書「こーら! ケンカをしたらダメなんだよ」

孤児A「だってコイツが先にぶったんだもん!」

孤児B「なんだよ、君が先にボクの悪口を言ったんじゃないか!」

孤児A「なにおう!」

禁書「お友達同士で悪口も暴力もダメっ!! 主は諍いを許したりしないんだよ」


厳しく叱りながらも慈愛に満ちた笑顔で子供たちを諭すインデックス。
ケンカをしていた二人も、その優しさに触れ素直に仲直りをする。


禁書「二人とも良い子だね」

孤児A「へへっ……///」

孤児B「そ、そんなコトないです……///」

禁書「みんなもお友達とは仲良くね。殴っていいのは化け物と『ミサカミコト』だけなんだよ」


孤児たち「「「「「はーい」」」」」


上条「…………」


とても良い笑顔で洗脳教育を施す妻に夫は戦慄する。そして密かに離婚調停を依頼できそうな弁護士を探そうと決意していた。






禁書「……とうま、離婚なんて絶対に認めないんだよ」

上条「心を読まれた!?」


インデックスのしあわせに満ちた日々は、死が二人を別つまで末長く続いてしまった……


◆◆◆◆


733: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:05:18.79 ID:dGceXhT80

CASE 14 心臓が急所だといつから錯覚していた? という不条理


Side 御坂妹(ミサカ9982号)


禁書「ツいてないね。あなたたち、本当にツいてないんだよ」

御坂妹「ッ!?」


考えるより先にカラダが動いていた。
常盤台指定の学生鞄から素早くアサルトライフルを取り出し、前方の白い悪魔を射線に捉え、躊躇い無くトリガーを引く。

乾いた音と共に夜を照らすマズルフラッシュ。

硝煙の匂いがこびりついた銃口から無数の弾丸が発射され、狙い違わず白い悪魔を蜂の巣にする――ことは無く、銃弾は逆再生したかのように御坂妹へと帰っていく。


御坂妹「あづッ!?」

浜面「御坂妹っ!!」

黒子「妹さま!?」

御坂妹「……大丈夫、腕を掠めただけです、とミサカは負傷よりも先程の現象に驚愕を覚えます」


感情を映さない表情で、御坂妹はインデックスを睨みつける。


禁書「『ベクトル操作』っていうのかな? 本来の貴女はこの能力で殺される運命にあったようだけど」

御坂妹「その能力を実用レベルで発現させたのは一方通行だけのはずです。なのに何故あなたが、とミサカは尊大なちびっ子に問いかけます」

禁書「ち、ちびっ!? ……フン、品の無さは姉譲りなんだね」

御坂妹「余計なお世話です、とミサカは悪態をつきながら撤退の機会をうかがいます」

禁書「逃げられると思っているの?」


邪気のない微笑みを浮かべるインデックスの背後に、音も無く人影が迫る。


734: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:08:39.26 ID:dGceXhT80

完全に白い悪魔の意識から外れていたエロス(同僚談)が、電光石火を体現した速度で斬りかかる。


神裂「はあァァッ!!!」

禁書「――ゼロにする」

神裂「なっ!?」

禁書「かおり、邪魔しないで欲しいかも」


意識外からの攻撃を、何事かを呟くだけで難なく対処。
白い悪魔は底冷えする眼差しでエロス(スケベな同僚談)を射抜く。


神裂「すでに魔法名を名乗ったはずですが」

禁書「そう。――ブー・レイ・ブー・レイ・ン・デー・ド 血の盟約に従いアバドンの地より来たれ ゲヘナの火よ爆炎となり全てを焼き尽くせ」


白い悪魔の小さなカラダから、暴力的な圧力を感じるナニか噴出する。
それは白い悪魔自身を包み込み、彼女を赤熱の弾丸へと変貌させた。

余りの異常な光景に、誰一人動けずにいた。……否、エロス(おっぱい星人な同僚談)は白い悪魔の行動を阻止せんと長刀を鞘に収め





禁書「もう容赦しないんだよ。――炎灼熱地獄(エグ・ゾーダス)」

神裂「!?」




轟ッ!!!!


爆炎を纏った白い悪魔が突撃し、直撃したエロス(一応大切な同僚談)は周囲の建物を貫通しながら遥か彼方へと吹っ飛ばされた。


735: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:09:54.22 ID:dGceXhT80

ジュウジュウと、あらゆるモノが焼き焦げ、コンクリートが飴のように溶け、超高熱に晒された大気が肺に焼きつく。

ただの廃区画を一瞬で地獄へと作り変えた白い悪魔が、御坂妹に優しく微笑みかける。


禁書「やっぱりダメだね。その顔を見ているだけで、こんなにも心がざわついてしまうんだよ」

御坂妹「…………」

禁書「あなたには何の罪も無いのに……」


そう呟く白い悪魔に、御坂妹は寂しさに似た感情を抱いた。
借り物のココロとカラダ。
しかし他の誰でもない、御坂妹という個を確立し始めたミサカ9982号は、躊躇うことなく白い悪魔へ問いかける。


御坂妹「どうしてあなたは そんなに悲しいのですか? とミサカは率直に聞いてみます」

禁書「私が……悲しい?」

御坂妹「はい、とても悲しそうだと感じました。辛いコトでもありますか? とミサカは重ねて問いかけます」

禁書「フフ、辛いコトだらけかも。人間ってね、長く生きすぎると依怙地になっちゃう生き物なんだよ」


乾いた声で自嘲する白い悪魔から、フッと、圧力が消えていく。


禁書「何も知らない子羊のままなら、こんな風にならずにすんだのかもしれない」

御坂妹「…………」

禁書「無敵の力なんて持たなければ、こんなに苦しまなくて済んだのかもしれない」

御坂妹「苦しいのなら、あの人に助けを求めればいい、とミサカは提案します」

禁書「そっか……あなたは とうまに愛されてるんだね」

御坂妹「愛の定義が不明瞭ですが、あの人と一緒にいると胸がポカポカ温かくなります」




浜面「あれ? いつの間にか俺ら蚊帳の外じゃね?」

黒子「しぃーっ! 妹さまが説得しているのですからお黙りなさい」


736: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:12:21.86 ID:dGceXhT80

目の前で微笑むのは悪魔などではなく、慈しみの心に溢れた聖女のようだった。
上条から散々油断するなと注意を受けていた御坂妹だったが、何かの間違いではないかという疑念すら覚える。

どんな人間の警戒すら解く、今の白い悪魔には不思議なカリスマがあった。


禁書「その温かさが愛なんだよ」

御坂妹「愛……」

禁書「愛が無ければ、地位も名誉も栄光も、何もかもが虚しいだけ。だから失くさないようにね」

御坂妹「はい、肝に銘じます、とミサカは素直に頷きます」


素直に返事をした事に気を良くしたのか、白い悪魔は御坂妹の手を握り、曇りの無い笑顔で囁いた。








禁書「でも残念♪ あなたの幸せは今日、この場で潰えるんだよ」

御坂妹「え……」







明日の天気を話す様な気安さで、白い悪魔は傲慢で残忍な宣告を下す。

瞬間、御坂妹は理解させられた。

捕食者と被捕食者――生物なら誰もが持つ原初の恐怖に御坂妹は囚われた。


737: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:14:18.47 ID:dGceXhT80

Side 浜面仕上


白い悪魔の言葉の意味を理解した時には、すでに手遅れだった。
御坂妹の手を握る白い悪魔から、途方も無いプレッシャーが放たれる。


浜面「御坂妹っ!! くそっ、近寄れねえ!?」

黒子「な、なんですの……アレは一体なんですの!?」


必死に御坂妹の元へ向かおうとするが、白い悪魔が放つ魔力の奔流に押し戻されてしまう。
白井に至っては、白い悪魔の毒気に当てられたのかブルブルと小刻みに震えている。

そんな絶望的状況の中、白い悪魔の呪文だけが鮮明に耳へ届けられる。


禁書「キー・オーブス・プラタ・ロー 蝙蝠の羽より来れ 夜魔の王 我が爪に宿り 契約の効力となれ 青爪邪核呪詛(アキューズド)」


ウゾゾ、白い悪魔に掴まれた御坂妹の手――その爪が不気味に波打ち、真っ青に染められていく。


御坂妹「あ、ああ……」

禁書「とうまの愛は私だけのモノなんだよ。泥棒猫は嫌われちゃえ」

白い悪魔の呪詛。それを聞いた途端、御坂妹に悪寒が走った。

御坂妹「うぐッ……!? い、今のは……?」

禁書「あなたに呪いをかけたんだよ。ある条件を満たさないと醜いヒキガエルにされてしまう呪いをね♪」

御坂妹「一体何を……とミサカは震える足を抑えつけ、白い悪魔を睨みます」

禁書「睨まないでよ。助かる条件を教えてあげるから」

御坂妹「助かる条件?」

禁書「フフ、それはね――とうまに嫌われればいいんだよ」

御坂妹「……えっ」

禁書「演技なんかじゃ助からないよ。心の底から憎まれるくらい嫌われないと、即ヒキガエルなんだよ」

御坂妹「ミ、ミサカが……あの人に嫌われる……?」

禁書「あはっ、アハハ、アハハハハハはハハハははハハッ!!!! 怖い? ねぇ、ヒキガエルにされるのは怖い!?」

御坂妹「~~~~ッ」


浜面「ッ!!!」


白い悪魔の哄笑に、御坂妹も白井黒子も、まるで地面に縫いつけられたように動けない。
しかし浜面だけは違った。

怖くないワケではない。だが彼は見てしまったのだ。

感情に乏しいと聞いていた浜面の目にハッキリと映ってしまった。――いつも自分を叱咤してくれた同僚の瞳が悲しく揺れているのを


それだけで十分だった。それだけの絆が生まれていた。

己の弱さに溺れていた過去と決別するのは今だ。ここで立ち向かわねば、自分は一生クズのままだ。

逃げ出しそうになる弱さを蹴っ飛ばし、恐怖を怒りで殴りつけ、浜面仕上は戦う覚悟を決めた。

738: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:14:56.25 ID:dGceXhT80















……のも束の間、メキャッ!!!! という凡そ自然界にあるまじき異音がした。

















739: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:16:44.48 ID:dGceXhT80

誰も喋れない、誰も動けない、驚愕が場を支配していた。


何故なら――



上条「よう、久しぶりだな」

禁書「あがッ、ひょ…ひょう、ま……」



常人に知覚出来ないスピードで、白い悪魔の前に突如現れた大将。その右手が――



上条「長い付き合いだけど初めてだよなぁ。けどまぁ諦めて歯ァ食いしばれ」

禁書「や、やめッ……!?」


上条「俺の大切な御坂妹に手ェ出した代償は、ちっとばっか痛いぞ?」




白い悪魔の顔面に深々と突き刺さったまま、抉るように振り抜かれた。






浜面(あっれー? 俺の見せ場は?)


そんな幻想は存在しなかった。


740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:18:22.93 ID:dGceXhT80

禁書「ぬわああーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?!?」ヒューン


ズドーーーーーン!!!!



上条「大丈夫か!? ケガはないか!?」

御坂妹「はい、またあなたに助けて貰いましたから、とミサカは顔の火照りに戸惑いながら答えます///」

上条「何か怪しげな魔術をかけられなかったか!?」オロオロ

御坂妹「あっ」

上条「どど、どうした!? まさか致死性の呪いか!?」アワアワ

御坂妹「その……ヒキガエルにされる呪いがどうとか。あと爪が青く…」

上条「青い爪だって!?」

御坂妹「あなたに嫌われれば助かるとも聞きました、とミサカは速やかに情報を共有します」

上条「あのボンクラシスターの得意技か……。厄介だな」


浜面「白い悪魔すら瞬殺かよ……。てか何を慌ててるんだ? どんな呪いだろうが大将の右手なら一発だろ」


上条「いや、この呪いに『幻想殺し』は使えねえ」


浜面「んなっ!?」

黒子「どういうコトですの?」


上条「アキューズドっていう呪いなんだが、こいつは正規の手順を踏まないと絶対に解呪出来ないんだ。もし強引に破棄しようものなら……」

御坂妹「……ヒキガエルですか、とミサカはあまりの絶望に打ちひしがれます」ガーン

上条「心配すんな、手順を踏めばすぐに解呪できるからな」ナデナデ

御坂妹「はい……うっ!? つ、爪の色が……!」


ボコッ


禁書「フッフッフ、もうヒキガエル化待ったなしなんだよ」


741: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:19:52.51 ID:dGceXhT80

浜面「おいおい嘘だろ!?」

黒子「あの一撃を顔面に受けたのに無傷ですって!?」

上条「……まあ当然だな」


禁書「力任せに殴っても私には届かないかも。でも痛かった……本当に痛かったんだよっ!!!」ガァァ


上条「少しは人の痛みを理解出来たかよ」

禁書「むうー!! とうまこそ私の苦痛を理解するべきなんだよ!」プンスカ

上条「したくねーから三行半を突きつけたんだろうが」ヤレヤレ

禁書「フフン、そんなコト言ってる暇があるのかな? 短髪モドキにかけた魔術の悪辣さは知ってるでしょう?」ニッコリ

上条「…………」

禁書「解呪方法はたったの二つ。一つは誓約の完遂、そしてもう一つは」

上条「呪詛の対象となる者の新鮮な心臓……この場合は俺の心臓ってことだな」


御坂妹「!?」

浜面「なんだよそれ……。大将が死ぬか、御坂妹がヒキガエルにされるかの二択しかないってのか!?」

黒子「なんて残酷な……」


禁書「それが嫌なら誓約を果たせばいいんだよ。短髪モドキが とうまに嫌われれば万事解決かも」


浜面「不可能だ! 大将の溺愛ぶりときたら、それはもう半端じゃねえんだぞ!!」

御坂妹「あの人に嫌われるなんて、ミサカは……ミサカは……」フルフル

黒子「くッ、己の無力を嘆く暇はありませんの。せめてあの悪魔を逮捕するくらいは……!!」


禁書「やるべき事はやったし、私は帰るんだよ。またね、とうま♪」スゥゥ……


黒子「き、消えた!?」

742: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:20:58.85 ID:dGceXhT80

上条「放っておけ、それより今は御坂妹を助けるほうが先決だ」

黒子「……そうですわね」

浜面「そ、そうだ! ヒキガエルになった後、大将の右手で触れれば…」

上条「無理だ。呪いが発動すれば分子分解された後でヒキガエルに再構築されちまう。そうなったら元に戻す手段は無い」

黒子「では上条さんに嫌われるしか手はありませんの……?」


御坂妹「ッ!!」

上条「おっと、逃げるなよ」ガシッ

御坂妹「離してくださいっ、とミサカは語気を荒げ抵抗します」ジタバタ

上条「断る。お前をヒキガエルにされるワケにはいかないからな」

御坂妹「ッ!? …………あ、あなたはミサカを嫌いになるんですか? とミサカはミサカ自身の言葉に深く傷つきます、うう……」グスッ

上条「何でそうなるんだよ。約束したじゃないか、どんな事からでも御坂妹を守るってさ」

御坂妹「はい……約束、しました……」

上条「ならもっと信用してくれよ。御坂妹の為なら心臓の一つや二つ、惜しくない」

御坂妹「はい…………はい?」

上条「よし! それじゃあ心臓を引っ張りだすぞ」キリッ


ズブリ


上条「ぐおッ……さ、さすがに痛い、な……」ビチャビチャプシューーーー!!!

御坂妹「………………はう」パタリ



浜面「うわあーーーー!? ちちち血が噴水みたいにーー!? つーか大将なにしてんのおおぉぉーーーー!?」ギャース

黒子「まあ、綺麗な噴水ですこと」パタリ

浜面「ちょ、気絶すんなよ!? えっ、この大惨事、俺一人で対処すんの!?」


743: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:22:07.86 ID:dGceXhT80

一時間後

第七学区 とある病院――


美琴「ハァ、ハァ……ッ!! 重体で運び込まれたって聞いたけど、ア、アイツは無事なの!?」タッタッタ


浜面「…………」

美琴「どうして黙ってるのよ!」

浜面「……何もかもが手遅れだったんだ。御坂妹を助けるのに必要だからって、、いきなり心臓を抉りだして」

美琴「えっ……」

浜面「冗談みてぇに血が噴き出して、辺り一面を血の海にしてよ。ここに担ぎ込まれた時には、もう……」

美琴「う、嘘よ!」

浜面「俺だって信じられねえよ。けど嘘じゃねえ」

美琴「地雷で吹っ飛ばされても、拳銃で撃たれてもピンピンしてたのよ……。それなのに、こんなアッサリ……」

浜面「御坂妹と白井はショックで寝込んじまってる。俺は事後処理が残ってるし、せめて御坂だけでも大将の傍に居てやってくれ」ポン

美琴「…………」


744: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:23:17.11 ID:dGceXhT80

とある病院 いつもの病室――


コンコン ガラガラ


美琴「…………」フラフラ

上条「…………」

美琴「…………」

上条「…………」

美琴「なんで……なんで死んじゃうのよ」グスッ

上条「…………」

美琴「学園都市第一位にだって余裕で勝ったじゃない。なのになんで……」ポロポロ

上条「…………」

美琴「私の味方でいてくれるって約束したのに……好きだって言ったくせに……っ」

上条「…………」

美琴「なんで死んじゃったのよ……! ばかっ、ばかぁ……うわぁぁあああああああん!!!」ブワワ




























上条「……うん?」パチリ

美琴「ひぐっ、えぐっ…………ふぇ?」

745: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:25:17.64 ID:dGceXhT80

上条「んー、よく寝た……って どーしたんだよ御坂。涙と鼻水でせっかくの可愛い顔がくしゃくしゃじゃねーか」

美琴「…………」

上条「ハッ、もしや誰かに酷いコトされたのか!? クソッ、何処のどいつだ、御坂を泣かせたヤツは!!」

美琴「…………よ」ボソッ

上条「教えてくれ御坂。お前を泣かすようなヤツは、すぐにぶっ飛ばして…」

美琴「アンタが泣かせたのよ、馬鹿ぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!」

ギューー!!!

上条「ええっ、犯人は上条さんでしたか!?」ガビーン

美琴「生きてた……生きててくれてよかった……ッ」ポロポロ

上条「あー、心配かけちまったのか……。ゴメンな御坂」ヨシヨシ

美琴「ううっ、ばかばかばかぁ……」


◇ ◇ ◇ ◇


病室の外――


御坂妹「本当によかった、とミサカはあの人の無事に安堵します」ホッ

黒子「安堵してる場合ではありませんのよ!? 心臓が潰れたのに、どうして生きていられますの!?」オロオロ

御坂妹「そんなの決まってます」

黒子「ま、まさか上条さんは幻の第六位!? レベル5の『肉体再生(オートリバース)』でしたの!?」アウアウ

御坂妹「そんなチャチなシロモノではありません。彼はミサカのヒーローだから無敵なんです、とミサカはドヤ顔で説明しました」

黒子「全然説明になってませんの!? 普通なら即死………………もしかしてゾンビ……ですの?」ゾクッ


冥土帰し「心配しなくても彼は生きているよ? ……抉り出した心臓を自然治癒させた点は不可解ではあるが」


テッテレー


御坂妹の感情が少し豊かになった! 上条当麻への明確な好意を自覚してしまった!?

浜面仕上の死亡フラグがへし折れた! 同時にメンタル面が成長し、仲間のピンチ時に限りヒーロー属性を発揮するようになった!!

上条当麻は1ミコポイントをてにいれた!


※ミコポイント=たくさん集めると、上条さんが幸せになれます


746: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:27:15.69 ID:dGceXhT80

学園都市 窓のないビル――


アウ「唖然、他人の為に自ら心臓を捧げるなど……。しかも自己再生で死を逃れるとは」

禁書「ま、予想通りの結果なんだよ」

アウ「憮然、キミはあのクローンを始末するつもりではなかったのか?」

禁書「最初はね。でも直接会って分かった事なんだけど、あの子には未来が無かったんだよ」

アウ「未来がない、とは?」ハテ?

禁書「彼女が今を生きているのは因果律に反している。本来ならとっくに死んでたはずなんだよ」

アウ「それはどういう……」

禁書「この世界は調和を何より重んじる。神様が定めた因果は絶対で、それをはねのけられるのは世界広しといえど私と とうまだけかも」

アウ「……つまり近々あの少女は世界に殺される、と?」

禁書「そう、だからより強固な因果で死の運命を上書きしたの。私の呪いと とうまの命による洗礼でね」

アウ「一体何故?」

禁書「だって とうまが実の子供のように愛してるって分かったんだもん。なら私にとっても子供同然なんだよ」

アウ「し、しかしあれでは真意が伝わら…」

禁書「アウレオルス」

アウ「!?」

禁書「詮索は無用かも」

アウ「はっ!!」



アレイ☆「……(きっと裏があるに違いない。何故なら彼女は反吐が出るほどの糞虫なのだから)」

禁書「聞こえてるよ?」ガシッ

ミシミシミシッ!!!

アレイ☆「ひぃぃっ!? ガ、ガラスにひびがっ!?」


748: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:28:11.63 ID:dGceXhT80

学園都市 某所――


建宮「どうにか難局を凌げたようだ」

神裂「ええ、また上条当麻に借りを作ってしまいました……」ズーン

五和「げ、元気を出してください、女教皇さま!」

建宮「そうだとも、借りはいつかまとめて返せばいいのよな」

神裂「そうですね。ところであなたたちの目的はどうしたのです?」

建宮「あ」

トゥルルル トゥルルル

神裂「もしもし?」pi

土御門『いよーう、ねーちん! 元気してたかにゃー』

神裂「……土御門、用が無いなら斬りますよ」

土御門『うにゃー!? ニュアンスに不穏なものを感じるんだぜーい!』

神裂「…………」

土御門『怒るなって。オルソラ=アクィナスはこっちで保護したから安心しろ』

神裂「なっ、何時の間に!?」

土御門『街中を徘徊してたのを、偶然保護したんだにゃー』

神裂「信じていいのですか?」

土御門『まあな。他にもねーちんが知らない情報もあるから、一度合流して情報交換しないか?』

神裂「そうですね。そうして貰えると助かります」


749: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 20:29:26.42 ID:dGceXhT80

翌日


学園都市 木原くんの研究室――


木原「昨日は大活躍だったじゃねえか、よくやったぞお前ら」


美琴「ふっふーん、当然よね」

浜面「大将が死んだと勘違いして泣き喚いたのは誰だっけ?」ニヤニヤ

御坂妹「お姉さまです、とミサカは泣き虫な姉を生温かく見守ります」ニヤニヤ

美琴「う、うっさい!! 大体浜面さんが紛らわしい言い方するのが悪いんでしょうが!!///」ガァァ

上条「うう、上条さんの為に御坂が泣いてくれたと知って、感激の涙が止まりません」ウルウル

美琴「アンタが死ぬワケないもんね! 泣いて損したわよ///」テレテレ


木原「騒ぐんじゃねぇよ。今日明日の二日間、完全休日をくれてやるから余所で騒ぎやがれ」シッシ


上条「マジで!?」

美琴「お休みかぁ。う~ん、何しようかしら」

浜面「急に休みを貰ってもなぁ。また黄泉川に鍛えてもらおうかな?」

御坂妹「いつもお世話になっているお花畑系女子にお礼をしてはどうですか、とミサカはナイスアシストをしてみます」

浜面「初春にか……。それもいいかもな」ウン



木原「……(オリオン号事件、88の奇蹟の一欠片を保護しろ……ねえ。さて、どうすっかな)」


808: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:45:31.08 ID:/DPZPMCV0

幕間

九月九日


第七学区 グループアジト――


上条「ふぅ、お茶はやはり日本茶に限りますなぁ」ズズー

浜面「せっかくの休みだってのに、御坂を誘わなくていいのか?」

上条「御坂にも友達付き合いがあるんだよ。それに明日はみんなで遊ぶ約束だろ」

浜面「そういや御坂妹と打ち止めも、用事があるって出かけたな」

上条「ほっほ、子供は風の子じゃからのう。家に籠るよりずっと健全じゃよ」ニコニコ

浜面「……大将、さすがにジジ臭ぇぞ」

上条「こほんっ、ところで浜面は出かけないのか?」

浜面「あー、なんつーか、ほら! 風紀委員に初春っているだろ? 最近いつもナビしてくれてるんだけど」

上条「花飾りの?」

浜面「そうそれ! その初春に日頃のお礼を兼ねてさ、買い物に誘ったんだよ。んで今連絡待ち」

上条「へぇ、いきなりデートに誘うとか やるなぁ」

浜面「デ、デート!?」ガビーン


809: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:46:57.33 ID:/DPZPMCV0

上条「何を驚いてるんだ? 休みの日に、女の子と二人で買い物なんてデート以外の何者でもないじゃんか」

浜面「はぁ!? 相手は中一のガキだぞ!?」

上条「どっちがガキなんだか。中学生とはいえレディに違いないだろう? だったらそれはデートだよ」

浜面「そ、そういうもんか……?」

上条「当たり前だ。つかお前も紳士ならスマートにエスコート出来るように、ちゃんとしたプランはあるのか?」

浜面「あ、いや、セブンスミストで適当に済ませようかと…」

上条「バカ野郎っ!!」ガァァ

浜面「ひっ!?」

上条「テメェそれでも紳士かッ!!!」

浜面「……シンシジャネーシ」ボソッ

上条「ったく、近頃の若いもんは……。仕方がない、上条さんがお前を立派な英国紳士に仕立ててやる」

浜面「えっ」


◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 とあるファミレス――


美琴「おっはよー」

佐天「おはようございまーす、ってあれ? 御坂さん一人ですか?」

美琴「うん、黒子は風紀委員のお仕事だって」

佐天「初春も忙しそうだったし、大変ですね~」


810: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:47:36.43 ID:/DPZPMCV0

美琴「ホント大変よー。次から次に事件が起きるんだから やんなっちゃうわ」

佐天「あははっ、御坂さんも警備員ですもんね」

美琴「フフン、まあね」ドヤッ

佐天「いいなぁ、憧れちゃうなぁ。あたしにも能力があればなぁ」

美琴「能力ねぇ……。特務支援課に限っていえば、あんまり関係ないんだけどね」

佐天「は……?」キョトン

美琴「だってうちのリーダーは無能力者よ? 浜面さんもそうだし、私の妹は異能力者ってとこだもん」

佐天「リーダーが無能力者!?」

美琴「しかも私を軽くあしらう程強いし、人をすぐ子供扱いするし、まったく何なのよアイツは」ニコニコ

佐天「…………」

美琴「そりゃ私より年上だけどさ、妙に落ち着きがあるっていうか老成してるっていうか、大人っぽいのよね」ニコニコ

佐天「御坂さん」

美琴「なーに?」ハテ?

佐天「その人って、夏休みに御坂さんとゲーセンで遊んでた人ですよね?」ニヤニヤ

美琴「夏休み…………あ」

佐天「すっごいイチャついてましたよねぇ。いや~、御坂さんてば大人だなー♪」ニヤニヤ

美琴「ちょ、いちゃついてなんかないわよ!?///」カァァ


811: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:48:18.83 ID:/DPZPMCV0

佐天「ハァー、あたしも年上のカレシ欲しいなぁ」

美琴「かかか、彼氏ィィ!?」

佐天「違うの?」

美琴「ち、違うっ!!///」ブンブン

佐天「ですよねー。超能力者と無能力者だとつり合いがとれませんもんね」

美琴「そ、そんな事はないんじゃないかしら。大切なのは本人の気持ちなんだし!///」アタフタ

佐天「ほっほーう、御坂さん的には全然ありと?」ニヤニヤ

美琴「ないないないっ!? わ、私がアイツとなんて、あり得な………………………………くはないけどさ///」ゴニョゴニョ

佐天「あっはは、御坂さんてばカワイイなぁー」ニヤニヤ

美琴「も、もうこの話題はおしまいっ!!///」

佐天「えー」

美琴「そういう佐天さんはどーなのよ///」

佐天「へ……あたし?」ハテ?

美琴「佐天さんとこは共学だし、恋バナの1ダースや2ダースあるでしょ!?///」

佐天「いや、ありませんってば」

美琴「……ホントかしら?」


812: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:49:14.30 ID:/DPZPMCV0

佐天「誓って本当です。なにせあたしは初春のパンツ一筋ですから!!」キリッ

美琴「……初春さんも苦労してるのね」

佐天「そうそう聞いてくださいよ御坂さん!」

美琴「なになに?」

佐天「最近初春のパンツが大人っぽくなってるんです!」

美琴「うん…………うん?」

佐天「あれは男に媚びたパンツでしたね。縞々が精々だった初春のチョイスじゃない!」

美琴「…………」

佐天「あたしの初春(パンツ)に男の影が見え隠れしてるなんて……ッ、御坂さん、これは事件ですよっ!!」クワッ

美琴「えっと、うんと、ちょっと分かんない」

佐天「ハッ、これだから恋愛貴族さまは! 御坂さんには年上のカレシがいるから余裕でしょうね!」

美琴「さ、佐天さん?」

佐天「でもあたしや白井さんみたいな恋愛弱者にはパンツしかないんですよ!?」

美琴「そ、そうなんだ…………え、黒子も?」

佐天「白井さんの事はどーでもいいです。今は初春(パンツ)の調査が重要…」


ピロリーン♪


佐天「アケミからメールだ……って、ぎゃあああああああああああああああああああああああ!?」ギャース

美琴「え、なに!?」ビクッ


813: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:49:56.43 ID:/DPZPMCV0

佐天「うう、信じてたのに……初春(パンツ)の裏切りものォォーーーー!!!」

美琴「どうしたのよ佐天さん!?」

佐天「これ……」スッ

美琴「メール? ……えっ、これって」

佐天「こうしちゃいられない! 初春(パンツ)のところに行かなきゃ!」タッタッタ

美琴「ちょ、佐天さんお会計は!? 割り勘じゃないと持ち合わせが……ああっ、待ってー!?」


◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 とある公園――


浜面「結局大将のレクチャーを受けちまったわけなんだが……。約束の時間まであと10分か」


初春「浜面さーん」タッタッタ

浜面「よお」

初春「お、お待たせしてすみません!」

浜面「俺も今来たとこだから気にすんな。それにまだ待ち合わせの時間になってねえよ」

初春「え、そうなんですか!?」

浜面「仕事の時と違って、意外とおっちょこちょいなんだな」

初春「うう……///」カァァ

浜面「でも時間に余裕を持って行動できるのは、偉いと思うぞ」

初春「そ、そんなこと……ないです///」テレテレ

浜面「せっかく初春が早めに来た事だし、早速買い物に行きますか」

初春「はい……!」


814: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:51:27.80 ID:/DPZPMCV0

第七学区 セブンスミスト――


ワイワイ ガヤガヤ


浜面「休日ってのもあるんだろうけど、結構混みあってるな」

初春「……(いきなりお買いものに誘われちゃったけど、これってデート……ですよね?///)」ポケー

浜面「さてと、何処から見て回ろうか」

初春「え、えと、あの、その…」アウアウ

ドンッ

初春「きゃっ!?」フラッ

浜面「おっと」ギュッ

初春「へ……?」

浜面「危ねえなぁ、ボーっとしてると今みたいに人にぶつかるぞ」

初春「~~~~~ッ///(だだだ抱きとめられてるぅーー!?)」

浜面「ケガはしてないよな?」

初春「は、はい!?///」アワワワ






佐天「…………」プルプル

美琴「置いてくなんて酷いじゃない! ……佐天さん?」


815: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:52:37.34 ID:/DPZPMCV0

美琴「おーい、佐天さんってばー」フリフリ

佐天「あ、あれを……」

美琴「うん?」チラッ



初春「すす、すみません! 私鈍くさくって、あの……///」

浜面「気にすんなって。それよりほら」スッ

初春「え、えっと……?///」

浜面「手を繋いでれば安心だろ。つーか早く繋いでくれないと、俺スゲー間抜けなんだけど」

初春「……///」キュッ

浜面「んじゃ服から見て回るか」

初春「……はい///」テレテレ



美琴「初春さんと浜面さん、いつの間に……」ポカーン

佐天「くっそぅ、ホントに男が居やがったのかーっ!!」プンスカ

美琴「お、落ち着いて」

佐天「これが落ち着いていられますかってのよ! いいですか御坂さん!!」

美琴「はいっ!?」ビクッ


816: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:55:01.66 ID:/DPZPMCV0

佐天「ついこの間までは、コイ? 池なんかで飼う観賞用淡水魚のことですかぁ? なんてすっとぼけてた初春なんですよ!?」

美琴「え、ええ」

佐天「キス? 天ぷらにするとおいしいですよね、なんて食い意地の張ってた初春がですよ!?」

美琴「う、うん」

佐天「スイーツに目が無くて、お気楽お花畑を体現してるのが初春だったんですよ!?」

美琴「佐天さん、それは酷いよ」

佐天「酷いのは初春ですよ! 親友のあたしに黙って彼氏なんて作っちゃってさー!!」

美琴「……それが本音か」

佐天「御坂さんだって、白井さんに突然彼氏が出来たらこうなりますよ!」

美琴「黒子に? ……う~ん、想像できないわねぇ」

佐天「その想像もつかない事が、あたしたちの目の前で起きたんですよ!」

美琴「えー、初春さんならフツーに想像できるんだけど」

佐天「ううっ、能力だけじゃ飽き足らず、女子力までも差をつけられるなんて……」ガックリ

美琴「げ、元気出してよ。ほら、私だって彼氏いないし」アセアセ

佐天「御坂さんにはツンツン頭の人が居るじゃないですか……」

美琴「だから彼氏じゃないって!///」カァァ

佐天「ぐわぁぁーー!! さっきまでは生温かく見守れたのに、今はすっごいムカつくーーー!!」

美琴「お願いだから機嫌直してよ。ね?///」

佐天「顔を真っ赤にしてる人に慰められたくないですぅー。どーせあたしは恋もした事のないお子様ですぅー」

美琴「……かつてないほど佐天さんがやさぐれてる」ゲンナリ

佐天「もういいです! いつも通り、初春のスカート捲って帰りますっ!!」プンスカ

美琴「そう……ってオイ! ちょっと待って!?」ガビーン


817: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:55:53.94 ID:/DPZPMCV0


佐天「うーいはるーん♪」ススス

初春「え、佐て…」




佐天「パンツ穿いてるかぁ~~~~?」ソォイ!


バサッッ


初春「」



浜面「……(視えたっ!!!)」




818: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:57:50.21 ID:/DPZPMCV0

初春「!?ッ、~~~~~~~~ッッ!?///」カァァ

佐天「こ、これは!」

初春「ささ、佐天さん!!!///」

佐天「リボンとフリル付きのパンツ……ッ!! まさか勝負パン…」

初春「ぎゃわああーーーーーー!?!?///」

佐天「中一のくせに! 初春……いやらしい子!!」

初春「浜面さんがいるっていうのにこの暴挙!? 何すんですか佐天さんっ!!///」プンスカ




浜面「なんだ、あの子?」

美琴「ゴメンね、まさか佐天さんが二人のデートを邪魔するなんて思わなくて」

浜面「俺は別に構わねえけどよ、初春は災難だな」キリッ

美琴「……鼻血出てるわよ」

浜面「…………」フキフキ


テッテレー


佐天さんの乱入でデートはご破算になった!

浜面は少しだけ紳士(ヘンタイ)へ近づいた!!



◇ ◇ ◇ ◇



第七学区 駅前――


上条「たまには一人のんびり散歩でも、って思ってたら――」


禁書「夫たるもの、休日は妻にサービスするべきかも」デデン


上条「不幸だ……」


819: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 22:59:33.75 ID:/DPZPMCV0

禁書「それで今日は何処へ連れて行ってくれるのかな?」

上条「何処へなりとも行けよ、お前一人でな!」

禁書「もう、本当は愛するインデックスとデートできて嬉しいくせに♪」

上条「ねーよ! あり得ねえ!!」

禁書「私としてはB級グルメツアーがいいんだよ」

上条「……聞いちゃいねえ。いや諦めるな上条当麻、今生は自由に生きると決めたじゃないか」

禁書「ハァ、私も自由が欲しいかも」

上条「テメェは年中無休でフリーダムじゃねーか!」

禁書「あのね、とうま。自由というのは束縛があって初めて成立する概念なんだよ?」

上条「……もういい、お前は黙ってろ」


ペガーサスーー♪


上条「あ……この歌声……」

禁書「フフ、懐かしいね」


820: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:01:45.76 ID:/DPZPMCV0

数分後


アリサ「ふぅ……」


パチパチパチパチ


禁書「とっても素敵な歌だったんだよ」

上条「ああ、スゲー良かった」


アリサ「あ、ありがとう///」テレテレ


禁書「魔術的記号も科学的装置もないのに、素晴らしい純度の『力』を…」

上条「うわあーー!?」ガバッ

禁書「むぐぐ、ンンーーーーっ!!!」ジタバタ

上条「ご、ごめんな? こいつ、見た目どおり痛いヤツなんだよ、あはは……」アセアセ


アリサ「え、えっと」


上条「それにしても綺麗な歌声だったよ。なんつーか、心に響くっていうのかな。とにかく感動した」

禁書「んんッ、むぐーーーーっ!!!」ジタバタ


アリサ「そんな……///」


上条「いやー、上条さんはすっかりファンになっちゃいましたよ」

禁書「ンぐぐぐ……ぷはぁ! ――ダムドッ!!!」スッ

ズドォォォォォン!!!!

上条「させるかっ!!」パキーン

禁書「へー、少しはカンを取り戻せたみたいだね」

上条「アホか! 街中でいきなり爆裂呪文なんて使うヤツがあるかっ!!」ガァァ

禁書「このインデックスが窒息しかけたんだよ? 相応の報いだと思うけど」

上条「お前が不用意な発言をするからだろうが!」

禁書「細かい事はいいんだよ。それよりお腹へった」グキュルルルル!!!

上条「ハッ、そんなの知ったこっちゃねえ」

禁書「そう」ニッコリ


821: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:03:32.92 ID:/DPZPMCV0

とあるファミレス――


禁書「はむっ、あむっ、もぐもぐ……」ムシャムシャ


アリサ「いいのかな、私までご馳走になっちゃって」

上条「いいもの聴かせて貰ったからな。ここは奢らせてくれ」ボロボロ


禁書「もぐもぐ、遠慮することないかも。妻である私が許すんだよ」


上条「チッ、あのまま息の根が止まれば良かったのに」ボソッ

アリサ「仲が良いんだね」クスッ

上条「なんでそう思うの!? あなたのオメメは節穴ですかー!?」

アリサ「私は鳴護アリサ。アリサでいいよ」

上条「これはご丁寧にどうも。俺は上条当麻……じゃなくて! なんで自己紹介の流れになってんの!?」


禁書「私はインデックスっていうんだよ。よろしくね、アリサ」ニッコリ


アリサ「うん、こちらこそよろしくね。当麻くん、インデックスちゃん♪」ニコッ

上条「……そこの白い悪魔と仲良くするのはおススメしませんけどね」


822: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:05:19.17 ID:/DPZPMCV0

アリサ「ところでさっきの凄かったね。二人とも高位能力者なの?」

上条「う~ん、一応能力はあるんだけど、分類上は無能力者なんだ」

禁書「私もなんだよ」

アリサ「えっ、嘘!?」ガビーン

禁書「ウソじゃないよ?」

アリサ「だ、だってインデックスちゃんがドッカーン! ってやったら当麻くんがパキーン! って消して!?」アウアウ

上条「は、ははは……」

アリサ「当麻くんなんて普通なら100回は死んでるような大ケガしてたハズなのに、今はもうピンピンしてるし!?」

禁書「進撃のとうまの回復力はバケモノ染みてるからね」ウン

上条「俺をあんな雌雄同体と一緒にすんじゃねえ! てかお前にバケモノ呼ばわりされたくねーよ」

禁書「……陰茎を削ぐよ?」

上条「こわっ!?」ビクッ


アリサ「…………」


823: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:06:55.19 ID:/DPZPMCV0

上条「アリサ?」

アリサ「あ、ううん! なんでもないよ。ただ……」

禁書「ただ?」

アリサ「ちょっと二人が羨ましくて。私は無能力者だから……」


禁書「ふっふっふ、まあ私を羨むのは当然かも。なにしろ神の地上代行者にして――」


上条「羨むことなんてないだろ」

アリサ「えっ」

上条「超能力なんて才能の一つでしかないんだ。それにアリサには歌があるじゃねぇか」

アリサ「うん、歌が好きって気持ちは誰にも負けないよ」

上条「ならそれがアリサの才能だ。実際聴き惚れちまうほど上手だったし」

アリサ「そんな風に褒められると、その……照れちゃうよ///」テレテレ

上条「そうだ! アリサの曲をケータイにダウンロードさせてくれよ」

アリサ「うん! えっとね、ここのサイトから――」ポチポチ


◇ ◇ ◇ ◇


数十分後


上条「サンキューな。これでいつでもアリサの歌が聴けるよ」

アリサ「えへへ、ご購入感謝です♪」

上条「いやー、貧乏学生にも優しい価格設定で助かりますよ。これはきっと得難い癒しになるに違いないっ!!」

アリサ「あは、私の歌が当麻くんの癒しになれたら嬉しいな」ニコッ

上条「うお、まぶしっ!? 少年の心を失って久しい上条さんには、アリサの笑顔が眩しすぎる!?」


824: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:08:49.86 ID:/DPZPMCV0

一時間後


アリサ「へー、当麻くんの高校ってあそこなんだ」

上条「平凡なガッコーのはずなんだけど、何故か変人が多いんだよなー」

アリサ「ふふっ、楽しそうだね」

上条「でも最近はあんまし通えてないんだよなぁ。アリサは何処に通ってんの?」

アリサ「霧ヶ丘だよ」

上条「名門じゃねーか……ってあれ?」

アリサ「私自身は無能力者なんだけどね、歌ってる時によく分かんない力みたいなのが観測されるんだって」

上条「なるほど、所謂レアものですな」

アリサ「うわ、その表現はちょっと嫌かも」クスッ

上条「きっとあれだろ。マイナスイオンみたいな癒し物質を生み出してるんだよ」

アリサ「私は空気清浄機じゃないよ、当麻くん」

上条「あはは、それで霧ヶ丘ってどんな感じなんだ?」

アリサ「う~ん、あんまり楽しいとこじゃないかな。みんな能力開発にしか興味のない人ばかりだから」

上条「なんか大変そうだな」

アリサ「確かに大変だけど毎日歌えるし、こうやって当麻くんたちとお友達になれたんだもん。きっと私は恵まれてるよ」

上条「ええ子や……」ホロリ


825: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:10:17.32 ID:/DPZPMCV0

更に二時間後


アリサ「――それでね、いつかメジャーデビュー出来たらって思うの。そしてたくさんの人に私の歌を聴いてもらいたい……」

上条「アリサなら叶えられるさ。それに及ばずながら上条さんも応援していく所存」

アリサ「なら百人力だね」ニコニコ

上条「うむ、泥船に乗ったつもりで安心するがよい」

アリサ「それを言うなら大船でしょ。泥船じゃ沈んじゃうよ」クスッ

上条「……そうとも言う」

アリサ「もう、当麻くんったら」クスクス

上条「ハハハ、……ホントは知ってたよ?」

アリサ「そういう事にしといてあげる。あっ、もうこんな時間」

上条「外も暗くなってきたし、そろそろ出ようか」

アリサ「うん」


◇ ◇ ◇ ◇


禁書「――このインデックスこそが唯一にして至高の存在であるんだよ。わかったかな?」フフン


シーン……


禁書「あれ? とうまとアリサが居ない……」キョロキョロ

店員「お客さま、お連れ様なら先程お帰りになりましたよ」

禁書「置いてくなんてあんまりかも!?」ガビーン


826: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:11:51.34 ID:/DPZPMCV0

第七学区 駅前――


アリサ「荷物を持ってくれてありがとう。ここまででいいよ」

上条「そっか」

アリサ「今日はとっても楽しかった。……また一緒に遊べるかな?」

上条「当たり前だろ。つーか明日暇か?」

アリサ「うん、暇だよ」

上条「だったら明日も遊ぼうぜ。友達にアリサを紹介したいし、どうかな?」

アリサ「……いいの?」

上条「かなり個性的な面子だけど、アリサなら大歓迎だと思う。だから遠慮すんなって」

アリサ「うんっ!!」パァァ


上条「んじゃまた明日な」

アリサ「当麻くんもインデックスちゃんもまた明日ね! ……あれ? インデックスちゃんが居ない?」キョロキョロ

上条「あ」


827: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:13:06.75 ID:/DPZPMCV0

第七学区 とある帰り道――


上条「いやー、なんだかんだで充実した一日でしたよ」

禁書「…………」

上条「アリサは相変わらず輝いてたなぁ」

禁書「…………」

上条「さて、明日もあることですし、上条さんは家路を急ぎますよっと」

ガシッ

上条「…………」

禁書「とうまぁ~、よくも置き去りにしてくれたね……」ドドドドド

上条「ヒ、ヒディアーズ!?」ビクッ

禁書「私はイカじゃないんだよ! インデックスなんだよっ!!」ガァァ

上条「……人を食いものにするのは同じだろ」ボソッ

禁書「フッ、フフフ……」ニッコォォ

上条「な、なんだよ」

禁書「反抗的な夫には、お 仕 置 き なんだよ♪」

上条「!?」


828: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:13:55.46 ID:/DPZPMCV0

常盤台女子寮――


黒子「日が暮れるのが早くなりましたわね。今日もお姉さまの帰りは遅いのでしょうか」



ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!

ギャアアアアアアアアアア!? フコーダーーーー!!!!

パラパラパラ……



黒子「まあ、綺麗な花火ですこと」ウットリ



829: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 23:15:54.70 ID:/DPZPMCV0

第七学区 とある帰り道――


上条「」チーン

禁書「少しは反省したかな?」

上条「うぐぐ……今に見てろよ……」

禁書「ま、冗談はこれくらいにして、ちょっと真面目な話があるんだよ」

上条「……アリサの事、だろ」

禁書「このままだと、アリサは科学と魔術、両サイドに殺されちゃうかも」

上条「…………」

禁書「科学サイドは特に問題ないんだよ。ただ魔術サイドは少しだけ面倒が起きるかもしれない」

上条「問題ねーよ。アリサを殺そうなんて魔術師は、片っ端から叩き潰してやる」ググッ

禁書「相手が『神の右席』でも?」

上条「懐かしいなー……って、神の右席ィィ!?」ガビーン

禁書「私が放った草からの情報なんだよ」

上条「な、何人来るんだ……? 一人二人ならともかく、全員は厄介だな」ムムム

禁書「だから提案」

上条「提案?」


禁書「今回は手を組まない? 私ととうまの二人がかりなら、アリサの安全は約束されたようなものなんだよ」ニッコリ


上条「……(確かに一理あるけど……はて、どうしたもんかね)」


859: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/15(土) 02:02:39.17 ID:dfL+OQGy0

禁書「どうかな、悪い提案じゃないと思うけれど」

上条「だが断る」キッパリ

禁書「まあ、とうまが私の提案を断るはずが…………え、今なんて?」

上条「テメェの甘言に乗せられると思うなよ。上条さんには、獅子身中の虫を飼う趣味はありません!」

禁書「ぐ、ぐぬぬ……」

上条「つーか自分の胸に手を当てて考えてみろってんだ。お前が関わると碌なコトにならねえだろうが」

禁書「~~~~ッ」

上条「大体今更どの口が…」


禁書「ばーか! ばーか! とうまのばーーーか!!!」


上条「はぁ?」


禁書「せっかくの好意を踏みにじるなんてッ!! ばーか!!」


上条「ガキかお前……」


禁書「ガキでいいもんっ!! ――カイザード・アルザード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク 灰燼と化せ、冥界の賢者 七つの鍵をもて開け 地獄の門!!」


上条「げぇっ!! ま、まさか……その呪文は!?」


禁書「一遍死んじゃえ! ――七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!!」


ピカッ!!!


上条「ば、ばかっ! こんなの咄嗟に防げるわけッ、ぎィィィやあああああああああああああああああああああああああああ!?!?」



こうして上条当麻は光の奔流の中に消え去った。


テッテレー


インデックスさんとの共闘フラグが消滅した!

上条当麻は重傷を負ってしまい、しばらく使い物にならなくなった!!


911: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:19:20.45 ID:AHnUfivE0

CASE 15 Dead on Arrival 前編


九月十日

とある病院 いつもの病室――


上条「うう、酷い目にあった……」

美琴「アンタどんだけ病院好きなのよ。一昨日退院したばっかでしょうに」ヤレヤレ

上条「面目ありません……」

美琴「無茶ばかりしてると、そのうち取り返しのつかない事になるわよ」

上条「ご心配をおかけします……」

美琴「まったくよ。本当に心配したんだから……バカ」

上条「ごめんな、御坂」


◇ ◇ ◇ ◇


美琴「で、どうしてこんな大ケガしたのかしら?」

上条「え、え~っと……」

美琴「…………」ジー

上条「……白い悪魔にやられちゃいました」

美琴「ふぅーん」ピキ

上条「あ、あの……御坂さん?」


913: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:21:44.30 ID:AHnUfivE0

美琴「そっかー、よーく分かったわ」

上条「お、おい! まさか仕返しとか考えてない?」オロオロ

美琴「考えてないわ」

上条「そうだよな」ホッ

美琴「ただの仕返しなんてヌルイっつの。三倍返しに決まってるでしょ」

上条「やめて!? ミコっちゃん殺されちゃう!?」ギャース

美琴「私だって第三位の『超電磁砲』よ。簡単に殺されたりしないわ」

上条「上条さんの為に怒ってくれるのは嬉しい! でも早まらないでー!?」

美琴「私だって戦える……。アンタがしてくれたように、私もアンタの為に戦いたい……!」

上条「じゃ、じゃあ今日一日看病してくださいませんか?」

美琴「へ?」ハテ?

上条「好きな子に看病してもらえば、ケガなんてすぐに治るってなもんですよ!」アセアセ

美琴「す、好きっ!?///」カァァ

上条「I love you」キリッ

美琴「無駄に発音いいわね! じゃなくって、な、何言ってんのよアンタ!?///」

上条「上条当麻は御坂美琴が大好きです」

美琴「そのくらい分かってるわよ!!」

上条「おおっ! ついに上条さんの想いが通じたのでせうか!?」

美琴「ち、ちがっ……///」

上条「ですよねちくしょー! でも絶対諦めたりしないからな!」

美琴「……軽々しく好きとかゆーな///」モジモジ


914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:25:36.60 ID:AHnUfivE0

学園都市 木原くんの研究室――


浜面「護衛任務?」

木原「統括理事長直々の依頼だ。護衛対象はその写真のガキ。どんな手を使ってもいい、必ず守り抜け」

浜面「うげ、難易度がハンパない予感が……」

木原「上条は入院中で、超電磁砲もその世話に首ったけだからなぁ」

浜面「実質俺と御坂妹だけか。大能力者以上が相手だと厳しいな」

木原「ミサカ9982号なら新装備の調整中だ。アレが使えれば、かなりの戦力アップになるだろうよ」ニヤリ

浜面「……おかしな真似してると、大将が黙ってねぇぞ。当然 俺と御坂もな」

木原「仲よしだねーお前ら」

浜面「…………」イラッ

木原「短気は損気だぜ? 統括理事長からテメェにプレゼントを預かってるんだけどなぁ」ヘラヘラ

浜面「プレゼント?」


◇ ◇ ◇ ◇


天井「出力の足りない部分は、バックパックに内蔵している超小型ジェネレーターで補うのだ」

御坂妹「了解、とミサカは背部ジェネレーターにコネクトします」

天井「砲身と次弾供給システムは……問題なく作動を確認」

御坂妹「専用弾をリロード。給電システム及び慣性制御システム、オールグリーン」

天井「うむ、一応形になったか」

御坂妹「フフ……これさえあれば、もう二度と白い悪魔に遅れを取りません、とミサカは怨敵に復讐を誓います」ニヘラ

天井「突貫作業の急造品なのだ。あまり過信されても困るのだが……」


915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:27:11.12 ID:AHnUfivE0

とある病院 いつもの病室――


上条「入院生活における唯一のお楽しみ! ご飯の時間がやって参りました!」

美琴「はいはい、ケガに響くから騒がない」メッ

上条「そう、今の上条さんはケガ人! 満足に箸すら持てない有様!」

美琴「スプーンとフォークを貰ってくる?」

上条「あーん」

美琴「はい……?」

上条「あーん」

美琴「ま、まさか私に食べさせろっての!?」

上条「当たり前田の利家さんですよ。良妻賢母の代名詞たる まつの如き愛のある看護をお願いします」

美琴「意味わかんないわよ!」

上条「あーん」

美琴「や、やらないからね!」

上条「御坂に食べさせて欲しいなー」

美琴「無理っ! そんなの無理だってば!///」カァァ

上条「…………」ウルウル

美琴「そんな目で見たって無理なものは無理……なんだから///」


916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:29:17.11 ID:AHnUfivE0

ガラガラ


アリサ「当麻くんっ!! 入院したって聞いたけど大丈……夫」ピタ


美琴「ほら、早く口をあけなさいよ///」

上条「あーん……はむっ」

美琴「ううっ、恥ずかしー。こんなトコ誰かに見られた……ら」チラッ


アリサ「…………」ポカーン


美琴「あ……」

上条「このような素敵イベントがあるなんて、まさに怪我の功名! インデックスGJと言わざるを得ない!」


アリサ「し、失礼しましたああーーーー!!!」ピューン


美琴「ぎゃあーー!? 誤解したまま去らないでーー!?」ギャース


◇ ◇ ◇ ◇


上条「見舞いに来てくれてサンキューな」

アリサ「本当に心配したよ。あの後暴漢に襲われたって、インデックスちゃんに聞いてからずっとハラハラしてたんだから」

上条「……あのド腐れシスターめ」

アリサ「そ、それより……」チラ


美琴「……///」モジモジ


上条「うむ、彼女は御坂美琴さん。上条さんの専属ナースである」キリッ

アリサ「え……ええーっ!?」ガビーン


美琴「な、なななに言ってんだアンタはーーーっ!!!///」ガァァ


917: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:29:47.82 ID:AHnUfivE0







ミコっちゃん、必死で説明中……








918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:31:12.31 ID:AHnUfivE0

美琴「――だからこの馬鹿とは何でもないの! か、勘違いしないでよね!///」プイッ


アリサ「ねぇねぇ当麻くん」ヒソヒソ

上条「なんだ?」ヒソヒソ

アリサ「美琴ちゃんは当麻くんの彼女さんなの?」ヒソヒソ

上条「さっき振られた」ヒソヒソ

アリサ「ええっ!?」

上条「まあいつもの事なんで、特に気にしてないけどな」ヒソヒソ

アリサ「い、いつもの事って?」ヒソヒソ

上条「上条さんは御坂さんに夢中なんです。しかし何と言いますか、毎日これでもかと言葉に態度に好意を示してるのに届かねえ」シミジミ

アリサ「……過ぎたるは及ばざるが如しって知ってる?」ヒソヒソ

上条「し、知っていますとも。あれだろ? 大は小を兼ねる的な」ヒソヒソ

アリサ「全然違うよ! やり過ぎは良くないって意味だよ!」ヒソヒソ

上条「そうとも言うな」ヒソヒソ

アリサ「そうとしか言わないよ!?」ヒソヒソ


美琴「……///」プルプル


919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:32:56.05 ID:AHnUfivE0

アリサ「まったく当麻くんは……」

上条「ちょっとド忘れしただけですことよ。それより御坂にも紹介しないとな」


美琴「へあ!?///」ビクッ


上条「彼女は鳴護アリサさん。なんとシンガーソングライターだ」

美琴「へぇー、歌手なんだ……って、ええーっ!?」ガビーン

アリサ「シンガーソングライターなんて大げさだよ///」テレテレ

上条「謙遜すんなよ。俺のケータイに曲入れてるから御坂も聴いてみる?」

美琴「聴く聴く!」コクコク


◇ ◇ ◇ ◇


三十分後


美琴「わぁー、すっごく良かった」ホッコリ

アリサ「あ、ありがとう。でも面と向かって褒められると、なんだか照れちゃうな///」テレテレ

美琴「謙遜することなんてないわよ。えっと、鳴護さん?」

アリサ「アリサでいいよ、私も美琴ちゃんって呼ばせてもらうね」

美琴「おっけー♪」

上条「…………」

美琴「どーしたのよ黙り込んで。……あ、うるさくしてごめんね。アンタがケガ人なのすっかり忘れてた」

上条「それです」

美琴「は、どれ?」ハテ?


920: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:38:15.72 ID:AHnUfivE0

上条「こちらのおぜうさんは、どなたですか?」


アリサ「え、私?」


美琴「アリサさんでしょ。さっきアンタが紹介してくれたじゃない」

上条「では、わたくしは誰でせう?」

美琴「は? アンタはアンタでしょ」ハテ?

上条「アンタじゃねーっての! 俺には上条当麻って名前があるんだよ!」ガァァ

美琴「知ってるわよ」

上条「なら何故御坂さんは一度も名前で呼んでくれないのかッ! 知り合ったばかりのアリサは名前で呼んでるのに!」プンスカ

美琴「そ、そうかしら?」

上条「いっつもアンタとかあの馬鹿とか、うわっ、口に出してみると結構酷いっ!?」ガビーン

美琴「アンタだってビリビリいうじゃない!」

上条「また古い話を。今はちゃんと御坂って呼んでますよ」

美琴「………………あ、ホントだ!?」ハッ!!

アリサ「美琴ちゃん、せめて名字で呼んであげようよ」

美琴「え、えと……か、上、かみ……かか、かみじょ……ううーーっ、無理っ!!///」モジモジ


上条「あらやだ、アリサさん聞いてくださる?」

アリサ「なになに、当麻くん」

上条「うちのミコっちゃんときたら、他人様には名前で呼べと言いながら自分は無理とおっしゃるんですのことよ」ニヤニヤ

アリサ「当麻くんカワイソー」ニヤニヤ


美琴「からかいやがって……! アリサさんも笑うなーっ!!///」プンスカ


上条「あれ……?(イギリスへ渡る前は『当麻』って呼ばれてたような……あれー?)」ムムム


テッテレー


上条当麻は楽しい入院生活を過ごせた!

上条当麻は1ミコポイントをてにいれた! ※現在の取得数 2ミコポイント


921: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:40:07.95 ID:AHnUfivE0

バチカン 聖ピエトロ大聖堂――


教皇「――なるほど、新たな聖人候補を回収するというのか」


テッラ「イギリス清教が沈黙している以上、我々ローマ正教が動くしかありませんねー」

フィアンマ「鳴護アリサ、暫定で第九位の聖人モドキ。このまま科学サイドに利用させるのも業腹だろう?」


教皇「確かに……。しかし今 学園都市と事を構えるのは性急ではないか? 沈黙しているイギリス清教の動向も気になる」


テッラ「いけませんねー。20億の信徒、その頂点におられるあなたが弱腰では面子に関わりますよ」

フィアンマ「『法の書』の一件があったのに今更だ。分際を弁えないバカ者には躾が必要だと思わんか?」

テッラ「異教徒を躾けると同時に、私の『光の処刑』も調整出来て一石二鳥ですねー」ニタァ


教皇「ま、待て! 神の右席が二人も……それもお前自ら赴くというのか!?」


フィアンマ「なーに、少しばかり挨拶を兼ねてな」

テッラ「『幻想殺し』と『禁書目録』ですか?」

フィアンマ「学園都市で腐らせておくには勿体ない。俺様が有効利用してやらんとなぁ」ニヤリ


◇ ◇ ◇ ◇


ビアージオ「…………」ガクブル

リドヴィア「おや、そのような物陰で何をしてらっしゃるのですか?」

ビアージオ「か、神の右席が動く……! ローマ正教の最奥ががが……こわっ!?」ブルワァ!!

リドヴィア「??」ハテ?


922: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:41:29.32 ID:AHnUfivE0

学園都市 窓のないビル――


アレイ☆「首尾はどうなっている?」

木原『何とか迎撃態勢は整えられそうです。まあ、形だけって感じですがね』

アレイ☆「十分だ。所詮は幻想殺しが復帰するまでの時間稼ぎ、いわゆる肉壁なのだから」

木原『いいんですかねぇ? 妹達やあのチンピラに、もしもの事があれば切り札が最悪の敵になりかねない』

アレイ☆「見損なわぬ事だ。十字教に囚われている輩に、彼とその眷属を打倒するなど不可能に等しい」

木原『はあ』

アレイ☆「驕り高ぶった『神の如き者』は思い知るだろう。十字教の楔から解き放たれた『光を掲げる者』の本質をな」フフフ

木原『……(相変わらず電波ゆんゆんな野郎だぜ)』


◇ ◇ ◇ ◇


とある病院 いつもの病室――


上条「へっくし!!」

美琴「寒いの? 空調の温度上げよっか?」

アリサ「季節の変わり目は気をつけないと。えっと、これかな」pipi


923: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:43:28.13 ID:AHnUfivE0

上条「あ、そろそろ面会時間が終わるな」

美琴「もうそんな時間? 全然気付かなかったわ」

アリサ「結構おしゃべりしてたもんね。まあ美琴ちゃんは当麻くんと一緒だったからかもしれないけど」クスクス

美琴「ア、アリサさん!///」

上条「マジで!?」ガタッ

美琴「アンタも超反応すんなっ!!///」

アリサ「あはは、照れなくてもいいのに」

美琴「~~~~~ッ、帰る!///」タッタッタ

アリサ「じゃあまたお見舞いに来るね。待ってよ美琴ちゃーん!」タッタッタ

上条「気をつけて帰れよー」フリフリ

ズキッ

上条「グゥッ、……少し話しただけでこのザマかよ。インデックスがアリサに危害を加えるとは思わねえが」





――相手が『神の右席』でも?





上条「……一応予防線は張っときますか。――――もしもし」pipi


924: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:45:43.46 ID:AHnUfivE0

第七学区 駅前――


アリサ「ごめんってば、機嫌直してよ。ね?」

美琴「もう怒ってないわよ」ヤレヤレ

アリサ「ホントに?」

美琴「本当です。ていうか最初から怒ってないし」

アリサ「好きな人の前では素直になれない悲しい女心なんだよね」

美琴「そうなのよねー……って違う!///」

アリサ「へー、違うんだ。それじゃ私も当麻くんを好きになっちゃおっかな」ニコッ

美琴「ダメっ!!」ガァァ

アリサ「わ、びっくりした」ビクッ

美琴「た、確かにアイツは頼りになるけど、アリサさんとは釣り合わないというか!」アセアセ

アリサ「…………」

美琴「お調子者で口を開けば私を困らせてばっかで! でもレベルとか関係なしに対等に扱ってくれたり、すごく優しかったり!」アセアセ

アリサ「…………」クスッ

美琴「関係ないはずなのに命がけで私の妹を守ってくれたり! そのせいで大変な目に遭ってるのに、それでも私の味方でいてくれて……」

アリサ「そんな優しい当麻くんが大好きなんだよね?」

美琴「うん……///」コクリ

アリサ「なら素直になろ? 美琴ちゃんが素直になれば、きっと上手くいくよ」

美琴「それは分かってる……分かってるんだけど……ッ、アリサさん!!」グイッ

アリサ「きゃっ!?」


ズバッ!!


テッラ「ほう、中々いい反応速度ですねー。流石は学園都市が誇るレベル5といったところですか」


925: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/26(水) 23:47:39.65 ID:AHnUfivE0

美琴「こんな街中でいきなり仕掛けてくるなんて、一体なに考えてんのよ!」


テッラ「街中だから何ですか? よもや異教のサル共に被害が出る事を憤慨してるんですかねー?」


美琴「なっ!?」

アリサ「み、美琴ちゃん……」ガクブル

美琴「あのふざけた緑色は私が何とかする。その隙にアリサさんは逃げて」


テッラ「そうはいきません。私の目的は、鳴護アリサの確保ですからね」


アリサ「!?」ビクッ

美琴「アンタ魔術師でしょ! それがどうしてアリサさんを……!」


テッラ「ご明察、大した洞察力です。鳴護アリサについては秘密、と言っておきましょう」


美琴「そんなヘンテコな格好したヤツが学園都市に居るワケないっつの! ね、アリサさん」

アリサ「……!」コクコク

美琴「心配しないで。あんな雑魚っぽいの、すぐに黒焦げにしてやるんだから!」ニッ

アリサ「……うん!」


テッラ「おやおや、活きが良いですねー。丁度いい、あなたには『光の処刑』の実験代になってもらいましょうか」ニヤリ


969: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:06:36.22 ID:pqfagvzW0
※お知らせ

勘違いしないでほしいのは、どのルートを辿っても上琴だという真実!
違いは上条さんとミコっちゃんが幸せか不幸か、あとインデックスさんに勝つか負けるかです

仲間や状況でイベントに変化をつけますが、最後までゆるーい感じなのは変わりません。Yesギャグ、No鬱です
ては超時短verで投下ー

970: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:09:06.42 ID:pqfagvzW0

幕間

とある学生寮 一方通行さんち――


一方通行「…………」イライラ

土御門「にゃー、そうイラつくもんじゃねーぜよ! カルシウム足りてないのかにゃー?」

一方通行「カルシウム不足だァ? オマエ、この部屋の惨状を見て言ってンのか?」イライラ



五和「あわわ、お湯が! ヤカンが沸騰してますよ!?」オロオロ

神裂「待ってください、茶葉が何処にも見当たらないのですが……」ガサゴソ

建宮「つーか急須すら見当たんねえのよな」ガサゴソ

オルソラ「申し訳ございません。我が家にはコーヒーメーカーしかないのですよ」ニコニコ

香焼「えー、コーヒーは苦手なんすよね」

オルソラ「それではお砂糖とミルクを入れてはいかがでございましょう?」ニコニコ

神裂「これがコーヒーメーカー……豆の代わりに茶葉を入れれば、あるいは……」

五和「ダ、ダメですよ! そんな事したら壊れちゃいます!?」オロオロ

オルソラ「今日はとても賑やかでございますね」ニコニコ



土御門「なんという事でしょう! 一人暮らしだったスズやんちが、いつの間にやら大家族にーーっ!?」ガビーン

一方通行「オマエが連れ込んだンだろうが!!」ガァァ

土御門「旅は道連れ世は情けだにゃー。説明するからベランダに出ようぜい」ケラケラ


971: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:12:49.12 ID:pqfagvzW0

一方通行さんち ベランダ――


一方通行「で?」

土御門「彼らは天草式十字凄教、オルソラ=アクィナスを保護していた集団ぜよ」

一方通行「名前からして宗教団体ってとこか」

土御門「そんなトコだにゃー。んでミイラ取りがミイラになっちまった」

一方通行「……は?」

土御門「ややこしい事情は割愛するが、学園都市に逃げ込んだオルソラを助けに来たところを、謎の白いシスターに壊滅させられたらしい」

一方通行「白いシスター、だと……ッ」ハッ!

土御門「心当たりがあるのかにゃー?」

一方通行「……まァな」

土御門「へぇ、不思議な縁だな。まあ今は置いておくとして、連中の不運は更に続いたんだぜい」

一方通行「今度は自分が追われる身ってか」

土御門「理解が早くて助かるぜよ。そこでモノは相談なんだが…」

一方通行「却下だ」キッパリ

土御門「そこをなんとか! あんな大所帯を匿う場所なんてない。せめて神裂ねーちんとオルソラだけでも置いて…」ドゲザ

一方通行「うちはスフィンクスちゃンと金髪シスターだけで満員なンだっての」

土御門「オルソラはあの性格だし、ねーちんはケガを……ってあれ? オルソラはいいのか?」ハテ?

一方通行「当然だ」キッパリ

土御門「は、え……? てっきりオルソラも断られるかと思ったんだが……」ポカーン

一方通行「こっちにも事情があンだよ。一々話す様なことじゃねェけどよ――」


972: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:14:44.62 ID:pqfagvzW0

◆◆◆◆


早朝

オルソラ「起きてください、とても気持ちのいい朝でございますよ」ユッサユッサ

一方通行「ねみィ……」ショボショボ

オルソラ「朝食はトーストにサラダ、あと淹れたてのコーヒーを用意してございますので、顔を洗ってきてください」ニコニコ

一方通行「ン」フラフラ



昼休み

一方通行「うめェ」モグモグ

青ピ「お、これはまた旨そうな弁当やね」

姫神「整然と並んだ色とりどりのおかず……! こんなお弁当。一人暮らしの男の子に作れるとは思えない。まさか女の影……ッ」ワナワナ



夕方

オルソラ「お帰りなさいませ」ニコニコ

一方通行「ン」

オルソラ「先に夕飯になさいますか? それともお風呂になさいますか?」ニコニコ

一方通行「メシ」

オルソラ「新鮮なお肉が手に入りましたので、今晩はステーキなのでございますよ」ニコニコ

一方通行「シスターが肉食っていいのか……?」

オルソラ「さあ、どうでございましょう?」ハテ?



就寝前

オルソラ「では、お休みなさいませ」ニコニコ

一方通行「ン」

オルソラ「……///」モジモジ

一方通行「どうした?」ハテ?

オルソラ「その、居候の身で大変恐縮でございますが……男女で同衾するのは……は、恥ずかしいのでございますよ///」テレテレ

一方通行「ソファーなンて洒落たモンはねェし、ベッドも布団も一組しかないからな。来月の奨学金が入ったら買いに行くか?」

オルソラ「はい♪///」ニコッ

スフィンクス「Zzzz……」スヤスヤ


◆◆◆◆

973: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:16:55.06 ID:pqfagvzW0

一方通行「――ってわけだ。居なくなると俺の生活水準が著しく低下…」

土御門「死ねオラああーーー!!!」シッ!

ドムッ!!

一方通行「ごはッ!? げほっ、ごほっ……く、くそッ、いきなり何しやがる!」

土御門「てめえの胸に聞いてみるにゃー!!」ガァァ

一方通行「はァ?」

土御門「無自覚だとぉ!? コイツ、カミやんより悪質だぜーーい!!」

一方通行「悪質ゥ? 何言ってンだオマエ」

土御門「もう初心者お試し期間はお終いぜよ! リア充にはトコトン厳しいデルタフォースの流儀を叩きこんでやるにゃーーっ!!!」

一方通行「お、おまっ!?」ギョッ!?


ドカッ! バキッ!! メメタァ!!!



974: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/28(金) 22:19:23.84 ID:pqfagvzW0

とある学生寮 一方通行さんち――


土御門「はぁーい、天草式の皆さまお待たせしました! 家主の許可は得たんで、この部屋を好きに使ってくれて結構ですたい」

神裂「本当ですか!?」

土御門「スズやんは心優しい好青年だからにゃー。困ってる人間を捨て置くなんてするわけねーぜよ」シレッ

五和「あの……」オズオズ

土御門「ああ、女の子は隣の部屋を使うといい。オレはネカフェにでも避難するから遠慮しなさんな」

五和「あ、ありがとうございます!」ペコリ

土御門「困った時はお互いさま。神裂ねーちんが『女の子』の範疇にあるかは議論の余地があるけどにゃー」ケラケラ

神裂「…………」チャキ

土御門「うにゃーっ!? 無言で刀を抜くのは…」

ザシュッ!!

土御門「あ、あぶねえ!?」ヒラリ

神裂「人が気にしている事を……。土御門、そこに直りなさい」ゴゴゴゴ

土御門「ひぃっ、お、お助けーーっ!!!」ピューン

神裂「大人しく斬られろっつってんだろ、このシスコンがァァーーーー!!!」ビューン!


建宮「そんじゃ俺たちはこの部屋で寝泊まりさせてもらうのよな」イソイソ

オルソラ「お茶は無理ですが、コーヒーは如何でございますか?」ニコニコ

香焼「……いつの話を引っ張ってるんすか」ゲンナリ


◇ ◇ ◇ ◇


ベランダ――


一方通行「」チーン

スフィンクス「にゃあー!?」ガビーン


194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:22:26.00 ID:mZG/XDBu0

八月十五日

第七学区 窓のないビル――


魔窟、正しく人知を超えた存在が鎮座する科学サイドの最奥。
そこで碌でもない計画を練り、実行し続ける若づくりの老人は例によって逆さまのまま水槽内でほくそ笑んで……いなかった。


アレイ☆「メ、メインプランが……長年の悲願が……」


幻想殺しと一方通行の衝突。

彼のプラン、その始まりにして重要なファクターであった戦いは、僅差で幻想殺しが勝利を収めるはずだった。
幻想殺しは強敵との戦いで経験を積み、一方通行は自身の在り方を大きく変革させる切欠を得るはずだった。

しかし蓋を開けてみれば結果は散々だった。

アレイ☆「計画の要たる一方通行は消失……まだ弱いはずの幻想殺しは、私はおろかエイワスをも凌駕していた……」

超越者が頭を抱えて煩悶している。

アレイ☆「何故だ……? 何処で何を どう間違えた……?」

小一時間絶望に沈んでいたが、そこは然る者。
すぐに修正案を脳内で構築し、実行するべく手配を始めていた。


アレイ☆「フフフ……そうだ、あの力を我がものとすればプランなど無価値。要は学園都市に縛りつければ良いのだ」


この日、とある不幸少年に減る事のない借金との接戦生活が宿命づけられた。

その一方、図らずも学園都市の闇から解放された虚弱少年はというと――



195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:23:41.90 ID:mZG/XDBu0

EXTRA CASE とある幸福の一方通行


八月三十一日

第七学区 とある病院――


一方通行「…………」

冥土帰し「ふむ、ようやくケガも完治したね?」

一方通行「あァ」

冥土帰し「能力の方はどうだい?」

一方通行「ダメだ、演算は出来ても能力が発動しねェ」フルフル

冥土帰し「そうかい……」

一方通行「ンで、俺の処遇は決まったンだろ?」

冥土帰し「……本日を以て、超能力者としての権利を全て剥奪。以後は無能力者として生活するように、だそうだ」

一方通行「は?」キョトン

冥土帰し「金銭面や元超能力者としての風当たりは辛いだろう」

一方通行「いや、そォいう問題じゃなくて…」

冥土帰し「だがこうして君の主治医になったのも何かの縁だ。僕も可能な限りバックアップするから心配はいらないね?」

一方通行「……(いっそくたばってた方がマシだったかもな。今更能力無しにまともな生活が送れるはずが無ェ)」



196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:24:25.06 ID:mZG/XDBu0

第七学区 とある学生寮前――


一方通行「今日からここに住めってか」


土御門「お、もしやお前さん、新しい入居者か?」


一方通行「あァ」

土御門「てことはお隣さんだにゃー」

一方通行「はァ?」

土御門「いやー、先月お隣さんが急に引っ越してから、そこだけが空き部屋なんですたい」ケラケラ

一方通行「…………」

土御門「オレは土御門元春。よろしくな」スッ

一方通行「手……?」ハテ?

土御門「握手だよ握手。お隣同士、明日から同じ高校に通うんだ。仲良くしようぜい?」

一方通行「あ、あァ……」

土御門「そんじゃ荷物を置いて出かけるとしよう」

一方通行「……?」

土御門「ここら辺、まだ詳しくないんだろう? スーパーとか安い定食屋を教えがてら歓迎会と洒落こむぜよ」

一方通行「いいのか?」

土御門「遠慮はいらんぜよ。親切は黙って受け取るもんだにゃー」ニヤリ

一方通行「…………」



197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:25:35.69 ID:mZG/XDBu0

九月一日

とある高校――


小萌「みなさんおはようございまーす。今日から新学期ですが、早速転入生がやって来ましたー」


青ピ「もしかして美少女転校生!?」ガタッ!!

吹寄「落ち着きなさい、馬鹿者」ヤレヤレ

青ピ「せやかて気になるやん!」


小萌「ふふっ、青髪ちゃんは残念でしたー。そして喜べ小猫ちゃんたちー、転入生ちゃんは美少年なのですよー♪」ニコニコ

ガラガラ

一方通行「……どォも」


クラス一同「「「「「おおーーーーーーー!!!」」」」」パチパチパチ


小萌「では自己紹介をお願いしますねー」

一方通行「…………」


クラス一同「「「「「……?」」」」」


小萌「鈴科ちゃん? どうしたのですか?」ハテ?

一方通行「いや、何を言えばいいのか……こォいう経験は初めてなンだ」

小萌「気負う必要はないのですよー。お名前と出身校と、あとは何か一言くらいですかねー」ニコニコ

一方通行「……名前は鈴科、出身校は長点上機、何か一言は……一言は…………ダメだ、何も思い浮かばねェ」


クラス一同「「「「「……///」」」」」プルプル

青ピ「綺麗な子やなー……って、もしかして男の娘!? 全然守備範囲やしイケるやん!!」ハッ!?

土御門「同じクラスとは奇遇だにゃー」ヒラヒラ


小萌「みなさん良い子ですから仲良くしてくださいねー」ニコニコ

一方通行「……どォなってンだ?」



198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:27:40.38 ID:mZG/XDBu0

休み時間


一方通行「……(授業そのものは楽勝だったな)」

土御門「ちょっといいかにゃー?」

一方通行「あン?」

土御門「お前さん、長点上機から転校してきたんだよな」

一方通行「……あァ(元エリートと知れれば…)」

土御門「だったらこの問題の解き方を教えてくれ! 頼むっ!!」

一方通行「…………は?」ポカーン


◇ ◇ ◇ ◇


一方通行「この設問は複数の公式に当てはめて計算すればいいンだ」スラスラ

土御門「なるほどにゃー」

青ピ「ハイハーイ! 僕の勉強もみったって~」クネクネ

一方通行「お、おォ」

土御門「放課後、暇なら地下街にでも繰り出そうぜい」

青ピ「いいね、鈴科くんも都合ええか?」

一方通行「……めンどくせェ」

青ピ「そう言わんといてーな。僕とキミの仲やないの」

一方通行「どンな仲だっての」ヤレヤレ

青ピ「そんなの友達に決まってるやん。なぁなぁ、ええやろ?」ユッサユッサ

一方通行「トモダチ……?」


上条「…………」ヨロヨロ


土御門「カミやん、重役出勤ご苦労さん」ケラケラ

一方通行「!?ッ」ガタッ!!



199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:31:27.76 ID:mZG/XDBu0

上条「ね、眠い……眠すぎます……」フラフラ

青ピ「カミやん、えらくフラフラやけど大丈夫なん?」

上条「大丈夫なわけがねぇ……。借金に利息があるなんて……あの金額でそれは鬼畜すぎるだろ……」ブツブツ

土御門「背中が煤けてるぜよ……」


アババ アババ アババ オドル…


上条「はい、こちら上条!」pi

木原『お待ちかねの侵入者だ。詳しくは9982号と合流して聞け。以上』ピロロロ ピロロロ

上条「あのー、何やら後ろの方からパチンコ台らしき電子音が聞こえるのですが……」

木原『気にすんな。んなコトより、商売敵(ジャッジメント)に先を越されたらボーナスがパーになっちまうぞ?』

上条「了解! すぐに急行する!」キリッ

木原『おう、精々がんばんな』pi


上条「待ってろよボーナス! 魔術師一匹、1億8000万ってなァァッ!!!」ピューン!!


青ピ「速っ!?」

土御門「……カミやん、マジでご苦労だにゃー」ホロリ

一方通行「なンなンだよ一体……」ガクブル



200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:34:17.11 ID:mZG/XDBu0

放課後

第七学区 繁華街――


青ピ「う~ん、今日はようさん遊んだなぁ~」ノビノビ

土御門「今日も、の間違いだろう。昨日も一日遊び呆けてたにゃー」ヤレヤレ

青ピ「あはは、せやね」

土御門「スズやんも楽しめたか?」

一方通行「……スズやん?」

青ピ「鈴科くんて呼びにくいいうか、堅苦しいやろ。愛称つけた方が早く仲ようなれへんかなーって思うんよ」

一方通行「仲良く? ……俺と?」キョトン

土御門「嫌ならやめるが……ッ! ハァ、招かれざるお客さんだぜい」


不良A「オイお前、その髪の色に赤目……」

不良B「超能力者様かよ! 無能力者に負けて能力を失ったらしいじゃねぇか」ニヤニヤ

不良C「少し付き合えよ。オレのダチが昔世話になったらしいからな」


一方通行「チッ、どっから情報が漏れてンだか」

土御門「三対三、条件は五分だにゃー」フフン

青ピ「スズやんにケンカ売るとか覚悟できてるんやろな? 温厚な僕もキレるで」イラッ

一方通行「オマエら……」

青ピ「友達やろ? 水臭いこと言わんといてやー」ニッ

一方通行「……今日知りあったばかりだってのに、どォしようもないお人好しだな」クスッ

土御門「クラスメートを見捨てる薄情者よりマシぜよ」



201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:35:11.64 ID:mZG/XDBu0

不良A「安い友情ごっこしてんじゃ…」

青ピ「おらァッ!!」ブンッ!!

バキッッ!!

不良A「ごはっっ!?」バターン


不良B「てめえ……! 不意打ちなんて卑怯だぞ!」

土御門「先にケンカを売ったのは貴様らだろう? 油断するほうがマヌケなんだ……ぜぃッ!!」シッ!!

ドスッッ!!

不良B「がッ!?」パタリ


不良C「こ、こいつら場馴れしてやがる。クソッ、どうすれば」オロオロ

一方通行「さっさと尻尾を巻いて失せろ、三下ァァーーーッ!!」ダッ

不良C「く、くるなぁぁっ!!」ブンッ!

ボグッ!!

一方通行「グフッ!?」バターン

不良C「あ、あれ……弱い?」

一方通行「…………」ピクピク


土御門青ピ「「スズやーーーーん!?」」ガビーン



202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:35:58.86 ID:mZG/XDBu0

青ピ「このドサンピン。弱っちいスズやんに手ェ出すとか大概にせえよ」ギロッ


不良C「あわわわ……わ?」


青ピ「どつきまわしたるから覚悟せえや!」

土御門「ッ、どうやら覚悟が必要なのはこっちみたいだぜい」

青ピ「なんで?」ハテ?


不良DEFGHIJK「「「「「「「「…………」」」」」」」」ゾロゾロ

不良C「へ、へへっ、形勢逆転みたいだな」ニヤリ


青ピ「うそん」ポカーン

土御門「拙いにゃー、スズやんが気絶してるから逃げられんぜよ」ヒソヒソ

青ピ「……しゃーないなぁ。ここは僕に任して、キミはスズやん連れて逃げや」キリッ

土御門「凄絶な死亡フラグだな」ウン

青ピ「縁起でもないこと言わんといて!?」ガビーン



203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:37:29.53 ID:mZG/XDBu0

不良C「ゴチャゴチャうるせえっ!! さっきの借り、まとめて返してやるぜ!」ガァァ


青ピ「アカン!? 土御門くんのせいで逃げ出すタイミングを逸してるやん!」

土御門「まあ平気だろ。これだけ時間を稼げば風紀委員が…」


美琴「そこまでよ!」デデン


不良C「だ、誰だ!」


御坂妹「誰かと問われたなら、ミサカたちは統括理事直轄組織『グルー…わぷっ!?」ムググ

美琴「なに正直に名乗ろうとしてんのよ!?」ワタワタ

御坂妹「ぷはぁ……突然口を塞ぐのはやめてください、とミサカは野蛮なお姉さまに辟易します」ヤレヤレ

美琴「アンタが迂闊だからでしょ!? どーして私が悪く言われなきゃなんないのよ!」プンスカ

御坂妹「そんな事より早く検挙しなくては、商売敵がやってきますよ? とミサカはさり気なく話題を逸らします」

美琴「おっと、そうだった」


不良C「ふざけてんのかテメエら……」イライラ


美琴「こちらはアンチスキル特務支援課よ。焼かれたくなかったら大人しくお縄につきなさい!」

御坂妹「とミサカは威嚇のため暴徒鎮圧用ガス銃をチラつかせます」ジャキ


不良C「なんだよそれ!? アンチスキルが学生に銃を向けるってのか!?」ギョッ!?


美琴「あ、いや、これはあくまで様式美だから。アンタたちが抵抗しないなら…」

御坂妹「隙あり、とミサカは容赦なく銃を掃射します」

タタタタタタタタタッッ!!!!

不良CDEFGHIJK「「「「「「「「「ぎゃあああーーーーーーーーーーーーー!?!?」」」」」」」」」


美琴「こ、こらーーーーー!? なんで発砲てんのよーー!!」ギャース

御坂妹「ふぅ、掃討完了、とミサカは油断なくリロードしました」ガシャコン!

美琴「聞けよ!?」



204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:38:25.13 ID:mZG/XDBu0

美琴「相手がスキルアウトだからって、無闇に撃ってんじゃないわよ!?」

御坂妹「しかしあの人に『敵に情けは無用、躊躇わずに討て』とミサカは教育されていますから」シレッ

美琴「ア・イ・ツ・は~~~~~ッ!!」

御坂妹「それより索敵範囲内に感有り。これは…」


黒子「ジャッジメントですの! って、なんですかこの惨状は!?」シュン!


美琴「ゲッ、面倒くさいのが……」ゲンナリ

御坂妹「遅い到着ですね。本件もミサカたちが先んじて解決したので帰っていいですよ? とミサカはあからさまに挑発してみます」

美琴「ちょ、ちょっと!?」

黒子「お姉さま」シュン!

美琴「にょわ!?」ビクッ

黒子「一体何を考えていますの! 治安維持は子供の遊びではありませんのよ!」ガァァ

美琴「んなっ、遊びじゃないわよ! 風紀委員みたいなボランティアと違って、こっちは生活がかかってるんだから!」ガァァ



土御門「よし、今のうちにスタコラサッサだぜい」コソコソ

青ピ「えー、美人双子姉妹とお近づきに…」

土御門「風紀委員と警備員のやっかいになりたいのかにゃー?」

青ピ「それは……嫌やな」ウン



205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:39:36.96 ID:mZG/XDBu0

とある学生寮 一方通行の部屋――


一方通行「う……」パチ

土御門「フン、フン、目が覚めたかにゃー?」

一方通行「いつの間に部屋に……つゥかオマエ、何やってンだ?」

土御門「スズやんがスキルアウトにワンパンKOされたんで運んだんだ。そして暇つぶしに筋トレしてるんだぜい」ニヤリ

一方通行「ワンパン……」ズーン

土御門「天は二物を与えないって言うし気にするな」ケラケラ

一方通行「うっせェ」ケッ

土御門「ま、そのうち嫌でもケンカ慣れするさ。なんつっても俺たちは無能力者、下らん輩に絡まれやすいからにゃー」

一方通行「…………」

土御門「かつての最強としては複雑か?」

一方通行「!?」

土御門「白い髪に血のような赤い目、そして夏休みに流れた『第一位が死んだ』という噂。ピンときても不思議はないだろう?」ニヤ

一方通行「……俺が元第一位だと知っていて近づいたのか」

土御門「だとしたら、どうする?」

一方通行「悪いことは言わねェ。俺に関わるな」

土御門「…………」

一方通行「どうせ碌な事にはならないからな」

土御門「スズやんはやっさしいにゃ~♪」ニヤニヤ

一方通行「……はァ?」



206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:40:28.23 ID:mZG/XDBu0

土御門「オレに近づくと火傷するぜぃ、ってことなんだろ?」ニヤニヤ

一方通行「テメェ……」イラッ

土御門「それとも中二病乙! とでも言ってほしいのかにゃー?」ケラケラ

一方通行「よし、表に出ろ。愉快なオブジェにしてやンよ」

土御門「雑魚Cにアッサリ負けたくせに? うわ……スズやん雑魚すぎ」プークスクス

一方通行「……チッ」

土御門「まあそんな深く考えなさんな。幸い、うちのクラスには最強のお人好しがいるからにゃー」

一方通行「最強……?」

土御門「黙っていても勝手に解決してくれるから、オレたちは気楽に遊んでればオッケーぜよ」ウンウン

コンコン ガチャ

舞夏「兄貴ー、晩御飯できたぞー」


土御門「待ってました! スズやんも一緒にどうだ? 舞夏の飯は最高だぜい」

一方通行「あ、あァ」



207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:41:01.42 ID:mZG/XDBu0

とある学生寮 土御門の部屋――


舞夏「味はどうだ白い人ー」

一方通行「うめェ……」モグモグ

土御門「そうだろうそうだろう♪」ドヤッ

一方通行「なンでオマエがドヤ顔してンだよ。つゥかムカつくからやめろ」

土御門「舞夏は自慢の義妹ですたい」フフン

一方通行「聞いてねェよ」

舞夏「おかわりも沢山あるから遠慮せずに食べてくれよー」ニマニマ

一方通行「そンなに食えねェっての」

土御門「なんだと! 貴様、舞夏のメシが食えないっていうのか!?」ガァァ

一方通行「メンドくせェ」ヤレヤレ


◇ ◇ ◇ ◇


夕食後

第七学区 とあるコンビニ前――


一方通行「チッ、奨学金がこンなに少ないとは予想外だ。缶コーヒーのまとめ買いすら出来ないなンてなァ」

一方通行「……(けどまァ……こンな日常ってのも悪くねェかもな)」


キシャァァーーーーー!!!

コラ、スフィンクス!


一方通行「ン? これは……猫ちゃンの悲鳴?」ハテ?



208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:41:39.43 ID:mZG/XDBu0

禁書「スフィンクス、私と一緒に来るんだよ」

スフィンクス「フカーーーーッ!!!」

禁書「ッ、私に反抗するなんて許されないんだよ?」ニッコリ

スフィンクス「にゃう!?」ビクッ

禁書「やっぱりスフィンクスは良い子だね♪」


一方通行「オイ、そこのシスター」


禁書「あ、白い人だ」

スフィンクス「にゃあっ!!」スタコラサッサー

禁書「ああっ!?」


スフィンクス「みぅー……」スリスリ

一方通行「……(かわいい……)」キュン


禁書「スフィンクス!」ガァァ


209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:42:27.53 ID:mZG/XDBu0

一方通行「デカイ声を出すな。猫ちゃンが怯えてるだろうが」

禁書「私の猫なのに、言う事をきかないスフィンクスが悪いんだよ!」プンスカ

一方通行「…………」ジトー

禁書「そ、その蔑むような視線はなんなのかな!?」

一方通行「オマエ、嫌われてるンだろ」フッ

禁書「あーーっ! 今鼻で笑った!」

一方通行「くせェ、オマエ臭すぎるぜ」

禁書「ええっ、今朝ちゃんとお風呂に入ったのに!?」クンクン

一方通行「悪党の俺には分かる。オマエから下種な臭いがプンプンしやがる」

禁書「下種は酷すぎかも!?」ガビーン

一方通行「そンなヤツに猫ちゃンは渡せねェなァ」

禁書「……フッフッフ、この神聖にして不可侵な神の地上代行者たるインデックスに対して、なんたる不遜な態度」ニコッ

一方通行「ッ!?」ゾクッ

禁書「これは救済が必要かな?」

一方通行「~~~~!!(や、殺られる……ッ!?)」


御坂妹「あ、白い悪魔を発見、とミサカはすかさずあの人に連絡しつつ撤収します」タッタッタ


禁書「……ここで騒ぎを大きくするのは愚策かも。運が良かったね白い人。スフィンクスは当面預けておくんだよ」スゥゥ……

一方通行「き、消えた? 助かった……のか……?」ヘナヘナ



210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/12(水) 20:43:37.72 ID:mZG/XDBu0

スフィンクス「にゃあー♪」

一方通行「ン、オマエは確かスフィンクスだっけか」

スフィンクス「にゃお!」

一方通行「なンだったンだ、さっきのバケモノシスターは?」ブルッ

スフィンクス「みぃ~~~」ションボリ

一方通行「あンなのに返すわけにもいかねェよなァ」ソワソワ

スフィンクス「にゃあにゃあ!」コクコク

一方通行「俺には関係ねェが、このまま放っておくのは人としてあり得ないよなァ?」ウズウズ

スフィンクス「にゃう~~~」ウルウル

一方通行「悪党だって善行のひとつくらい許されるよな?」チラッ

スフィンクス「…………」ウルウル

一方通行「……うちの寮、ペットオッケーだったか? ま、いいか」ヒョイ

スフィンクス「にゃあ♪」パァァ

一方通行「猫缶と猫ちゃントイレ、買って帰らねェと」イソイソ





この日から、虚弱少年のまったり幸せライフが始まったのだった



585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:12:53.96 ID:8QXkaW3G0

EXTRA CASE とある幸福の一方通行S


とある学生寮 一方通行さんち――


土御門「――で、貸す金が無いから寮まで連れて来たわけだが」


一方通行「スフィンクスちゃン、ごはンですよォ♪」

スフィンクス「にゃあ♪」


土御門「完璧無視ぜよ。ハァ、ところでお宅はどちらさん?」

姫神「姫神秋沙。一応霧ヶ丘女学院に在籍している」

土御門「てことは第十八学区か。たしかに歩いて帰るには難儀な距離だにゃー」

姫神「だからモノレール代を借りたかった」

土御門「それは無理な相談ですたい。なんたって、オレもスズやんもゲーセンで遊び倒したんで無一文だぜい」ドヤッ

一方通行「一緒にすンじゃねェ。俺は猫缶を買ったから金が無ェだけだ」

土御門「しかし参ったにゃー。全員が文無しとは」

一方通行「まだ外は暑いンだ。一晩野宿するくらいどォって事ねェよ」


土御門「…………」ポカーン

姫神「…………」ポカーン


一方通行「なンなら段ボールをくれてやってもいい。近所の公園にでも…」

土御門「ま、待てスズやん!」

一方通行「ああン?」


586: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:14:26.15 ID:8QXkaW3G0

土御門「この子、女の子だぜぃ?」

一方通行「見りゃわかる」

土御門「もう外は真っ暗だ。しかも暑いし虫は出るし、野宿には辛い季節だにゃー」アセアセ

一方通行「そォかもなァ」

土御門「それを踏まえてもう一度聞くが、この子にどうしろって?」

一方通行「……チッ、お節介野郎が」

土御門「さっすがスズやん! 何だかんだ言っても優しいぜよ」ホッ

一方通行「バスタブを貸してやるから、今晩はうちに居ろ」デデン

土御門「バスタブを貸すなんて太っ腹…………バスタブ? ベッドじゃなくて?」

一方通行「ベッドはスフィンクスちゃンの寝床だ」

土御門「……お前さんは?」

一方通行「当然スフィンクスちゃンと一緒だァ」ドヤッ

土御門「威張るんじゃねーぜよ!? そこは譲ってやれ!」ガァァ

一方通行「はああァァ!?」

土御門「バスタブなんて人が寝る場所じゃねーだろうが! んなトコに寝るのは救いようのない馬鹿だけだにゃー!」


◇ ◇ ◇ ◇


上条「へっくし!!」

浜面「どうしたんだ、風邪か?」

上条「いいや、誰かに噂されてるに違いない……白い悪魔が流したデマに背びれや尾ひれまでつけて……」ワナワナ

浜面「あの強靭無敵な大将が怒りに震えている!? 心の柔らかいトコを的確に突いてくるなんて、白い悪魔……恐ろしいヤツっ!!」

上条「少し夜風にあたってくるわ……」トボトボ


◇ ◇ ◇ ◇


一方通行「めンどくせェ、もうオマエが泊めてやればいいだろ。面倒見のいい土御門くゥン?」

土御門「馬鹿野郎! もし舞夏にバレたら洒落にならんぞ!」

姫神「というか。金髪グラサンアロハは危険な香り」シレッ

一方通行「たしかになァ」

土御門「オレは義妹以外には興味無いにゃーーっ!!」ガァァ

姫神「なにそれ怖い」


587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:15:28.57 ID:8QXkaW3G0

土御門「じゃあどうするんだ? もう完全下校時刻は過ぎちまったし、無下に放り出すわけにもいかんぜよ」

姫神「いい。私が歩いて帰れば済む問題だから」

一方通行「それがベターだろ。霧ヶ丘っつったらスキルアウト程度、簡単に蹴散らせるだろうしよ」

土御門「ならせめて寮まで送って行くにゃー」

姫神「それもいらない」フルフル

土御門「遠慮はいらんぜよ。こう見えてオレは強いんだぜぃ? スズやんは超よわよわだけどにゃー」

一方通行「テメェ……」イラッ

姫神「いい。私の能力のせいで。あなたたちに迷惑をかけられないから」フルフル

一方通行「能力だァ?」

土御門「どういう意味かにゃー?」

姫神「それは――」


少女説明中……


姫神「――吸血鬼を引き寄せて殺す能力。だからとても危険」

一方通行「…………」

土御門「……(まさかコイツが『吸血殺し(ディープブラッド)』だったとは。イギリス清教はあのザマだし、さて、どうする?)」


588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:17:06.69 ID:8QXkaW3G0

姫神「昼間はともかく。夜は危険だから出ていく」

一方通行「待てよ」

姫神「なに?」

一方通行「本当の事を話せ」

姫神「…………」

一方通行「吸血鬼うンぬンが本当かどうかは重要じゃねえ。オマエがオマエ自身の能力に怯えてるのは分かったからなァ」

姫神「…………」

一方通行「会って数時間の俺たちを気遣う甘ちゃンがよ、関係無ェ奴らが大勢住ンでる寮に帰るのか?」

姫神「ッ!?」

一方通行「端っから帰る場所なンざ無ェンだろうが。誤魔化すなら、もうちっとマシな嘘を吐きやがれ」

姫神「わ、私は……」グスッ

一方通行「チッ、鬱陶しいから泣くンじゃねェっての」

姫神「だって……三沢塾が壊れて……もう頼れる人もいなくて……」ポロポロ

一方通行「……一晩だけ泊めてやる」プイッ


土御門「泣~かした、泣~かした~♪ ス~ズやんが~泣~かした~♪」ニヤニヤ


一方通行「土御門くゥゥゥン!! ケンカ売ってンですかァァ!?」ガァァ

土御門「は? オレは弱い者いじめをする趣味なんて無いにゃー」

一方通行「よわッ、…………いいぜェ、今日の特訓(格ゲー)の成果を見せつけてやンよォォ!!」グワッ

土御門「いい度胸だなド素人」ニヤリ


589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:18:17.46 ID:8QXkaW3G0

二秒後


一方通行「」チーン

スフィンクス「にゃあー!?」ガビーン


土御門「赤子の手を捻るより容易いにゃー」ヤレヤレ

姫神「あの……」

土御門「ん? ああ、気にせず泊ればいいぜよ。コイツもお前の境遇に、思う所があるみたいだからにゃー」

姫神「境遇?」

土御門「それをオレの口から言うのは野暮ってもんですたい。根は良いヤツだから心配は要らないぜい」

姫神「うん。なんとなく分かるかも」ウン

土御門「それはそうと、ずっと気になっていたんだが」

姫神「???」ハテ?

土御門「なんで巫女服なのかにゃー?」

姫神「別に本物の巫女じゃない。これは世をしのぶ仮の姿」

土御門「その実態は?」ゴクリ


姫神「私。魔法使い」ドヤッ


土御門「……(この子もスズやんと一緒で、割と残念な子だにゃー)」

スフィンクス「きしゃあーーっ!!」シッ

ザシュ!!

土御門「ひぎィィ!? ひ、引っ掻くんじゃねえぜよ!?」ギャース


590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:19:43.75 ID:8QXkaW3G0

学園都市 第七学区――


上条「募る不幸 この空高く積み上げたなら 届くかな? つーか届きまくっとるわ!! ポラリスを貫通するくらいになっ!!」プンスカ

上条「くッ、いかんいかん。キレ易い若者じゃねーんだし、もっとゆとりある精神を持たねば」


??「うぅ……うう……」


上条「どうかしましたか? 具合が悪いなら病院に…」

??「血ィィ……あ、まい……ちのにおいが……」

上条「ッ、こいつは……!」

??「血だァァァ!!! 血をよこせええええ!!!」

上条「ぬんっ!!」ボッ


ドッゴオオオオオオオオオオ!!!!


??「うわらば!?」グチャ!


上条「殴った時の不自然な冷たさ……これはヤバイかも。とりあえず――」pipi

木原『こちら木原、何か問題でも起きたのか?』

上条「緊急事態だ。とびっきりヤバイのが発生してる。あと今回は御坂たち抜きでやりたいのですが」

木原『わかった。俺に動員できる全戦力を投入してやる。場所は何処だ?』

上条「第七学区の公園辺り。てか詳しい報告も無しに太っ腹だな」

木原『お前がヤバイってんなら、それが一番の根拠になるからな。遠慮はいらねえ、全力で叩き潰せ、以上』pi


上条「はぁ、この手の『狩り』は何十年ぶりですかねぇ。もう神父じゃないけど、人の天敵は駆逐しねえとな」ニッコリ


591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:21:30.84 ID:8QXkaW3G0

とある学生寮 一方通行さんち――


一方通行「――ンン?」

姫神「気がついた?」

一方通行「オマエは……あァ、そうか。たしか土御門の野郎に瞬殺されたンだった」ズーン

姫神「ラリアットを喰らって。一回転して気絶した」

一方通行「いちいち説明してンじゃねェ!!」ガァァ

姫神「凄んでも無意味。あなた人相は悪いけど。全然怖くない」クスッ

一方通行「チッ」

姫神「…………」ジー

一方通行「なンだよ」

姫神「どうして私によくしてくれるの? 能力の話をすれば。避けられるか研究の対象にされるだけだったのに」

一方通行「よくした覚えなンてねェよ。少しばかりカワイソーだから同情してやっただけだ」

姫神「そう……」

一方通行「…………」

姫神「でも……それでも嬉しかった。ずっと一人ぼっちだったから。だから……ありがとう」ニコッ

一方通行「くっだらねェ。礼なら隣に住ンでる腐れシスコン野郎に言ってやれ」プイッ

姫神「うん。そうする……ッ!?!?」ゾクッ

一方通行「そうしてやれ。あの変態なら泣いて喜……なンだ? 妙な気配が……」ゾクッ

姫神「この感じは……」ガクブル

一方通行「オイ、一体どうしたン…」


ガシャーーーン!!!


??「血ィィ……ほうじゅんで、あまい香りが……ふひひ……」


一方姫神「「!?」」


592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:22:36.50 ID:8QXkaW3G0

一方通行「テメェ、何処のどいつだか知らねェが、割った窓ガラスを弁償しやがれ! こっちは金欠なンだっつの!」プンスカ

姫神「ダメっ!! 逃げてぇぇっ!!!」

一方通行「ハァ? なンで逃げる必要があるンだ?」ヒョイ


一方通行は釘バットを装備した!


姫神「どうして釘バットなんて持ってるの……?」

一方通行「認めたくないが俺は以前と比べて、ちっとばかし弱くなったからなァ。コイツは弱くなった部分を補うための武器だ」

姫神「そうじゃなくて。普通は釘バットなんて手に入らない」フルフル

一方通行「コンビニで売ってる」

姫神「本当に……?」

一方通行「ビニール傘と同じ売り場に置いてある。ンなコトも知らねェのか」

姫神「それは。勉強になった」

一方通行「ンで、テメェは何処のクソ野郎だ?」ギロッ


グール「この女だァ……ふひ、ふひひ! もう我慢できねえええッ!!!」


一方通行「キモチ悪ィンだよクソッタレがァァッ!!!」ブンッ!!

ボグシャ!!

グール「げぴっ!?」バターン


593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:24:18.62 ID:8QXkaW3G0

ガチャ

土御門「スズやん、無事か!?」


グール『』シーン


土御門「うわっ、グロっ!?」

一方通行「……くかっ」

土御門「ス、スズやん?」

一方通行「くかきくけかかかぎィゃはははははははははは!!!」ニタァァ

姫神「!?」ビクッ

一方通行「『一方通行(アクセラレータ)』を使えなかろうが俺は雑魚じゃねェ!! この『釘バット(エクスカリバット)』があればなァ!!」

土御門「……絶好調なトコに水を差して悪いんだが、お客さんはそいつだけじゃないぜよ」


グールA「いたぁ……ふれっしゅみィィとォォ……」

グールB「あひ、あふふひ、あひゃ!」

グールC「喰わせろォォ……吸わせろォォォ……」


姫神「ひっ!?」

一方通行「……ゾンビ映画のロケでもやってンのか?」

土御門「やつらはグール。吸血鬼に噛まれた非童貞、非処女のなれの果てだにゃー」

一方通行「しばらく肉は食えねェな」

土御門「お喋りしてる間にも連中、続々とこの部屋を目指して集まって来てるぜよ。退路はオレが何とかする、スズやんは姫神を…」

一方通行「今はスフィンクスちゃンの安全が最優先だ。さっさと逃げンぞ!」ヒョイ

スフィンクス「にゃあー!」


姫神「……ヒロインってなんだろう」


594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:25:45.59 ID:8QXkaW3G0

第七学区 とある学生寮 廊下――


姫神「下の階からいっぱい来てる……」

一方通行「クソッ、下へは降りれそうにねェ」

土御門「元より降りるなんて選択肢は無いぜよ。闇雲に逃げ回るより、吸血殺しを逆手にとって一か所に集めた方が対処しやすいにゃー」

姫神「私のせいでこんな……」

一方通行「うるせェ、オマエは黙って着いてくればいいンだっつの。オイ、このまま屋上に上がるぞ」

土御門「これ以上被害を広げないためには、それが最善かにゃー」


◇ ◇ ◇ ◇


屋上――


バタン

土御門「やれやれ、ここなら一息つけそうだぜぃ」

一方通行「つっても時間を稼ぐだけじゃ意味が無ェ。一応アンチスキルに通報しておくか?」

土御門「そこは抜かりないぜよ。部屋を出る前に、助けは手配済みだにゃー」

姫神「……助けなんて。私が出ていって噛まれれば…」

一方通行「ハァ? ざっと見ただけで百匹以上はいやがるってのに、血を吸わせるだァ?」

土御門「干物になっちまうぜよ……」

姫神「でも…」

一方通行「デモもメーデーもあるかボケ。オマエは生餌なンだ。大物を釣り上げるためのなァ」ニタァァ

土御門「そういうこと。吸血鬼とやらを倒さない事には、雪だるま式にグールが大繁殖ですたい」

一方通行「つゥわけで――」


バンッ!!

グール「みィィつけたァァ……!」


一方通行「クソ溜めのボスが来るまで、オマエは守られてろ」


595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:27:22.56 ID:8QXkaW3G0

学園都市 窓のないビル――


禁書「わぁ、極東の地に吸血鬼が現れるなんて珍しいね」

アウ「…………」

禁書「でも動きが変かも。繁殖を行ったのは最初の研究所だけ、……何かを探している?」ハテ?

アウ「……依然、その能力を垂れ流している『吸血殺し』が原因ではないかと」

禁書「………………ああっ!? あいさの事すっかり忘れてたんだよ!?」ガビーン

アウ「必然、言い難いが彼女は影が薄いので仕方あるまい」


アレイ☆「……(ふむ、すでに幻想殺しがグール共の駆逐を始めているようだな。特に問題はないか)」


禁書「アウレオルス、吸血鬼の居場所は?」

アウ「第七学区の再開発地域から外れた廃ビルに潜伏している。ここは私が出向き、始末をつけよう」キリッ

禁書「ううん、私が出るんだよ」

アウ「唖然、君にあのような下衆の相手をさせるわけにはいかない!」

禁書「それはこっちの台詞かも。こんな汚れ仕事を部下に押しつけるなんて、私の矜持が許さないんだよ」

アウ「おお……! ジーク・ハイル・インデックス!!」

禁書「さて、神に逆らう不浄の徒に神罰を与えないとね♪」ニッコリ


アレイ☆「……(キコエナイ、私は何もキコエナイ)」


596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:28:26.39 ID:8QXkaW3G0

第七学区 とある廃ビル――


吸血鬼「ハァ、ハァ……これ以上は抗えん。なんという芳醇且つ退廃的な香りか。だがその先にあるのは……」

女生徒「や、やめて……殺さないで……」ガクブル

吸血鬼「この衝動を紛らわせるために貴様を捕らえたのだ。ハァハァ、フ、フフフ、この街に来てから処女を食らっていないからな」ニヤリ

女生徒「いやああああああああああああああああ!!!」

吸血鬼「良い悲鳴だ。研究者というのは不味くて敵わん、やはり清純な乙女でなくては…」


ブスリ


吸血鬼「あ?」

女生徒「ふぇ……?」

吸血鬼「は、腹がああああああああ!!! この焼けつく様な痛みは、まさか聖剣の類、ごはっ!?」ゴポッ


禁書「ただのフォークだよ。私の魔力をエンチャントしてるけどね」


吸血鬼「修道服……ッ!! 貴様ぁぁっ!!」

禁書「不死者にかける慈悲なんてないんだよ。魂を冒涜した罪、簡単に贖えると思わないで」

吸血鬼「調子に乗るなよ人間っ!! 餌の分際で…」

禁書「エゴ・エゴ・ア・ザラゴライ・エゴ・エゴ・ザメ・ラゴン 闇の公子 悪の長子と その王の名に於いて来たれ 悪魔の肉芽よ 汝が贄を 喰らい尽くせ」

吸血鬼「ま、まさか……その呪文は……馬鹿な、人間如きにソレを使えるはずがない!?」ブルブル


禁書「このインデックスをもってすれば造作も無いんだよ。――暴凶餓鬼地獄(エッド・ツェペリオン)」


吸血鬼「嫌だ……嫌だあああああああああああああああああああああ!?!?」キュイーン


禁書「この魔術に囚われたモノは魔界の飢餓魂に全てを喰らい尽くされる」


吸血鬼「ひィィィーーー!?」ボリボリ ムシャムシャ


禁書「後悔も懺悔も要らないよ。魂すら喰い荒されるあなたに、救いなんて必要ないからね」ニッコリ

女生徒「はう……」パタリ

禁書「気絶しちゃったの? ここからが最高のショーなのに」ヤレヤレ


吸血鬼「だ、ダズゲデ……あぎゃああーーーっ!!!」メキ! バリッ!! グチョッ!!!


禁書「あはっ♪ 中途半端に丈夫だと、なかなか死ねないから悲惨かも」


597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:29:42.61 ID:8QXkaW3G0

第七学区 とある学生寮 屋上――


グールA「がァァッ!!」

土御門「そこだっ!」シッ

バキッ!!

グールA「がッ!?」バターン

土御門「流石にキリが無いぜい。スズやんはまだやれるかにゃー?」チラッ


一方通行「ぜェ……ぜェ……もォ無理」グッタリ

姫神「三。四回バットを振っただけでこの有様」

一方通行「ゲーセンでやったゾンビを撃ち殺すヤツは、ノーミスでクリア出来たってのに……クソッ、腕がもう上がらねェ」プルプル


土御門「……端から当てにしていないとはいえ、モヤシにも程があるぜよ」ゲンナリ


グールB「吸わせろォォ……血をよこせェェ……」ヌッ

姫神「え……」


土御門「しまった! 壁をよじ登って来ただと!?」


598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:31:06.73 ID:8QXkaW3G0

Side 一方通行


大量に押し寄せるグールの侵入を制限するために、狭い階段からの入口しかない屋上へ避難した。
実際その策は功を奏し、余裕で時間を稼げていた。

そこに油断が生じた。

鈍くさいはずのグールが壁伝いに屋上へと侵入したのだ。


土御門「スズやん! 姫神を守れっ!!」

階段側からの侵入を、獅子奮迅の活躍で食い止めている土御門が悲鳴のような叫びを上げる。
その声に応えるように、一方通行は四肢に力を入れ立ち上がろうとするが

一方通行「ぐッ……!」

まったく立ち上がれない! 明日を待たず筋肉痛に苛まれているのか、生まれたての小鹿のようにプルプルするのみだ!

そうこうしているうちに、壁を登って来たグールが姫神の目の前まで迫っていた。


一方通行「なにつっ立ってやがる! 早く逃げやがれ!」

姫神「ううん。もういいから」

一方通行「オマエ、まさか……」

一方通行の背中に嫌な汗が伝う。
全てを悟ったかのように諦めの言葉を吐く姫神に、何かが重なって視える。


――誰も傷つけたくない

――だったら誰もが歯向かう気が失せるほど強くなればいい。最強じゃ足りない、無敵にならねェと

――実験? 無敵になれるなら参加するか



ヒトヲコロシテシマッタ……モウダレモキズツケタクナカッタノニ……



――あれは人形だ、人間じゃねェ。クソッタレな科学者も言ってただろ?

――絶対能力者になりさえすれば、またいつか、あの輪の中に戻れる……


599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:32:02.81 ID:8QXkaW3G0

一方通行(違ェ……全っ然違うだろうがクソッタレ!!)


一瞬でも自分と姫神の境遇を重ねた事を否定する。


一方通行(俺には選択肢があった。けどこの女にはそれが無かった。なのにこの差はなンなンだ!)


科学者の甘言に乗せられて殺戮の限りを尽くしてきた自分は、今のうのうと幸せを享受している。


一方通行(なンでこンな事になってンだよ。このお人好しの馬鹿女が俺より罪深いってのか?)


出会って数時間の関係だが、こびりつく様な血の匂いも、殺戮者特有の陰鬱な雰囲気も纏っていなかった。


一方通行(俺みたいなクズが幸せで、なンでこの女はこンなにも不幸なンだ……!)


あまりの理不尽に脳が焼き切れるほどの怒りを覚える。
同時に、今、この瞬間にこそ必要な『一方通行(アクセラレータ)』を失った自分に失望する。


一方通行(起きろよラッキー……もしカミサマってのが本当に居やがるなら、俺なンかより目の前のお人好しを救えよ)


かつて最強の能力者だったとは思えない凡庸な願い。

だが偽り様のない、素直な心からの願いだった。自分以外の人間のために、初めて本心から湧きだした願いだった。


しかしご都合主義の如く、ヒーローなんて現れるわけもなく







上条「見ィィつけたぞォォ!! この元リア充どもがあああああああああああああああ!!!!」







駆けつけたのはバケモノの類だった。


600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:33:41.90 ID:8QXkaW3G0

何処から現れたのか、ツンツン頭のバケモノは姫神に迫っていたグールを苦も無く叩き伏せ、鋭い眼光だけで場を支配した。


上条「クク、ククク、クハハハハハ!!!」

土御門「カ、カミやん……?」

上条「ん~? 誰かと思えば土御門じゃねーか。お前も不死者狩りに来たのか?」

土御門「いや、オレは巻き込まれた側ぜよ」

上条「そっか、そんじゃ大人しく見物しててくれ。すぐに掃除を済ませるからさ」


困惑する土御門を尻目に、ツンツン頭はグールの一団を見渡し口角を吊り上げ宣告する。


上条「魔法名を名乗るほどの相手でもねえか。ま、元に戻す手段もないし、わりーけどもう一遍死んでくれよ」


その宣言から数秒後、とある学生寮の屋上は凄惨なブラッドバスと化した。


◇ ◇ ◇ ◇


グールZ「がああーーっ!!」

上条「この上条さんの眼前でグゥゥルが闊歩しているなんて、許しておけるかゲンコロゲンコロオオォォオオ!!!」ボボボッ

ズドドドドドドドドドッッ!!!!!

グールZ「あわびゅ!?」グシャッ!!

上条「よっし、全部死んだな」

土御門「…………」ガクブル


猟犬部隊A「『グループ』のリーダーを支援するようにとの命令を受けて参りました。指示を願います」タッタッタ

上条「んじゃ消毒部隊のみなさん、消毒をお願いします」

猟犬部隊A「い、いえ、我々は『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』であって…」


猟犬部隊B「ヒャッハー! 汚物は消毒だああーーーっ!!」ゴオオオオオオオ!!!

猟犬部隊C「学園都市製の火炎放射機はよく燃えるぜぇぇー! げひゃひゃひゃ!!」ゴオオオオオオオ!!!


上条「うん?」ハテ?

猟犬部隊A「……なんでもありません」ドヨーン


姫神「あわわわ……」ガクブル

一方通行「……(やっべ、少しちびっちまった……)」ブルッ


601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:35:32.75 ID:8QXkaW3G0

上条「消毒完了っと。では撤収」


猟犬部隊ABC「「「了解っ!!」」」タッタッタ


上条「あとの始末は…」

Prrr Prrr

上条「はいはい、こちら上条さんですよ」pi

木原『情報が回って来たんで簡潔に伝えるぞ。今回の死体が動き回るなんてトンデモ事件の首謀者は、『吸血殺し』とかいう能力者の仕業で確定だそうだ』

上条「吸血殺しねぇ」チラッ


姫神「ひっ!?」ビクッ


木原『んで、丁度お前の居る場所に吸血殺しも居るんだわ。黒髪ロングの女な』

上条「あー、居ますね」

木原『肝心の吸血鬼は別口で始末されたから安心しろ。あと臭いの元だが、上から殺すように言われてっからよろしく頼むぜ』

上条「…………」

木原『なんだぁ? 殺しは嫌なのか?』

上条「どっちかっつったら嫌だけどさ、今回は割り切るしかねーだろ。定期的に不死者が湧くとかあり得ない」

木原『へぇ、もっと甘チャンかと思ってたが……まあ安心したぜ』

上条「『吸血殺し』は確実に殺しておく。……ちなみに今回の仕事でどのくらい減りましたでせうか?」

木原『今回のは魔術師よりヤベー案件だったからなぁ。今月分の利息をチャラにしといてやるよ』

上条「マジで!?」パァァ

木原『マジだマジ。だからキッチリ後始末しとけよ』pi

上条「始末する! めっちゃ始末しときます!」


602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:36:44.32 ID:8QXkaW3G0

上条「えーっと、そこの女の子が吸血殺しの能力者なんだよな?」


姫神「うあ……ああ……」ガクブル

一方通行「テメェ……」ギリッ

土御門「ちょっと待てカミやんっ!!」


上条「待てねーよ、早く帰らないと打ち止めたちが心配するからな」スタスタスタ

姫神「や…やめて……」フルフル

上条「痛くしないから心配すんなって。じっとしてろよ」

土御門「ッ、見損なったぞ上条当麻ッ!!」シッ

ヒラリ

上条「遅っせーなぁ」スッ

ズドンッ!!

土御門「かはっ!?」

上条「素人が口出しすんじゃねーっての。この手の事件は、神父やってた頃に何百件も解決した実績がある上条さんですよ?」

土御門「神父……だと……」ガクリ


上条「ったく、邪魔すんなよなー。さてと、気を取り直し…」

一方通行「……なンで殺されなきゃいけねェンだ?」

上条「はぁ?」

一方通行「コイツは何もしてねェだろうが!」


姫神「ッ!?」


603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:37:57.87 ID:8QXkaW3G0

上条「何もしてないって……。実際に吸血鬼を呼び寄せて被害が出ただろ?」

一方通行「それはコイツの意思じゃねェ!!」

上条「だろうなぁ」

一方通行「だったら……!」

上条「確かに可哀想だと思うけどさ、制御出来ない能力なんて害悪でしかねーんだよ」

一方通行「~~~~~ッ!!」

上条「この街には守ると誓った大切な人たちが住んでるんだ。それを今日、少なからず脅かされた。なら次が起こる前に原因を排除するべきだ」

一方通行「させねェ……」

上条「ほっほーう」

一方通行「俺みたいなクズが今更だよなァ。けど、それでも……コイツが不幸になるのを見過ごしていい理由にはならねェだろうがっ!!」

上条「その意気やよし! いいぜ、かかってきな」


姫神「逃げてっ! こんなバケモノに。敵うわけない!?」フルフル


一方通行「馬鹿言ってンじゃねェよ。俺を誰だと思ってやがる。この程度の三下なンざ楽勝だっつの」ニタァァ

上条「上等っ!!」シュン!

一方通行「なっ!? 消え――」



バキッ!!!


604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:39:40.51 ID:8QXkaW3G0

数十分後


「――やん! ――――スズやん!!」


一方通行「……あァ?」

土御門「よかった、気がついたか」ホッ

一方通行「ぐゥゥ、今日何回目の気絶だ……痛ゥ!?」ズキズキ

土御門「まだ起き上がるのは無理ぜよ。お互いこっ酷くやられたからにゃー」

一方通行「そうか……また負けた、のか……」

土御門「…………」

一方通行「ッ、そうだ、あのお人好し女はどうした!?」

土御門「スズやん……」

一方通行「何処に居ンだよ? 今晩は泊めてやる約束を…」

土御門「スズやん!!!」

一方通行「……ンだよ」

土御門「俺が目を覚ました時には、オレとスズやん以外 誰も居なかった」

一方通行「…………」

土御門「おそらく姫神は……もう……ッ」

一方通行「なンだよそれ。オイ、ふざけンなよ」ワナワナ

土御門「…………」

一方通行「なンだってこんな……ッ、クソ、クソ…ッ、クソがああああああああああああああ!!!!」





姫神「あ。目が覚めたんだ」ヒョコ





一方御門「「……………………………………………………オイ」」


605: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 00:42:26.06 ID:8QXkaW3G0

翌日 九月三日


第七学区 とある高校――


上条「はあーーっ!? お前らなんつー勘違いしてんだよ!?」ガビーン

土御門「いやー、あの時のカミやんはマジで殺りかねない雰囲気だったからにゃー」ケラケラ

上条「能力を殺しただけですから!」

青ピ「聞いたでカミやん! なんでも可憐な女子を殺そうとしたんやて!?」ガァァ

上条「ちょ、おまっ!?」


クラスメートA「痴情のもつれで彼女を亡き者にしようとしたらしいよ」ヒソヒソ

クラスメートB「私は要らなくなった愛人を殺したって聞いたわ」ヒソヒソ

クラスメートC「上条君、サイテー」ヒソヒソ


上条「ぎゃああーー!? 上条さん極悪人説が流れてるぅぅーーー!?」ギャース

一方通行「ハッ、極悪人に違いねェだろうが」

上条「それは誤解…」


クラスメートA「それより今朝テレビ見た?」

クラスメートB「見た見た! 学園都市のヒーローでしょ。えーと、アンチスキルの新設部隊の人たち!」

クラスメートC「常盤台の超電磁砲がカッコイイのは知ってたけどさぁ、金髪の男の人もちょっとカッコよくなかった?」

クラスメートA「うんうん♪ それに引き換え……」チラッ


上条「ううっ、蔑みの視線が……不幸だ」ガックリ

土御門「統括理事会のプロパガンダだにゃー。何故かカミやんだけカットされてたが、ぷぷっ」プークスクス


ガラガラ

小萌「はいはーい、みなさん席に着くのですよー。今日は転校生ちゃんの紹介をするのですー」


クラス一同「おおっ!!」


小萌「霧ヶ丘女学院から来た姫神秋沙さんでーす。仲良くしてあげてくださいねー」

姫神「…………」ニコッ


一方通行「退屈しねェなァ、レベル0ってのは」ヤレヤレ


テッテレー


姫神秋沙は『吸血殺し』及び『ミラージュコロイド生成能力』を失った!

一方通行は巫女少女にフラグを建てた!

上条当麻の不幸が加速したっ!!



禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」
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